新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛が続く、2020年5月。時間はあるけど出かけられない! という皆様に向けてファミ通ドットコム編集部員がオススメのゲームを毎日紹介していく企画をお届け。今回紹介するのは、2本の位置情報ゲーム、スクウェア・エニックスとコロプラによる『ドラゴンクエストウォーク』と、そしてワーナー ブラザースとナイアンティックの『ハリー・ポッター 魔法同盟』。
古屋陽一のおすすめソフト
『ドラゴンクエストウォーク』
- プラットフォーム:iOS、Android
- 配信日:2019年9月12日
- 配信元:スクウェア・エニックス
- 『ドラゴンクエストウォーク』公式プロモーションサイト
『ハリー・ポッター 魔法同盟』
- プラットフォーム:iOS、Android
- 配信日:2019年7月2日
- 配信元:ワーナー ブラザース ジャパン/ナイアンティック
- 『ハリー・ポッター 魔法同盟』公式サイト
外出しないでも遊べるようにするために
“おすすめゲーム”というお題を受けて、記者は一も二もなく『ドラゴンクエストウォーク』と『ハリー・ポッター 魔法同盟』を選んでしまったわけであるが、こうして原稿を書くべく机の前に座ってみると、両作ともしみじみと付き合いの長いタイトルになってしまった。
『ハリー・ポッター 魔法同盟』を始めたのが、日本でローンチされた2019年7月2日、『ドラゴンクエストウォーク』は、サービスインの翌週の2019年9月17日からと(『ドラゴンクエストウォーク』のサービスインは東京ゲームショウ2019会期中の9月12日で、取材に追われていた記者は手がつかなかったのです)それぞれ相当長い付き合いとなる。どちらかというと飽き性の記者にしては、よく継続できているものだなと思う。その理由を何となく考えるに、[1]隙間隙間でちょいちょいプレイできる、[2]コツコツと積み上げていけば、結果がちゃんと出るので、地道かつ堅実な性格の記者には合っている、[3]フラフラするのが好きな記者とゲーム性がマッチしている、といったところだろうか。
実際のところ、2019年の秋から2月くらいまでにかけては、週末ともなると、『ドラゴンクエストウォーク』の“おみやげ”を求めて、ふらりと外出したりしたものだ。“おみやげ”のゲットを目標として家を出て、その地域のおいしいものを食して舌鼓を打つというのは、何とも満ち足りたひとときでありました。
ところが、今年に入ってそんな状況が一変してしまった。言うまでもなく新型コロナウイルスの拡大だ。『ドラゴンクエストウォーク』にしても『ハリー・ポッター 魔法同盟』にしても、いわゆる位置情報ゲームという範疇に属するタイトルだ。ユーザーが現在いる位置や移動した距離などが、ゲームプレイに大きく関わってくるため、“移動すること”がゲームプレイには必須となる。それが新型コロナウイルス感染症拡大の影響により“外出自粛”となると、ゲームとして成り立たなくなる。「いったいどうするんだろうなあ……」とは、記者もほんやりと思っていたことであった。
もちろん、各メーカーは即座に対応した。自宅にいても快適にゲームが進められるように、ゲーム性をアレンジしてきたのだ。あれだけの短期間で、けっこうな対応をしてきた開発陣には本当に頭が下がる思いです。
『ドラゴンクエストウォーク』の変更でで大きかったのは、“どこでも目的地”を現在地周辺でも選択可能にしたことと、“どこでもメガモンスター”の採用であろうか。
ご存じの方も多いかと思うが、軽く説明しておくと、『ドラゴンクエストウォーク』ではクエストをこなすにあたって“目的地”を決める必要があり、通常は設定された場所を選ぶのだが、“どこでも目的地”を選択すると任意の場所を選択できる。ただし、従来だと現在地から近くには設定できなかったのだが、今回の変更により、近辺に設定できるようになった。つまり自宅の近くに目的地を設定できるようになったのだ。
もうひとつの“どこでもメガモンスター”は、いわゆるレイド戦を自宅からでも参加可能にしたもので、ゴールデンウィーク期間中は決まった時間に4回実施されている(ゴールデンウィーク期間中は5回だった)。これまでメガモンスター戦は、決まったスポットでしか行われておらず(記者の場合は、最寄り駅とか、近くのスポーツセンターとか)、なかなか参加の敷居が高かったのだが、“どこでもメガモンスター”は、なにしろ自宅でエントリーできてしまうので、ついつい遊んでしまう。
こういった変更を軸に、モンスターの出現頻度を上げる“においぶくろ”や“、好きなところに目的地を設定できる“導きのつばさ”といったアイテムを特典として適宜投入し、自宅にいながらにして、快適なプレイ環境を実現しているのだ。
なお、『ドラゴンクエストウォーク』では、3月30日から『ドラゴンクエストIII』のイベントを開催している(イベントは5月27日まで)。『ドラゴンクエストIII』と言えば、シリーズ中でも高い人気を誇り、イベントを楽しみにしていた方も多かったのではないかと思われる。実際のところイベントの内容はてんこ盛りで、いままでのイベントのいいところ取りみたいなところもあり、遊び応えは満点だ。“ルイーダの酒場”は『ドラゴンクエストウォーク』のゲーム性に非常にマッチしているような気がする。
そんな『ドラゴンクエストIII』イベントの開催が、新型コロナウイルスの影響下とちょうど重なる感じになってしまったのは巡り合わせというほかないが、『ドラゴンクエストIII』のイベントだからこその、ここまでの盛り上がりなのかもしれないなあとも思ってみたりもする。いずれにせよ、臨機応変に対応して楽しさを提供してくれている運営チームには感謝しかありません。
ちょっとしたユーザーどうしの交流に癒やされて
さて、このような時期に『ドラゴンクエストウォーク』を遊んでいてうれしいのは、これはオンラインゲームに共通なことだとは思うが、ほかのプレイヤーとの交流。まあ、“交流”といってもそこまで濃密なものではなくて、メガモンスターとの戦いでのレイドバトルだったりするのだが、“いっしょに強い敵に立ち向かっているんだなあ“という感慨は、こんな時期もあるのかもしれないが、やはりほっこりとする。
ことに、いまのメガモンスターのひとりであるゾーマは激強で、正直記者単独だと勝つのは至難の業(参加人数が少ないと、NPCが”スラミチおたすけ団“として入ってくれはするのだが……)。勢い共闘が必須になるのだが、記者が住んでいるのは微妙に駅から離れているので、ぼんやりしていると単独での戦いがどうしても多くなってしまう。近辺のプレイヤーにとってもそのへんの事情は同じようで、参加プレイヤーは、人が多数参加することを見込んで、メガモンスターの出現直後に集中するのだが、ゾーマの出現時間ぴったりに参加すると、けっこうおなじみさんがいたりして、「ああ、◯◯さん、今回も参加しているんだ!」と、妙にうれしくなってしまう。そしてその方が強かったりすると、心強くなったり……。
ちなみに、いま進行中の『ドラゴンクエストIII』のイベントでは、ルイーダの酒場の“冒険者紹介所”で、ほかのプレイヤーを“助っ人”としてバトルに連れていくことができる。助けてくれたプレイヤーには、“いいね!”みたいな感覚で、“ありがとう!”を送ることができるのだが、人に“ありがとう!”を送るのはうれしいし、自分に“ありがとう!”が増えていくのを見るのは、なおのことうれしい。
こんな時期だからこそ、楽しみを同じくする人どうしのちょっとした関わりがうれしいものです。実際のところ記者は、『ドラゴンクエストウォーク』や『ハリー・ポッター 魔法同盟』をルーティンとしてプレイすることで、緊急事態宣言以降の、日々の生活を整えていた傾向はあるかもしれない。
というわけで、『ドラゴンクエストウォーク』は、いま経験値ががっぽりと稼げる“メタルキャンペーン”が復刻されていることもあり、ゴールデンウィークにプレイするのにおすすめです(“メタルキャンペーン”は5月11日までですが……)。
いま“夜の騎士バス”がアツい
『ハリー・ポッター 魔法同盟』も、新型コロナウイルスの影響を鑑みて適宜ゲームシステムを変更している。その最たるものが“夜の騎士バス”であろうか。これはどういうことかというと、『ハリー・ポッター 魔法同盟』にもいわゆるレイドバトルにあたる“魔法使いチャレンジ”というものがあり、参加するためには決められた場所にある“砦”の近くまで行く必要があった。当然、 “砦”がある場所はけっこう限られていて、参加するのはなかなかにきびしい……という状況だった。
ちなみに、『ハリー・ポッター 魔法同盟』には “デイリー任務”というものがあって、毎日7つの決められた任務をこなすとご褒美(ゴールド)をもらうことができる。このミッションが地道かつ堅実に生きる記者のような人間には合っているようで、適度にルーティンワークのようでいて、そこそこやりがいもあり……ということで、ついつい毎日こなしてしまうのだが、この“デイリー任務”のミッションのひとつが、“魔法使いチャレンジを1個完了する”というものだった。
新型コロナウイルスの拡大を受けて、“魔法使いチャレンジ”は“デイリー任務”から外されてしまったのだが、「“魔法使いチャレンジ”はしばらく開店休業状態かねえ……」などと、思っていたところに登場したのが “夜の騎士バス”。これを利用することで、“ホグワーツ城の砦まで直接ご案内”ということで、 “魔法使いチャレンジ”が楽しめるようになったのだ。
“夜の騎士バス”で行くことができる“ホグワーツ城の砦”は、おそらくある程度の地域で共通のもののようで、けっこうな盛況ぶり。“砦”で誰かといっしょに戦えるということで、テンションは大いに上がってしまった(ちなみに、記者がこの原稿を書いている5月7日の時点で“デイリー任務”に“魔法使いチャレンジ”は復活した)。
なお、“デイリー任務”のミッションのひとつとして、いま記者が大いに難儀しているのが“0.25KM歩く”というもの。テレワークをしていると、当然ながらほとんど動くことはなく、いまこれがひとつのネックになっている。まあ、散歩くらいすればいいのだろうが……。
ともあれ、『ドラゴンクエストウォーク』にせよ『ハリー・ポッター 魔法同盟』にしても、とにかくユーザーに楽しく遊んでもらうべく、新型コロナウイルスに負けじと、臨機応変に対応しているところを見ると、「こっちも毎日の生活をがんばらなくっちゃ!」と思わせられる。位置情報ゲームでありながら、外出自粛中でもきっちり楽しめます!
ちなみに、位置情報ゲームというと外せないタイトルに『ポケモンGO』がある。じつは記者は『ポケモンGO』は未プレイなのですが(ちょうど日本のサービス開始時に海外出張だったため、波に乗りそこなってしまったのです)、ナイアンティックから発信されたブログには心を打たれてしまった。外で『ドラゴンクエストウォーク』や『ハリー・ポッター 魔法同盟』を遊べる日が還ってくるといいなあと念じています。
そのほかのおすすめソフト
- 『Ori And The Will Of The Wisps』(Xbox One、PC)
- 『ヘッドライナー:ノヴィニュース』(Nintendo Switch、PS4、Xbox One)
『Ori And The Will Of The Wisps』は、2015年に配信された『オリとくらやみの森』の続編。前作で美麗なグラフィックや快適な操作性が高い評価を得た2Dアクションだが、続編にあたる本作では、そんな魅力はさらに深められているとの印象。美しいアニメーションをなめらかに操作できるだけでとにかく気持ちいい(記者にとっては相当歯応えがありますが……)。
ご時勢がらもあり、記者がことさら興味深く思うのが、本シリーズが世界中の優秀な人材を集めてリモートワークで開発していること。リモートワークに関しては、これまであまり深く考えてみたことはなかったが、いざ実際に自分がその立場になってみると、「どうやってこれだけのものを作り上げたんだろう……」ということで、とても気になるところ。
『ヘッドライナー:ノヴィニュース』は、架空の国であるノヴィスタンで発行されているノヴィニュースの編集長として、あまたある記事からどれを採用していくかを選んでいくというアドベンチャーゲーム。ときに主張が相反する記事もあり、プレイヤーは自分の信念(あるいは仲間などへのしがらみ)から、適宜掲載する記事を決めていくことになる。当然、人間には利害関係があり、10人が10人とも満足できる選択はないわけで……記事の選定にはジレンマがともなう。「現実はここまで単純じゃないよね……」とは思うものの、この業界の端くれに身を置くものとして、とても身につまされるゲームである。
『ヘッドライナー:ノヴィニュース』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ヘッドライナー:ノヴィニュース』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp)