ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、のんびりスローライフゲーム『あつまれ どうぶつの森』です。
【こういう人におすすめ】
- ちょっとのんびりしたい
- でも忙しいのも苦にならない
- クリエイトが好き&興味がある
※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整したものです。
林克彦のおすすめゲーム
『あつまれ どうぶつの森』
- プラットフォーム:Switch
- 発売日:2020年3月20日
- 発売元:任天堂
- 価格:6578円[税込]
- パッケージ版:あり
- ダウンロード版:あり
- 『あつまれ どうぶつの森』公式サイト
あつまれ どうぶつの森 夏CM2
あくまで個人の感想ではあるが、同意してくれる方も多いのではないだろうか。これまでのシリーズと比べて、『あつまれ どうぶつの森』(以下、『あつ森』)は飽きにくい。自分でも驚いているけど、4月上旬から遊び始めて2ヵ月弱。プレイ時間は250時間ほどになる(2020年6月上旬現在)が、いまだモチベーションは衰えず、島の評判が“五つ星”になったあともチクチクと島をいじり続けている。どのように遊んでいるのか、ちょっと紹介したい。
プレイは昼夜問わずだが、仕事を始める前に『あつ森』を起動。郵便物を受け取ったらタヌキ商店に向かい、品揃えとカブ価をチェック。エイブルシスターズにも顔を出したのち島をぐるりと散歩。化石を掘り、花の交配具合を確認して、海岸沿いではメッセージボトルを拾う。途中で住民と会ったら朝の挨拶。気が向いたら虫捕りと魚釣りをして、風船を見かけたらすかさずパチンコ。
そういった一連の行動の過程で気になるアイテム……たとえばこの前クライミングウォールを入手しときには、「高台を作って置いてみよう。待てよ、それなら広いスペースを確保して、フィットネスジムっぽくしてみるか」と思い立ち、いくつかのお目当てのアイテムを調達しながら整地にいそしみ、微妙にレイアウトをいじっては調整していじっては調整して……をくり返しているうちに仕事の時間に食い込んでいて、「あ、やべ」と思いつつも、そのまましばらく続けてしまっていた(たまにですよ、たまに)。
このときに限らず、思い描いていたエリアなり部屋なりがひととおり完成したときの満足感にはたまらないものがあり、ひとり顔を緩ませながらゲーム内で走り回ったり、フレンドを島に招いて臆面もなくドヤ顔してしまったりしている。
ポイントはこのあたりで、『あつ森』には、日々のルーティンと言える一連の行動の中に、プレイヤーが新たに「ああしたい、こうしたい」とポジティブに思える“ちょっとしたきっかけ”が多岐にわたって仕込まれている。そして、その楽しさを継続的に実感することにより、プレイヤーは“あつ森の沼”へとハマっていく。
ハマるきっかけはこれだけではない。個人的に取っ掛かりとして大きかったのは、いっしょに遊んでくれるフレンドの存在だった。マルチプレイだけではなく、「これってなんだろう?」、「どうすればいいんだろう?」といったたくさんの疑問について話したり、試したり、解決したりといった時間を共有することがとても楽しかった。いまやいっぱしの上級プレイヤーっぽくなってしまったけれど、あのときのワクワク感、手探り感は格別だった。
マルチプレイで訪れたほかの人の島に刺激を受けて、そのあと改修工事に時間を費やしたことも何度もあるし、Twitterのタイムラインで目にする『あつ森』情報にもかなり助けられた。情報のインプットの間口が広く、加えて、ゲーム内の要素も多岐にわたるため、ハマりどころの間口も広い。キャラクター人気にも火がついていて、のんびり気軽にスローライフを楽しめるゲームであると同時に、老若男女を深い沼に引きずり込む可能性を多分にはらむ、おそろしくやり込めるゲーム、とも言えるのが『あつ森』の怖いところだ。
シリーズ作と同様、向き不向き、続く続かないの差が出やすいのは本作でも変わらないが、それでもここまで述べてきたとおり、プレイヤーが自然にハマってしまうような仕掛けはふんだんに盛り込まれている(もっと映える写真が撮りたいとか、マルチプレイ時の各種ストレス軽減とか、いくつか不満はあるけれど)。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がシリーズ最高傑作とうたわれるように、『あつまれ どうぶつの森』も過去最高に楽しく、完成度が高い『どうぶつの森』だと感じている。任天堂、恐るべし。もちろん興味がないゲームファンも一定層いるだろうが、それでも本作は体験する価値がある。老若男女を問わず、世界中で一大ムーブメントになっているその理由を肌で感じるためにも、ぜひ無人島に移住してみてほしい。個人的にも、このあと自分がどのように『あつ森』と付き合っていくのかがとても興味深い。さて、ちょっと起動してみようかな。
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