『ポケモンスマイル』でポケモンとともに、楽しく歯磨きを
iOS/Android向けゲームアプリ『ポケモンスマイル』。本作はポケモンと歯磨きを楽しく習慣化するのを手伝うアプリだ。スマートフォンのカメラを使い、歯磨きをする様子を読み取り、正しく歯磨きができているかを検知。歯磨きができていれば、ポケモンを捕まえることができるという仕組みとなっている。
2020年6月17日に発表され、同日に完全無料で配信された本サービス。アプリに課金要素はなく、“歯磨きの習慣化”を目指して取り組める本アプリは、なぜ生まれたのか、本作の企画や開発を務めるポケモンの押野洋介氏、プログラムの開発を担当したLITALICOの比護賢之氏、横山賢吾氏に話を伺う。さらに、本作に関わったクリエイター陣からのメッセージも掲載。
「ポケモンといっしょに、歯磨きの習慣化の手助けをしたい。生活において少しでも歯磨きへの悩みを楽しく解消したい。」そんな開発陣の本作に懸ける想いやこだわりが伝われば幸いだ。
※本アプリはむし歯を予防したり治療するものではありません。また、子どもが歯みがきが好きになることや習慣化することを確約するものではありません。
※子どもが遊ぶときは必ず保護者が付き添い、事故のないように歯みがきをサポートしてください。
『ポケモンスマイル』とは?
子どもの歯磨きについて悩む保護者の方をメインターゲットとした、“歯磨きの習慣化”を手助けするアプリが『ポケモンスマイル』だ。スマートフォンのカメラを使い、人が歯磨きする様子を読み取って、ゲーム内の“むしばきん”を倒すのが目的となっている。ガイドに沿って磨くとひと通り歯磨きができており、きちんとした動きで歯磨きをすると、“むしばきん”を倒してポケモンを捕まえられるのだ。
毎日継続する要素として、100匹以上のポケモンを集めて“ポケモンずかん”を完成させたり、“ポケモンキャップ”を集めて自分の姿に被せたりという楽しみがあり、毎日少しずつ遊ぶことで、次第に歯磨きを習慣づけることをサポートする。
データ
タイトル:ポケモンスマイル
メーカー:ポケモン
配信日:配信中
販売価格:プレイ無料(ゲーム内課金なし)
対応機種:iOS/Android
ポケモンとともに歯磨きを楽しく 開発者インタビュー
――ポケモンとして、『ポケモンGO』で“歩く”、『Pokemon Sleep』で“眠る”など、日常生活を豊かにする取り組みがあると思います。今回“歯磨き”に焦点を当てた理由や、開発することとなった経緯をお教えください。
押野 ポケモンのコンテンツで遊んでいるうちに、生活の質(QOL)が上がる、というのが、現在弊社で取り組んでいることのひとつです。その中でも、お子様が歯磨きに苦手意識を持ち、虫歯になってしまうのではないかと悩んでいる保護者も多いというのは一つの課題として認識しておりました。同じタイミングで、LITALICOさんから本企画のお声掛けをいただいたのが開発のキッカケです。
比護 弊社では『はみがき勇者』という、歯磨きの動きをカメラで検知し、歯磨きを支援するアプリをリリースしており、ユーザーの方からもうれしいお言葉などを頂戴しておりました。ただ、やはり無名のIPですので、より多くの方や海外の方にもぜひ使っていただきたく、知名度がありターゲットとの親和性も高いポケモンさんにお声がけさせていただきました。
――発表された際にも、ポケモンで歯磨き支援をするアプリケーションが出ることは、親和性があり納得ができるものだと感じました。
押野 そうですね、早い段階から、お子様ならびに保護者の方をメインターゲットとしていましたので、ダウンロード無料はもちろん、ゲーム内課金や広告はいっさい入れない方向で開発を進行しました。
――収益はまったくなく、世界中の方に歯磨きの大切さを広めたい、というサービスですよね。すばらしい取り組みだと思います。
押野 はい、歯磨きの大切さはもちろん、本作をきっかけにポケモンを知らないお子様が、ポケモンに初めて触れる機会にもなると考えました。多くの方に遊んでいただけるとうれしいです。
――ー世界中の保護者の皆様はよろこんでいることだと思います! そんな本作の企画の立ち上げ時期や、開発はいつごろから行っていたのでしょうか?
押野 2019年7月に企画が立ち上がり、本格的な開発としては9月からですね。
――もともとLITALICOさんがエンジンを開発されていたこともあって、スピード感がある開発だったのですね。そんな本作のエンジンについて、カメラで歯磨きの動きを認識するという仕組みだと思うのですが、きちんと磨けているかどうかの認識などは、どのようにされているのでしょうか?
横山 主に、歯を磨く動作のパターンを見ています。手の動かしかたはもちろんなのですが、適切な速さで磨けているかどうかなども判断基準のひとつですね。早く磨きすぎてもきちんと磨けないことがありますので。
――なるほど、本作は歯磨きがうまくできれば、ポケモンが捕まえられるという仕組みになっていますが、うまく捕まえるコツとしては、適切なスピードで丁寧に磨くというところですかね。
横山 カメラを明るくすることもひとつの手だと思います。カメラが暗いときちんと認識してくれない場合も……。
押野 歯ブラシは色のついたものを使う、なども試してみていただければと。また、歯を磨く強さは関係ないので、力んで強く磨きすぎないようにしてくださいね(笑)。
――これでポケモンゲットに1歩近づいた気がします! 本作の開発チームとしては、さまざまな会社に所属する方やクリエイターが集まっているとのことですが、どのような方々が関わっているのかを改めてお教えください。
押野 まずは、本作の趣旨である歯磨きを習慣化することに共感してくれたメンバーというのが、前提としてあります。
プログラムはLITALICOさん、ポケモンのデザインや背景はイラストレーターのカナヘイさん、UIデザインはNASUという元任天堂にいらっしゃった方が立ち上げた会社にお願いしました。サウンドは元カプコンの裏谷玲央さんです。ポケモンはポケモンのプロデュース業務がメインで、開発部隊を持っていない会社なのですが、今回はプランニングとして携わり、皆様と一つのものを創りあげるという新たな試みとなりました。
比護 皆さん意見を出し合いながら、協力して作り上げられたと思います。仕事のクオリティ―が高いのはもちろん存じ上げていたのですが、ビックリするぐらい作業スピードが早く、人柄も素敵な方々で仕事がしやすかったです。
また、押野さんは以前『スーパーマリオメーカー』のディレクターを務められており、それを知らず、ちょうど『スーパーマリオメーカー2』をクリアーした際に、スタッフクレジットに押野さんの名前があるのを見てとてもテンションがあがったのを覚えています(笑)。いろいろと勉強させていただきました。
横山 裏谷さんにはサウンド担当にも関わらず、デバッグのご協力をいただいたり、皆さんがこのアプリ全体に対して真摯に取り組まれていたので、自分もとても勉強になりましたね。いままでの弊社のアプリ開発のレベル感を反省し、今回の経験を今後にも活かしていければと感じました。
――確かに、ポケモンでの開発というのはあまり聞かない気がしますね。プロの皆様の力が集まり、素敵なサービスになったのだと改めて感じました。ちなみに、カナヘイさんのイラストがとても印象的でユーザーの皆さんにも好評ですが、カナヘイさんに依頼した経緯などをお教えいただけますでしょうか。
押野 お子様でも親しめる絵柄という点、20代~30代の方に認知されているという点など、両方の魅力があり、本作に親和性があると思い、お願いしました。カナヘイさんご自身もお子様がいらっしゃることもあり、本作の取り組みに共感して快く引き受けてくださりました。
横山 カナヘイさんのイラストで、100匹以上のポケモンがどのように描かれているかというのも注目いただきたい点ですね。
――SNSなどでもお子様が熱心にかわいいポケモンを捕まえようとしているのをたびたび見かけます! 本作は歯を磨くことでポケモンを捕まえるのが楽しく、くり返しやりたくなる、というきっかけをもたらすサービスですが、ポケモンをすべて捕まえた後のプレイなどについては、なにか工夫はされているのでしょうか
押野 すべてのポケモンを捕まえようと思うと、大体早くても2~3ヵ月ほどかかる見込みとなっています。この期間続けていただければ、歯磨きの習慣化ができてきて、そのあとも継続してくれるのではないかと考えています。
また、すべてのポケモンを捕まえた後も、デコレーション機能やポケモンキャップの機能などで楽しんでいただくこともできます。基本的に機能追加のアップデートの予定はありませんが、もしたくさんのご要望などをいただけた場合は、検討することも考えています。
――2~3ヵ月後のユーザーの方の反応が楽しみですね。先ほどお話に出たポケモンキャップやデコレーション機能も魅力的ですが、こちらの導入をした経緯をお教えください。
押野 ポケモンキャップが映っているということで、お子様が喜んでモチベーションがあがることが主目的ですが、ポケモンキャップがちゃんと画面に映っていることで、顔が検知されているということが視覚的にわかるという意図もあります。また、歯磨きをするとポケモンキャップのポケモンの表情が変化するのですが、それでちゃんと歯磨きができているか、ということも確認できます。
――視覚的な楽しみだけでなく、実用性もあるのですね。
押野 そうですね、逆にデコレーション機能に関しましては、お子様に喜んでいただきたいというための機能です。本作を使って歯磨きをすると、歯磨き中に自動的に写真が撮られ、プレイ後に撮られた写真の中から1枚選んで、獲得したシールで写真をデコレーションできるのです。
お子様の中にはシール遊びが好きな子も多いので、これもひとつのモチベーションになるかなと。じつはこの機能はカナヘイさんからご提案を頂戴しました。
――カナヘイさんからのご提案だったのですね。このようなかわいいポケモンたちを堪能できる機能も本作の魅力のひとつだと思うのですが、実装でたいへんだった点などはありますか?
横山 本作のもととして『はみがき勇者』のエンジンはあったものの、裏側としては変更している部分も多々あり、そのあたりは苦労した点のひとつですね。『はみがき勇者』でも被り物は表示されるのですが、その実現方法や見せかたなどはガラっと変わっています。
――なるほど。ちなみに、本作はお子様ならびに保護者の方がメインターゲット層だと思うのですが、それ以外の方にもおすすめできるポイントなどがあれば、お教えください。
押野 UIや操作はできるだけシンプルにして、お子様はもちろんなのですが、ふだんゲームになじみのない方でも難しく感じないようにしています。歯磨きはお子様だけでなく大人もするものです。
ただただ2〜3分間歯磨きをする、というのは実は長く感じるもので、大人の方でも毎日きちんと時間をかけてできていない方も多いかと思います。そんなときに本作を使っていただけるとうれしいですね。また、ポケモンを捕まえて集めるというポケモンの遊びをメインの要素として入れているので、ゲームとしても楽しめるものになっていると思います。
――実際、本作を使いながらする2分間の歯磨きと、2分間ただ歯磨きをするのでは全然違うように感じましたね。ほかにも本作には歯磨きのやりすぎ防止のため、1度プレイすると、4時間の間隔をあけないと遊べない、などと細かな設定がありますが、ほかにこだわりやオススメのシステムなどがあればお教えください。
押野 1日3回、歯磨きのお知らせをしてくれる通知機能や、お子様の発達に合わせて歯磨き時間を調整できる点、兄弟姉妹で別々にデータを作りたい人のために、複数のセーブデータを作れるように用意もしています。
また、歯磨きをした後にアドバイスが表示されるのですが、そちらは日本歯科医師会協力のもとに作成していますので、こちらも参考にしていただければと思います。さらに、歯磨きをしてポケモンを捕まえ、“ハミガキメダル”を集めていくと少しずつメインメニューや“ポケモンずかん”のBGMなどが豪華になっていったり……と、ゲーム内のあちこちに小ネタを仕込んでいます。
比護 入力した生年月日に合わせて、歯磨きの難度を自動的に調整する仕様もありますね。
――最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。
押野 歯磨きが苦手なお子様、苦労されている保護者の方を始め、すべての方の歯磨きの習慣化に役に立てるよう開発を進めてきました。ゲームとしても楽しめるものになっていると思いますので一度遊んでみていただけるとうれしいです。
比護 本作を楽しんでプレイしていただき、それで歯磨きが習慣化できればなによりです。また、本作にはいくつか隠し要素がありまして、それで開放できる“ポケモンキャップ”をコンプリートするのはけっこう難しかったりします。ちょっと変なところに隠れていたりするので、探してみてください。
横山 歯磨きが終わった後に、上手に磨けていた瞬間の画像をデコレーションするという遊びもあります。お子様はもちろん大人の方も本作で歯磨きが楽しい時間になればうれしいです。
クリエイターメールインタビュー
本作の開発に携わった、裏谷玲央氏、カナヘイ氏、NASU代表取締役の前田高志氏へ、本作の開発に対する想いやこだわりをメールインタビューで伺った。開発陣それぞれが持つ『ポケモンスマイル』へのアツい気持ちをお届けする。
サウンド担当:裏谷玲央氏
――『ポケモンスマイル』開発への想いと、本作をプレイしている方、気になっている方にメッセージをお願いします。
はじめてポケモンを知ったのは僕が小学5年生のころ。手にしたのは『ポケットモンスター 緑』。夢中でゲームボーイを握りしめ、ポケモンをゲットして、友だちとバトルしたり交換したりして遊んでいました。あれから長い月日が経ちましたが、いまでもそのころのことは鮮明に覚えています。
小さいころに遊んだこと、経験したことは大人になっても記憶に残っているもので、いまでもポケモン151匹すべて覚えています。『ポケモンスマイル』のサウンド制作に参加することになり当時のことを思い出して、とても懐かしい気持ちになりました。きっとこのゲームアプリをダウンロードしてくれるのは自分と同じ世代の“お父さん、お母さん”だと思いました。
「ポケモンが大好きで、自分と同じように夢中で『ポケモン』をプレイしたことがある人に違いない。そんなお父さん、お母さんに”懐かしい”と思ってもらえるようなゲームサウンドを目指そう!」
そんな構想が浮かびました。なぜなら子どもに最初のきっかけを与えるのは親だからです。そこから、子どもたちが楽しみながら歯みがきをしてくれるにはどんなサウンドにしたらいいのか、というサウンドコンセプトを考えました。
――本作のサウンド制作で、いままで作ってきた作品と違う点は御座いますか? とくに工夫した点をお教えください。子どもが歯磨きを継続するために、工夫した音作りについいてもお聞かせいただければと思います。
プレイしてくれる子どもたちに、楽しくゲームを続けてもらうため、サウンド面からアプローチできないかを考えた結果、効果音ではボタンの押し込みなど、本当に押したかのような臨場感のある手触りを、音楽では、ポケモンのゲット数に応じて“音楽”が豪華になる演出を考え、LITALICOさんに実装していただきました。
たくさんポケモンをゲットする(毎日歯磨きを継続する)ことでアレンジがどんどん豪華になっていき「つぎはどうなるんだろう?」と思ってもらえるような仕掛けになっています。わかりやすいシーンで言うと、メダルゲット後にメインメニュー画面を開くとパーカッションが追加されたりします。
また、ゲーム中の音楽では必ず幼稚園や小学校でなじみのある楽器を取り入れることにしました。楽器は自身のスタジオで録音しました。
歯みがきは毎日するものですが、習慣化したとしても大人でも面倒です(笑)。このゲームアプリを通じて、お子様の歯みがき習慣の一助となればうれしいです。最後に、このような素敵なプロジェクトに参加できる機会をいただけて本当にうれしく思っています。無料でダウンロードできますので、ぜひ遊んでみてほしいです。
イラスト担当:カナヘイ氏
――『ポケモンスマイル』開発への想いと、本作をプレイしている方、気になっている方にメッセージをお願いします。
すごくいいゲームです……! ポケモンスマイルのターゲットである小さなお子さんとその保護者、というのがど真ん中の当事者だったので、格別に意欲的に取り組んだように思います。ビジュアルの制作においては、ひと目で楽しそう! と感じられるような雰囲気を心がけました。
登場するポケモンたちは、ちびっこが見ても怖くない、なんだか楽しそうに見えるように、コマ数は少ないながらもウキウキしている動きを描きました。目つきのキツめなポケモンも(ビリリダマとか)すごく和らげたので、ポケモンさん的にOKなのかどうかと思いつつ描いていましたが、結果的にかなり大胆にやらせていただけたと思います。いつものポケモンたちとは違うビジュアルも含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。
現在遊んでくださっている方へ
ポケモンキャップというかぶりものをいろいろ用意しています!プレイすればするほど種類が増えるので、ぜひポケモンゲットと一緒にキャップのコンプリートも目指してみてください。
本作が気になっている方へ
子どもさんのいる方はとにかくオススメですのでやってみてください! 子どもはいないよという方も、じつは歯磨きめんどくさいという大人も楽しめると思いますので、まずはやってみてください!
――今回の企画の話を聞いて、率直に感じたことをお教えください。ゲーム開発というものに参加してみていかがでしたでしょうか?
12才、10才、3才の三人の子供がいるのですが、子どもの歯磨きは面倒……!というのは身に染みて感じていました。もちろん『はみがき勇者』の最高さも知っていたので、お話を聞いた瞬間に、「こんなに助かるアプリはない!」と。あの過酷な時間が楽しいものになるなんてすばらしい……。
これまでもゲーム制作に関わることはありましたが、デモから絵が組み込まれて、音がつき、UIがつき、という出来上がっていく流れのほとんどに携わることができたのはとても楽しかったですし、NASUさんのUIデザインの過程なども非常に勉強になりました。
――カナヘイさんにはお子さんがいらっしゃるかと思いますが、実際にお子さんとプレイはされましたか? 反応などをお教えください。
もちろんテストプレイのときからやっています! 子どもがみずから「歯磨きしたい」と言ってくれるという神ゲームで本当に助かっています。ふだんはスマホNGなんですが、歯磨き終了後にシールを貼る機能(デコレーション機能)のところで、シールの間だけはいいよ、その代わり仕上げ磨きタイムね、と話して上手いこと使わせていただいてます。
開発者の一員ではありますが、それを抜きにして、子どもがいるポケモン好きのいちユーザーとして、本当に最高のゲームだなと思います。
UI担当:株式会社NASU 代表取締役 前田高志氏
――『ポケモンスマイル』開発への想いと、本作をプレイしている方、気になっている方にメッセージをお願いします。
弊社での『ポケモンスマイル』の開発は、任天堂時代に同僚だった、ポケモンの押野さんから「前田さんと一度がっつり仕事したい」とお声がけいただいたことが始まりです。それがうれしくて「今年これをやった!」と胸を張れるくらいやりきると決心しました。詳しく聞いてみたところ「ポケモンといっしょに歯磨きをすることで歯磨きが楽しくなるアプリ」とのこと。
僕にも子どもがいて、歯磨きすることを子どもに嫌がられた経験があったので、「このアプリは世界中の人たちが笑顔になる」と、すぐに理解しました。ご家庭に小さな子どもがいるお父さんお母さんへ。一度騙されたと思って、このアプリを試してみてください。きっとお子さんが喜んで歯磨きしてくれます。また、このアプリをお子さんとプレイすること自体が、子どもだけでなくお父さん、お母さん、みんなが笑顔になるはずですよ。
――お子さんや保護者の方など、ゲームを知らない人に遊んでもらうに当たり、どのようにUIを工夫したのかをお教えください。また、初めてゲーム開発に参加していかがでしたか?
僕はデザインのクオリティチェックするときに、ふだんゲームに触れない人をイメージします。たとえば、自分の母親や妻など、自分の身近にいる、ゲームを触ったことがない人をリアルに想像しながら「使いやすい」、「使いにくい」の判断をすることを心がけています。それから、カナヘイさんが描いたポケモンのイラストが魅力的なのでジャマしないデザイン、よりイラストが魅力的に感じるデザインにすること。
毎日遊ぶアプリですし、なおさらその魅力が最大化するデザインを心がけていました。 僕は任天堂で約15年間勤めていましたが、ずっと宣伝広告を作る部署にいたので、ゲーム開発への参加は、じつは初めての経験でした。このアプリは多くの国で配信されると聞いていたので、プレッシャーもありましたが、それ以上に大きな喜びとやりがいを感じていました。