1991年(平成3年)7月1日は、ネオジオの一般販売が開始された日。1990年のアーケード版の稼動から数えれば、今年は誕生30周年となる。
ネオジオは、SNK(当時)から発売された家庭用ゲーム機。もともとはアーケード用ゲームとレンタル用ゲーム(レンタルビデオ店やゲームセンターでレンタルできた)として1990年から展開されていたプラットフォームだったが、多くのゲームファンの声に応える形で1991年7月1日より一般販売を開始した。
ネオジオの凄いところは、ゲームセンターとまったく同じゲームが自宅で遊べてしまう点。当時はアーケード版からの移植作と言いつつも、家庭用ゲーム機のハード性能の限界もあってかなりの別モノが多数発売されていた。もちろん、移植版ならではの創意工夫が加えられていて楽しくはあったが、アーケード版の圧倒的なクオリティーの高さにはつねに羨望の眼差しを向けていたものだった。
そんな時代に、ゲームセンターと自宅で遜色ないゲームが楽しめるハードが登場したのだから、ゲームファンからの注目を一身に集めるのも当然と言えよう。ちなみに、レンタル版ハードのキャッチコピーは“凄いゲームを、連れて帰ろう。”で、一般販売開始後はCMで流れた“100メガショック”のフレーズがあまりにも有名だ。なお、実際に100メガを超えたタイトルは1992年に発売された『龍虎の拳』あたりからだった模様。
ネオジオがブレイクしたのは対戦格闘ゲームが大流行していた時代。SNKの『餓狼伝説』は、カプコンの『ストリートファイターII』と並ぶ格闘ゲームブームの中心的タイトルで、ゲームセンター界隈を大いに盛り上げ、賑わわせた。1993年には『餓狼伝説2 ~新たなる闘い~』、『サムライスピリッツ』、『餓狼伝説スペシャル』、1994年には『龍虎の拳2』、『真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変』、『ザ・キング・オブ・ファイターズ'94』と、立て続けに格闘ゲームを発売。いずれもネオジオを代表するシリーズとなっている。『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の追加DLCで、『餓狼伝説』シリーズの主人公テリー・ボガードが登場して話題になったのも記憶に新しいところだ。
ネオジオと言えば、ハード及びソフトの高額っぷりもゲームファンにはおなじみ。本体価格58000円、ソフト30000円前後(容量に応じて高くなる)と、とくにソフトの値段が超高額だった。ソフト1本だけでほかの家庭用ゲーム機の本体価格より高いという状況なので、欲しくても買えないゲームファンも多かったのではないだろうか。しかし、1994年9月9日にはネオジオCDが登場し、ソフトの価格は7000円前後に抑えられた。もっともこちらは低価格化の代償に長いローディングがあったわけだが……。
現在、ネオジオはすでに生産終了となっているが、2018年7月24日にネオジオ miniが発売されている。厳選された40タイトルものゲームを収録しているので、いま遊ぶならこちらがおすすめ。筐体をかたどった本体デザインとなっており、当時の気分も何となく味わえるのではないだろうか。手に入るうちにゲットしておきたい。