いまから23年前の1997年(平成9年)7月24日は、プレイステーション用ソフト『モンスターファーム』が発売された日。
『モンスターファーム』は、テクモ(当時)から発売された育成シミュレーションゲームのシリーズ第1作。プレイヤーはブリーダーとなってモンスターを育成し、四大大会での優勝を果たして名人位の獲得を目指していく。同名タイトルのソフトがプレイステーション2でも発売されているが、そちらはシリーズ3作目で内容も別モノとなっている。
本作最大のポイントは、CDからモンスターを生み出せる“円盤石再生”。『モンスターファーム』のゲームソフトを本体から取り出し、ほかのCDをセットして読み込ませることで対応するモンスターを入手できた。CDごとに出現するモンスターが決まっており、当然レアなモンスターも隠されているからアツイのなんの。多くのユーザーたちが家中のあらゆるCDを持ち寄って、円盤石再生を試してみたんじゃないかな。音楽CDはもとより、プレイステーションやセガサターンなどのゲームソフトからも読み込み可能だったので、ひと通りチェックするだけもたいへんだった記憶がある。
たとえば、Mr.Childrenの『深海』からはアンコウ、DREAMS COME TRUEの『7月7日、晴れ』(映画のサントラ)からはアマノガワ。ゲームなら『バイオハザード』からはゾンビ、『ときめきメモリアル』からはセイラーなど、CDと関連深いモンスターが誕生する場合もあって、探す行為自体が宝探し気分で非常に楽しいものだった。インターネットの普及率がかなり低い時代だったこともあり、ネットを使える友だちから聞いた情報が口コミで広まるみたいなケースも多々あったのではないだろうか。
登場モンスターは全215種類。円盤石再生を使わずにもらえるモンスターはディノ、ライガー、スエゾーのたった3体だったこともあり、筆者もとにかくモンスター探しに夢中になった。編集部では確かモンスターのためにわざわざCDを買っていた人もいたし、筆者はそれを借りたりしたような覚えもある。ゲーム内容自体はバトルがメインのため、けっこうシンプル。しかしそれゆえに対戦プレイが盛り上がり、“モンスター甲子園”という全国大会も開催された。
以降はシリーズ化し、人気もさらに上昇。非常にたくさんのシリーズ作品が生み出され、テレビアニメにもなっている。2010年以降しばらく音沙汰がなかったが、2019年にNintendo Switch、スマートフォン向けの移植版が登場。CDをあまり買わなくなってしまった現代に合わせて円盤石再生の仕様が変更され、『モンスターファーム』のために用意された独自のデータベースからCDを選択してモンスターを再生できるようになっている。昔とは違う感覚で宝探し気分を味わえるので、これはこれでアリなのかもしれない。
※画面は移植版『モンスターファーム』のものです。