DUALSHOCK4にボタンを拡張することでゲームのプレイ感が大幅に向上!
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが、2020年1月16日に数量限定で発売を開始したワイヤレスコントローラー(DUALSHOCK 4)の拡張機器“DUALSHOCK4 背面ボタンアタッチメント”。
同機器は、DUALSHOCK4の背面に装着して使用するデバイスで、コントローラとしての機能や快適さを損なうことなく、ふたつのボタンを背面に追加することができるというもの。
“DUALSHOCK4 背面ボタンアタッチメント”の発売前に、本機を使用させてもらえる機会が得られたので、このデバイスを追加することでどういった体験がもたらされるのか? 装着した感じはどうだったのか? 実際に装着・使用してみてわかったフィーリングや機能についてお伝えしていこう。
※本製品は発売前のモデルを使用しているため、実際の製品と外観や仕様などが異なる場合があります。
さっそく本機を取りだして外観をチェック。背面側を見ると、中央部にボタン設定用のOLED(有機EL)スクリーンが設けられており、その両サイドに拡張ボタンを搭載。
接続部にはヘッドセット用3.5mm端子と拡張端子を用意。端子部は前後方向に対してフレキシブルに稼働するようになっており、この端子をDUALSHOCK4の下面に差し込むようにして本機を装着する。
本機に追加登録できるボタンは、以下にあげた15操作+ボタン設定無しの16種類。タッチパッドボタンとPSボタン、Shareボタン以外のすべてのボタン押下操作を割り当てられるということになる。
ボタン設定無し、△ボタン、○ボタン、×ボタン、□ボタン、方向キー上、方向キー右、方向キー下、方向キー左、L1ボタン、R1ボタン、L2ボタン、R2ボタン、L3ボタン、R3ボタン、OPTIONボタン
装着後は、純正品のアタッチメントだけあってさすがの一体感といったところ。黒色の純正コントローラとの愛称は抜群だが、白色とのコントローラでも、ボタンなどのパーツ部が黒色となっているため、それほどの違和感を感じることはなかった。
拡張ボタンは、コントローラを握ったときにちょうど左右の中指が収まる位置に配置。人差し指や薬指でも操作できなくはないが、中指での操作がいちばんしっくりくるだろう。
ボタンの感触はカチッ、カチッと小気味よい押下感。レースゲームを遊ぶ人なら、ハンドルコントローラについているパドルシフトのようなもの……と思ってもらうといいかもしれない。
装着後、OLEDスクリーンを押すと、拡張ボタンに割り当てられているボタン設定とプロファイル番号が表示される。このスクリーンボタンを長押しし、プロファイルの表示部が点滅しているあいだに拡張ボタンを押していくことで、登録するボタンを選択できる。
プロファイル(ボタンのプリセット)は3種類まで登録可能で、スクリーンボタンを素早く2度押しすることでP1→P2→P3(以降はP1から)と、トグル式に切り替わっていく仕組みだ。
実際に本機を装着したコントローラを握ってみたところ、DUALSHOCK4の機能と快適性を損なわないとのうたい文句通り、特段コントローラの握り心地が大きく変わるといったことはなかった。中指部分に拡張ボタンが位置している以外、とくに干渉する部分がないというのは好印象。
最近の3D系アクションゲームでは、L3ボタン(左スティックの押し込み)がダッシュに割り当てられていることが多く、移動しながらダッシュをする場合などはスティックを倒しながら押し込むという、ゲームに不慣れな人にとっては若干煩雑な操作が求められていたが、これも拡張ボタンへL3ボタンを割り当てるだけで快適操作に変貌。スティックでの移動時でも、その動きを妨げることなくダッシュをくり出すことができる。
気になる背面ボタンアタッチメントの重量だが、計量器で計ってみたところ実測で25グラムという結果に。ちなみに、DUALSHOCK4本体の実測重量は218グラム。合わせると合計で243グラムとなった。
個人的にいま絶賛プレイ中の『デス・ストランディング』では、左拡張ボタンにL3ボタンを、右拡張ボタンにはOPTIONボタンを登録。
本作でのL3ボタンはダッシュ操作の切り替えのため、移動時につねに押しっぱなしにする必要はないのだが、プレイ中は頻繁に行う操作のため左拡張ボタンに割り当てたところ、その使い勝手は上々。
また、マップ表示や荷物の管理などのメニュー表示で同じく頻繁に使うOPTIONボタンも右拡張ボタンに登録。些細な変更だが、視点操作に用いる右スティックから指を離すことなく操作できるなど、個人的には操作感の向上が感じられた。
踏ん張り状態(L1+R1ボタン)で移動しながらオドラデクのセンサーを頻繁に利用するといった人なら、右拡張ボタンにR1ボタンを割り当てるのもいいだろう。
2019 Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.
FPS(ファーストパーソンシューティング)のタイプのゲームでは、銃の構えなどがL2ボタン、射撃がR2ボタンに割り振られていることが多いが、たとえば『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』では、上記に加えてL1ボタンがタクティカル装備使用、R1ボタンがリーサル装備使用と、L/Rボタン回りの操作が煩雑なものが少なくない。
さらには、移動で使用する左スティックの押し込み(L3ボタン)はダッシュ/TACダッシュ/ステディエイム/ズーム変更、右スティック押し込み(R3ボタン)は近接攻撃といった具合に、コントローラについているボタンのフル活用が求められる。
このように、戦闘中リアルタイムにほぼすべてのボタン操作が求められるタイプの作品なら、拡張ボタンによって得られる効果は高いに違いない。
(C)2019 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, CALL OF DUTY BLACK OPS and MODERN WARFARE are trademarks of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.
ちょっと変わった使いかたになるが、『グランツーリスモSPORT』のコントローラプレイ時に、シフトチェンジ(デフォルトでは×ボタン、□ボタン)を拡張ボタンに割り当ててみるのも、おもしろい利用法と言えるだろうう。
前述のように、拡張ボタンはハンドルコントローラのパドルシフトのような位置にあるので、クルマを操作している感をより高めることができる。(遊びやすいかは個人差があるが)ステアリング操作を“モーションセンサー機能”に割り当てると、まるでパドルシフト付きのハンドルで操作しているかのような、レーシーな雰囲気でプレイできるはずだ。
なお、左右スティックによる入力と、L2/R2ボタンのアナログ入力には当然ながら対応していない。『グランツーリスモSPORT』を始め、レース系のゲームではアクセルとブレーキ操作がアナログ入力できるよう、L2/R2ボタンに割り振られていることが多いが、これらの操作を割り当てた場合はオンかオフのみのデジタル入力となってしまう。
(C)2017 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. "Gran Turismo" logos are registered trademarks or trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc. Produced under license of Ferrari Spa. The name FERRARI, the PRANCING HORSE device, all associated logos and distinctive designs are property of Ferrari Spa. The body designs of the Ferrari cars are protected as Ferrari Spa property under design, trademark and trade dress regulations
このように、プレイヤー次第で利便性は大きく異なってくるだろうが、基本的にプレイ中に煩雑な操作が求められるタイプの作品(=アクション系)ほど、快適なプレイを体験できるに違いない。
ちなみに、スマートフォンやタブレット、PCなどで利用できるリモートプレイでも、本機は問題なく使用可能。外出先などでのプレイにもしっかり対と応していた。
ここまで手放しに褒めてきたが、個人的に若干気になる点(というか要望)をあげると、OLED表示部は背面ではなく、コントローラ前面に欲しかった。本機のように背面にあるからと言ってフィーリングが劇的に変わるわけではないが、ゲーム中のプリセット切り替えなども考慮すると、前側にあるほうが便利に違いない。
また、L1+L2ボタンをいっしょに押すといった“同時押し”や、特定のボタンの“連射”などといったプログラム機能があるとよりおもしろいかもしれないが、そうなると価格はもちろん、サイズと重量も大きくなるかもしれず、設定も面倒になりかねないので、やはりこのシンプルさがいいのかもしれない。
ここまで、プレイステーション用コントローラとしては希な拡張デバイスの説明をしてきたが、最後に先日25周年を迎えたプレイステーションのこれまでのコントローラの歴史を少し振り返ってみよう。
初登場よりキープコンセプトを保ちつつ、着実な進化を遂げてきたプレイステーションシリーズのコントローラの変遷
1994年12月3日に登場した初代PSで、方向キー、○、×、△、□、L1、L2、R1、R2、SELECT、STARTという現在に通じる基本的なデザインを確立。
以降、2本のアナログスティック&震動機能を追加したバージョンも登場し、やがてグリップ部の左右に震動モーターを搭載したデュアルショックが登場。
PS2でさらに、方向キー、○、×、△、□、L1、L2、R1、R2の各種ボタンが256段階の感圧センサー式のアナログ入力に対応。
PS3ではプレイステーションの起動などが行えるPSボタン&6軸検出モーションセンサーを新たに搭載。L2/R2ボタンがストロークのあるトリガーボタンに変更され、無線機能も追加されていた。
PS4ではSTARTボタンとSELECTボタンがそれぞれOPTIONボタン、SHAREボタンに置き換わり、コントローラ中央部にさまざまな操作に用いることができる感圧タッチパッドを搭載。
コントローラの接続状態やプレイヤーカラーなどを表示できるライトバーや、音声出力用スピーカー、ヘッドセット端子・拡張端子なども用意されている。
プレイステーション5のコントローラはどうなる!?
このように、世代が進むごとに新たな機能が拡張されてきたPS用コントローラだが、2020年に登場が予定されているPS5では、ボタンを押し込む感覚がフィードバックされる“ハプティック技術”の搭載がアナウンスされている。
また、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2019年12月26日にコントローラの背面ボタンに関する特許出願情報を公開しており、PS5の新コントローラにはあらかじめ背面ボタンが搭載されるのではといった噂も出ている。
あくまで噂であるため、実際にPS5のコントローラーに背面ボタンが搭載されるかは不明だが、今回紹介した“DUALSHOCK4 背面ボタンアタッチメント”を使えば、今日からでもその便利さを体験することができるはずだ。
ただひとつ言っておきたいのは、ここまで説明してきたように本製品は既存のボタンを拡張する機器のため、装着の有無によってゲームプレイそのものに違いが発生するという類のものではない。
しかし、PS4のゲームを遊びこんでいる人(とくにコントローラのボタン操作が煩雑なタイトルをより遊んでいるプレイヤー)にとってはおそらく、プレイをより快適にしてくれる周辺機器になることだろう。
現在、Amazon Japanを始めとする各種ECサイトでは品切れ状態となっているところが多く見られるが、量販店などの実店舗では取り扱いが行われているところも存在している。ファミ通ドットコムでも販売に関する追加情報などが入り次第お伝えしていくので、こちらもあわせてチェックしてもらいたい。
2020年1月16日発売
価格:2980円[税抜]