「4次職が入ります」
「成人式やりたいですね」
2020年12月、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが運営するPC用オンラインRPG『ラグナロクオンライン』(以下、RO)のインタビューを実施した。その中で出てきたのが4次職、そして成人式の話題だ。
この2点はまったくの無関係のようでいて、じつは少しだけ接点がある。共通点は、どちらも『RO』の未来に関係しているということ。2021年の『RO』は何を目指すのか。どうぞ、お読みください。
中村聡伸(なかむらあきのぶ)
『ラグナロクオンライン』運営チーム。文中では中村。
山本兼寛(やまもとかねひろ)
『ラグナロクオンライン』運営チーム。文中では山本。
“蜃気楼の塔YE”に必要なのは冷静な判断
コロナ禍の中においても、粛々とサービスを続けてきた『RO』。ゲームのほうは堅調でも、公認ネットカフェには影響が出たそうだ。都市圏を中心に外出自粛が呼びかけられているものの、個室タイプであれば密になりにくい。公認ネットカフェでプレイすると経験値やアイテムドロップ率がアップする“まる得ボーナスウィーク”等の施策で、少しでも助けになりたいという。
さて。2020年の大きな動きというと、BaseLv185までのレベルキャップ開放が挙げられる。ストーリーに関わる部分としては“EPISODE:EDDA グラストヘイム”や“EPISODE:ILUSION~賢者の遺産~”などのアップデートが実施された。
そして、忘れてはいけないのが2020年9月に実装された“星帝”と“ソウルリーパー”。14年ほど前に登場した“拳聖”と“ソウルリンカー”の上位職だ。これにより、全職業横並びでBaseLv185まで育てられるようになった。
山本レベルキャップ開放をしたときは、いつ最高レベルに到達するか予想するんですけど、たいてい外れるんですよ。今回も想定よりだいぶ早かったですね。
――どれくらいの差があったんですか?
山本1~2ヵ月と予想していたら、早い人は3週間くらいでした。その方はGvG(対人戦)ユーザー。レベルを上げて有利に戦いたかったんでしょうね。ネットカフェとかを使って一気に上げたんだと思います。
中村2020年はそんな感じでやってきました。(2020年)12月1日でサービス19年目に突入して、2021年は20周年につながる大事な年だと思っています。アップデートも充実させていきたい。具体的には、Yggdrasillワールド(※)と通常ワールド、2本柱を確立させます。
※Yggdrasillワールド:全ワールド(サーバー)のプレイヤーが集まって遊べるワールドのこと。
中村Yggdrasillワールドでは、新コンテンツとして“蜃気楼の塔YE”の実装と拡張を行っていく予定です。通常ワールドでは新しいアップデートを実装しつつ、欠かせない話題として用意しているのが4次職です。
――ついに4次職ですか。
中村順番に説明していきますね。まずは蜃気楼の塔YE。「みんなで集まって遊ぶ」というコンセプトにぴったりなコンテンツとして、Yggdrasillバージョンの蜃気楼の塔を登場させました。プレオープンは(2020年)12月15日。1月末に本実装して、2021年は順次アップデート予定です。
山本100人で挑戦して、途中で戦闘不能になると脱落して、どんどん人が減っていく中で頂上を目指すのが従来の蜃気楼の塔。Yggdrasillバージョンは12×8つの部屋でスタートするんです。少しずつ合流していって、最終的には全員が力を合わせる、と。
――少年マンガの王道展開みたい。
中村一発退場ではなくなるのも大きなポイントですね。アクションとかシューティングの残機があるみたいなイメージ。アップデートのたびに合流地点を増やしていくんですけど、プレオープン時点でも全部で10階層あるので、かなりボリュームのある内容になっています。
山本HPとSPを全回復して復活も可能なアイテムを3つくらい配布する予定です。回復剤として使うのか、仲間を起こすために使うのか。
――持っているだけでは意味がないわけですね。自分がピンチのときに回復アイテムとして使ってもいいし、自信がある人はほかの人に使えばいい。
山本友だちといっしょにフロアを進めていく人は多いと思います。12人の枠が空いているのであれば、ほかの人をいれて復活係をしてもらうのもいいですね。
中村そのアイテムを使い切るとそこから復活できないので、うまい人に手伝ってもらえれば。
山本復活できないのもそうですし、戦闘不能になれる回数も限られているので、あまりやられすぎると退場となります。アイテムの使いかたが攻略のキーになるというのは『RO』では新しいと思います。
――戦闘不能の回数制限は何回なんですか?
山本階層を上っていくごとに変わります。最初の12人のときは3回までで、96人集まったときには一発退場に。どんどん厳しくなっていきます。
山本先ほど、途中で合流すると説明しましたけど、どのフロアと合流するかはランダムなんですよ。これがもうひとつの特徴です。フロアによって出現する敵は違うので、毎回、組む相手も上った先も違う。その場その場の状況判断が迫られます。
中村これまではテンプレ通りというか、「つぎはあれが来るからこう対処しよう」みたいな定石があったんですけど、蜃気楼の塔YEは予想しにくい作りになっています。
山本で、3つめ。これがいちばん大きな要素だと思ってます。タイム制限があるんですよ。時間内につぎのフロアに到達しないと入れなくなるんです。
――そうなると、たとえば24人を前提に作られているフロアを、12人で進めなければいけないんですね。
山本そうなりますね。どんどん先行もできるんですけど、追いつく側もそれなりに早くないといけないですし、急ぎすぎると戦闘不能になって余計に時間がかかったりとか。それと、後から来るパーティーがちゃんと追いついてくれないと、進んでいる側も難度が上がる仕組みが入ってるんですよ。
中村極端な話、12人が24人になったとき、人数的な有利に加えて難度自体も緩和されます。だけど、置いて行くと、12人で攻略しなければいけないうえに難しくなります。敵の数が爆発的に増えたりですとか。
――人数が多いから楽に進めるとか、それだけじゃないんだ。
山本休憩所まで行くと進行度がわかります。進行度を確認して、来るまで待つのか、待つ時間がもったいないから先を急ぐのか。この判断は迫られるでしょうね。いままで足切りをする仕組みはありませんでした。タイムが早ければ報酬がおいしいというのはありましたけど。
――ほかのゲームでもあまり聞かない話です。
山本みんなで遊ぼうと言っているのに、どこかのタイミングで「ほかのパーティーを待っていられないから切り捨てよう」と判断をしないといけない。
――マンガだと冷静な参謀タイプと熱血漢の主人公がもめるやつだ。
山本難易度として、Normal(ノーマル)とHard(ハード)を最初に実装しようと考えています。1次アップデート、2次アップデートとフロアを増やしていって、ひとつの塔として完成した後に、Inferno(インフェルノ)とExtra(エクストラ)を作る予定です。
――InfernoとExtraはどういう難易度なんですか?
山本Infernoは“ティアマト攻城戦YE”のインフェルノと近しい形で高難度。とにかく高レベルと装備が必要です。Extraは職業制限です。おもに転生2次職、BaseLV99以下のキャラで上っていく。制限の中で使える装備を用意して、プレイヤースキルで乗り越えていくイメージです。実装順は様子を見つつ決めます。同時かもしれませんね。
中村ユーザーさんの中には、こだわって上位2次職のキャラまでしか使わない人もいらっしゃいますので。
――それが『RO』の特徴ですよね。強いキャラに乗り換えず、好きだからという理由で弱いキャラを使い続ける人がいる。そこに向けてコンテンツを作れるほど人数がいるのがまたすごい。
山本ありがたい限りです。ほんとに。蜃気楼の塔YEはいわゆるPvE。攻城戦(GvG)も引き続きマッチング戦を開催してきます。2020年に正式実装して、大会形式で3回開催したんですけど、2021年も3~4回開く予定で進行しています。
中村大会名は“RJS(RagnarokOnline Japan Siege wars)”。ウェブマネーさんやビットキャッシュさんにスポンサーについていただいて、賞金も出せました。2021年もスポンサーがつくときは賞金付きにしたいですね。
じっくり育成してもらうためのスケジュール感
中村通常ワールドは、基本的にはアップデートを楽しんでいただきつつ、合間に季節イベントを開催する流れです。2021年は3週開催を徹底していこうかな、と。長くて4週やるときもあると思うんですけど、その後はインターバルを設ける流れに。
――スパンが長いですね。どういう意図が?
中村イベントごとにテーマを立てて、じっくり遊んでほしいんですよ。たとえば、キャラクター育成。2020年には7年ぶりにマラソンと釣りを含めたブートキャンプを復活させました。
山本“サマスペ(ラグナロクオンライン サマースペシャル)”というイベントですね。
中村マップ内のひまわりにタッチすると経験値がもらえるんです。それをマラソンと称して。久しぶりに遊んだユーザーさんからの反響もよかったので、2021年もやろうと考えています。そのほかには、春頃にはいつも装備エンチャント関連のイベントもやってますね。腕試し系としては“深淵の回廊”。こういったものを開催して、イベントを巡回していくと。半年とか1年くらいの周期で、お米を育てるような感覚でキャラ育成を楽しんでいただればという感じです。
――なるほど。
中村スマホゲームでは1週ごとにイベントが切り替わったりしますよね。『RO』はもうちょっと気長に遊んでほしいんです。イベントの合間にはプチイベントを実施します。これはいままで実装してきたアップデートを楽しんでいただくためのイベントという位置付け。
――短期間でイベントがどんどん開催されると焦ってしまう人もいるでしょうからね。
中村デイリー・ウイークリークエストの報酬がその期間だけアップしたり、メモリアルダンジョンのクールタイムを減らしたり。アップデートを集中的に遊ぶためのフォローをしていきます。イリュージョンダンジョンみたいな高レベル向けのコンテンツでは、プチイベントで1週間だけ報酬20倍とか。
ついに“4次職”が見えてきた
中村2021年に最初にアップデートできそうなのが、“グラストヘイムメモリアルチャレンジ”。グラストヘイムはこれまでもいろいろなアップデートがあって、2020年には“EPISODE:EDDA グラストヘイム”が入りました。過去を見るオスカー君というキャラが出てきましてて、彼が別の時間軸を見に行くというストーリーになっております。
中村イラストの後ろにいる骸骨がボスモンスター。ヒメルメズ=右のお姉さんが操っているみたいなんですけど、どういう形で登場するか、ぜひストーリーをお読みいただいて。
中村イリュージョンダンジョンのアップデートも予定しています。それが“イリュージョンオブアンダーウォーター”で、イズルードの海底神殿が舞台です。イズルード自体はβテスト時代からあるダンジョンなので、かなり馴染みが深い場所ですね。敵は海産物かな。
山本水棲生物ですね。
中村おいしそうになっちゃった。水棲生物が多く出現します。あとはメモリアルダンジョンの“タナトスの記憶”。こちらはタナトスタワーが舞台。タナトスタワーで過去に起きた事件を見るような、ストーリー性のあるダンジョンです。
――実装時期はいつ頃になりそうですか?
山本グラストヘイムメモリアルチャレンジはけっこう早いと思います。春を目指したい。ほかは状況を見つつ決めることになると思います。
中村韓国ではこの先のアップデートも入っているんですけど、ひとつ引っかかりポイントがありまして。その先のコンテンツはBaseLv200対応なんですよ。
――日本のレベルキャップは185ですよね。
中村そうなんです。185から200への拡張が待っている。となると、その先に控えているのはあれです。4次職。
――レベルキャップが200まで引き上げられて、4次職の話まで。ここにきて急展開。
中村そうなんです。さっき説明した要素を実装しつつ、我々としては4次職の準備に取り掛からないといけないという。
――韓国では4次職は実装されてるんですか?
中村(2020年)9月に実装されました。まだ間もないんですけど、さっそく資料を請求してですね、翻訳とスキルの挙動チェックを始めているという状態です。
中村初報で出すイラストはこの4点。日本語の職業名もだいたい決まっていて、あとは法的な問題とかをチェックして、問題なければこのまま行こうかなという感じです。
【4次職の仮名称】
- ルーンナイト→ドラゴンナイト
- レンジャー→ウインドホーク
- ウォーロック→アークメイジ
- アークビショップ→カーディナル
- ギロチンクロス→シャドウクロス
- メカニック→マイスター
- ロイヤルガード→インペリアルガード
- シャドウチェイサー→アビスチェイスサー
- 修羅→インクイジター
- ミンストレル→トルバドゥール
- ワンダラー→トルヴェール
- ジェネティック→バイオロ
- ソーサラー→エレメンタルマスター
中村このドット絵を見ると、マイスターは右側にロボットがいますよね。乗ってた魔導ギアはキャラの右側にあるパワードスーツ状のものに変わります。右の3体が召喚して戦う“ABR”です。Autmatic Battle Robot。メカニックの頃はFAWというシリーズがいっしょに攻撃してくれました。マジックデコイとシルバースナイパー。それのマイスターバージョンです。最初は合体ロボかと思ったんですけどね。違いました。
――合体しないのかー。ちょっと残念。
中村雰囲気がガラッと変わったのは修羅からインクイジターですかね。インクイジターは日本語で審問官。むきむきな格闘職から転身しました。バイオロとエレメンタルマスターの隣りにいるのは召喚するモンスターです。バイオロは植物型。エレメンタルマスターはもともと召喚できた4大精霊にひとつ加えて、5種類の精霊を使役できるようになります。
――何の精霊なんですか?
山本いちばん左が新精霊。毒です。それ以外はいままでの精霊が強化されたイメージですね。
中村4次職も見た目だけじゃなくて、システム的な変更点も多いんですよ。そのうちいくつかご紹介します。ひとつが特性ステータス(Advenced Status)です。
中村BaseLV200以降はレベルアップでステータスポイントが得られなくなります。その後のレベルアップで得られるのが、特性ステータス用のポイント。6種類の項目に自由に割り振れます。
【特性ステータス】
- Pow(パワー):P.Atk、Atkが増加
- Sta(スタミナ):Resが増加
- Wis(ウィズダム):Mresが増加
- Spl(スペル):S.Matk、Matkが増加
- Con(コンセントレーション):P.Atk、S.Matkが微増。Hit、Fleeが増加
- Crt(クリエイティブ):H.PlusやC.Rateなどが増加
中村これを上げていくと、それぞれの最終的な数値にボーナスが加算されます。
【加算されるボーナス】
- P.Atk(Power Atk):物理攻撃力を割合で増加させる
- S.Matk(Spell Matk):魔法攻撃力を割合で増加させる
- Res(Resist):物理攻撃力を割合で軽減する
- Mres(Magic Resist):魔法攻撃力を割合で軽減する
- H.Plus(Heal Plus):ヒールの回復量を割合で増加させる
- C.Rate(Critical Rate):クリティカルダメージの係数を増加させる(※)
※アイテム等であるクリティカルで与えるダメージの増加ではなく、クリティカルダメージの基本倍率140%に加算させる効果
中村ステータスで基本的なキャラクターの骨組みを作って、特性ステータスでさらに伸ばしていくという考えかたになると思います。さらなるカスタマイズができる要素と認識していただければ。BaseLvに依存して攻撃力が上がるスキル等もあるので、レベルが上がれば純粋に強くなっていきますけど、特性ステータスによって強さの方向性をさらにいじれるわけですね。
山本通常のBaseLVが200までしか上げられなくなるので、ステータス依存の装備はいったん頭打ちになります。
――装備の需要と供給に変化が起こりそう。
山本4次職と特性ステータスは合わせて楽しんでほしいので、BaseLVは200まで開放したほうがいいのかなーと悩み中です。200まで上げなくても4次職を入れられないか、(開発元に)交渉はしているんですけど。
中村3次職を実装したとき、本来であればBaseLV99じゃないと転職できないところを、BaseLV90から転職可能に修正した経緯もありました。そういう点も含めて、4次職はどうするか検討しています。
山本ちなみにですね、4次職を入れたときに、韓国側ではBaseLv250まで拡張しているんですよ。
――250? 一気にバランスが変わりそうですね。
山本(韓国側での流れの通りに)そのまま入れてしまうと、185から250になっちゃうんですね。急すぎると混乱を招くので、さすがにちょっとないなと思ってます。もう少し刻みたい。
――プレイヤー側も、どれをどう伸ばしたらどうなるのか、少しずつ試すことになるだろうし。
中村そうそう。となると、特性ステータスのリセットできるようにしないとなとか。リセットするアイテムを配布するなら何個が妥当かとか。検討したい要素はいろいろあるんですよ。
――ふだんから極振りしてる人は悩まないかもしれないけど、自分でバランスを考えて育成できるのが『RO』のいいところですからねえ。
戦闘を変える可能性を秘めた新要素“AP”
中村もうひとつ紹介したい4次職関連お新要素が“AP”です。いままではHPとSPでキャラクターの行動を管理していました。そこにさらにAPバーが追加されます。一部のスキルを使うとAPが溜まって、溜めたAPを消費して強力なスキルを使う感じです。
山本細かいスキルで溜めたゲージを一気に開放する必殺技みたいなものと考えると想像しやすいかと。いままでのスキルはクールタイムがあって一定間隔でしか使えませんでしたけど、任意でリソースを溜めて使うシステムは初ですね。
――管理の仕組みが根本的に違うわけですか。
山本いままでは強いスキルを連打すればある程度戦えましたけど、それだけじゃ済まないシステムが入ることで遊びかたが変わると思いますね。
中村いまは全職業でテスト中。スキルによってAPの蓄積量と消費量は違って、自然の増減が一切ない仕様になっているところまでは確認済みです。
――感覚的に、どれくらいのスパンでAPを消費する強力なスキルが使えるものですか?
中村うーん、そうですね。だいたい1分くらいの周期?
山本日本で実装するときは仕様を調整すると思うので何とも言えないんですけど、韓国の仕様上ではそれくらいに設定されているように感じました。
――ちゃんとスキル回しをしっかり考えたいですね。
中村とくに対人戦とかで重要になってくると思っています。見た目では相手がAPを溜めているかどうかわからないんですよ。
――となると、読み合いが発生しそうですね。相手がどんなスキルを何回使ったか確認し続けないといけない。
山本そうなんです。いままでは強力なスキルを使ったら5分間使われないとか時間管理だけだったので難しくはなかったですけど、そこに回数が加わりますからね。
中村APが溜まってないのにブラフで「撃つぞ撃つぞ」みたいな駆け引きも。
――頭を使うのはたいへんだけど、好きな人はめちゃくちゃのめり込みそう。
中村それに、新しい状態異常が入ったりもあるみたいで。詳細は調査中なんですけど、不死属性で魔法攻撃できるスキルなんかも。
――新属性が入るということは、それの対策も必要だから、プレイ感が変わるだろうなあ。
中村4次職ならではの新スキルもかなり実装されます。大がかりなアップデートになるので、時期としては2021年の年末から2022年の第1クォーター(1~3月)くらいを想定しています。いまからだいたい1年くらい。1職業に1ヵ月かかるとして、だいたいそれくらいだろうなと。途中で情報を公開できる機会があれば先にお知らせしたいとは思っています。
山本もともと韓国側からはBaseLVは200が上限と言われてたんですよ。それが数年前の話。それをベースに調整していたら、上限が250になって新しいステータスも入ると急に言われて、けっこう困惑しましたね。
――誤差として納得できる範囲じゃない。
山本200までというのも根拠はあるんです。いまのステータス値の上限を開放していくと、システム的なラインに届くんですよ。開放できないのを、新しい計算式を乗っけるとは思いませんでした。
――そんな力業の解決法、ある?
山本いろいろできるようになるので、うれしい誤算ではあるんですけどね。
中村ほんとにそう。じっくり時間をかけて実装作業をしていきたいな、と。
――ついに4次職まできてしまいましたね。
中村エイプリルフールに4次職ネタをやったりもしてたんですけど。
――現実が追いついてしまった。
中村虚構新聞さんばりにお詫びをしないといけないかも。
――みんなの受け取りかたはどうでしょうね。やっぱり「待望の!」という感じなのでしょうか。
中村韓国で4次職が入ったこと自体はある程度知られていて、何となくこういう職業なんだーと仲間内で世間話をするようなユーザーさんもいらっしゃるみたいですね。特性ステータス周りの詳細は日本からの情報としては初めてなので、「こんなに変わるの?」という反応はあるかもです。
山本スキル周りは情報を仕入れていても、システムで驚かれるかもしれないですね。いままでの延長線上で4次職スキルが使えるわけではないので。
20周年の節目に成人式はどうか
――いまは正式サービス開始から19年目ですよね。4次職が入った頃は20年目というわけですか。
中村20年目は4次職イヤーになりそうです。
――メモリアルと大型アップデートがリンクするのはいい流れですね。
中村全力で準備を進めています。調べて翻訳して検証して。4次職というでっかい作業はありますけど、通常ワールドもYggdrasillワールドもがんがんアップデートしていきます。そちらを楽しんでいるうちに4次職の情報が出て、期待しながらキャラクター育てていただきたい。
――いまから特性ステータスをどう伸ばすか漠然と考えておくとよさそうですね。
中村『RO』は大人もじっくり遊べるゲームですから。キャラ育成に1年以上かけてもらって。
――大人も遊べると言えば、大友美有さんという女子高生の『リーグ・オブ・レジェンド』プレイヤーがいて、モデル兼プロゲーマーの卵なんですよ。両親が『RO』プレイヤーらしくて。
中村おお。すごい。長く運営してると、いろいろなところで『RO』の名前を聞くんですよね。ほんとにありがたい限りで。
――ご両親は昔ながらのMMORPGプレイヤーだからネットの怖さをよく知っていて、それが彼女のプロとしての考えかたにも影響を及ぼしているらしいです。
中村役に立っているのだとしたらうれしいですね。もうすぐ20年。もちろん20周年をむかえて終わりというわけではありません。そのためにも4次職を柱に20年を越えていきたい。これが決意表明ですかね。
――20周年のタイミングで成人式やりましょう。
中村なるほど。ふつうに「祝20周年!」じゃなくて成人式ですか。おもしろいかも。
――参加者には振袖や紋付き袴を着てもらったり。
山本そういうのもいいですね。情勢が落ち着いていることを願いつつ準備を進めたりして。
中村成人式を取りやめる市町村もある中で、「『RO』でやります!」って言えたらおもしろいなあ。よし、やりましょう! あ、断言したらまずいか。
――そこは「いろいろ企画を練っていきたいですね」で締めましょうよ。何で僕が気を使ってるんだ。
中村そんな感じでお願いします!