現在アマゾンプライムで全12話が配信中のアニメ『がっこうぐらし!』。
2015年にテレビ放送された作品で、『まんがタイムきららフォワード』に連載されていた千葉サドル先生と海法紀光先生による同名マンガが原作です。かわいらしい少女たちのビジュアルからは想像もできないストーリーで大反響を巻き起こしました。その魅力とはいったい……?
『がっこうぐらし!』(アマゾンプライムビデオ)『がっこうぐらし!』の萌えキャラ系ビジュアルを目にすると、ほのぼのとした雰囲気からつい“学校生活を描く日常もの”をイメージしてしまいがち。しかし騙されてはいけません。なんと本作は、身も凍るような“ゾンビパニックもの”なのです。
たしかにポップなOP曲からはそんなイメージを感じず、第1話も序盤は丈槍由紀を筆頭にした“学園生活部”のゆったりした日常風景が描かれます。ところが、終盤に差しかかると一転して荒れ果てた教室が映し出され、ようやく視聴者に“ゾンビ・パンデミック”が起きていた事実が明かされます。
ゾンビ作品といえばグロテスクな描写が目立ち、ホラーに耐性のない方は敬遠してしまうもの。本作でもゾンビ化した生徒たちの姿がなんとも痛々しくもありますが、一方では、視聴者から「泣ける」という感想があがっています。
中でも“めぐねえ”こと教師・佐倉慈のエピソードは人気が高く、由紀との切ない別れを描いた第11話『きずあと』で涙を流した人も多いとか……。その内容をすこしご紹介しましょう(以下、ネタバレになるので未見の方はご注意!)。
学園生活部の顧問でもあるめぐねえはおっとりしたキャラクターで、生徒たちから慕われている存在。第1話でも由紀から「めぐねえ」と愛称で呼ばれ、「めぐねえじゃなくて、佐倉先生でしょ」とやさしくたしなめる場面が描かれています。
しかし、エピソードが進むごとに、めぐねえが他の学園生活部メンバーに認識されていないような描写も。残念なことにめぐねえはすでにゾンビ化し、事実を受け入れられない由紀は自ら作り上げた妄想のめぐねえと会話していたのでした。
そんな由紀も第11話でゾンビが迫る学園生活部メンバーを救うため、現実と向き合うことを決心。「ずっと怖いことから目を逸らし続けてきて、大変なことをみんなに任せてきちゃったから。このままじゃいけないと思うんだ」、「バイバイ……めぐねえ」と別れを告げるシーンは、切なくも美しい本作屈指の名場面と呼べるのではないでしょうか。
ゾンビパニックものには辛い別れがつきもの。だからこそ描くことができる人間ドラマに、ぜひ注目してみてくださいね!
※Amazon Prime Videoの配信情報は記事制作時のものです。