チームの経営や所属選手の育成、試合のプランニングなど、サッカークラブにまつわる各種イベントを体験できるシミュレーションゲームとして人気を博し、1996年に初代作が発売され、『サカつく』の愛称で親しまれてきた『プロサッカークラブをつくろう!』。そんな『サカつく』シリーズが2021年2月23日、25周年に突入した。
この記念すべきタイミングを祝うため、シリーズ最新作であるiOS / Androidアプリ、『プロサッカークラブをつくろう! ROAD TO WORLD』(以下、『サカつくRTW』)では、さまざまなキャンペーンが実施されている。
そこで本記事では歴代シリーズを振り返りつつ、25周年記念&カウントダウンキャンペーンでの”大盤振る舞い”で遊びやすくなった、『サカつくRTW』の現状をお伝えしたい
『プロサッカークラブをつくろう!』シリーズ25周年記念プロモーションムービー
日本のサッカーシーンとともに育ってきた『サカつく』シリーズ
『サカつく』シリーズがスタートしたのは、セガサターンから。1996年に発売されたシリーズ1作目『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!』されると、Jリーグの創設によってサッカーという競技への注目度が高まっていたこと、当時の家庭用ゲームとしては目新しいスポーツを題材にした育成、経営シミュレーションゲームだったこともあってか、多くのゲーマーの目に留まってスマッシュヒットを記録した。
そして好評だった1作目を受けて翌年に発売された『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!2』は、50万本以上のセールスを挙げるというさらなるヒットを達成。ゲームの内容的にもリアリティを増しつつ、シリーズ名物となる演出、“光プレイ”が導入された試合パート、ホームタウンの選択やエディット選手の作成&育成、その他さまざまなイベントが充実。クラブ経営や選手育成を筆頭にゲームとしての厚みが増し、のちの『サカつく』にも受け継かれていく土台が作り上げられた。
初期2作で高評価&好セールスを記録した『サカつく』は、家庭用ハードのスペックアップ、そして日本のサッカー人気の高まりによる変化を取り入れ、進化を続けていく。ドリームキャスト版の『サカつく』からはJ2クラブが参戦し、続く『サカつく特大号 J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!』では自チームにサテライト(下部組織)が追加。また、ハードの特性を活かしたネットワークを介した選手交換を行なえる機能も導入され、選手の育成、獲得の自由度が広がった。
PS2、PSPといったハードが主戦場になってからは、小野伸二選手や三浦知良選手がパッケージを飾ったり、実在のサッカー選手、監督、マスコミ関係者がゲーム内に登場するなど、現実のサッカー界とのリンクが深まっていく。
個人的な話になってしまうが、この進化の過程がサッカーゲームから現実のサッカーに興味を持った自分のような人間には非常に刺さった部分。とくに元日本代表監督のイビチャ・オシム氏がイメージキャラクター&ゲーム内にも出演を果たした『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J』は(オシム語録で興味を持って)ジェフ千葉を応援するようになった身としては愛着のあるタイトル。
前年のJ1で奇跡の残留を果たしたジェフ千葉をマイチームに選び、J1優勝や世界の強豪クラブと戦うワールドプレミアシップの制覇、クラブハウス&スタジアム拡張によるホームタウンの蘇我の発展(街が大きくなるような描写はないためこの辺は筆者の妄想も含む)などを、マイチームのアドバイザーに就任したオシムとともに達成。その後も長期間に渡ってプレイし、ゲームを楽しませてもらった。
歴代『サカつく』のいいとこどり!? 『サカつくRTW』
複数のゲームハードはもちろん、PCやモバイルでも存在感を発揮してきた『サカつく』シリーズだが、現在はスマートフォンアプリ、『プロサッカークラブをつくろう! ROAD TO WORLD』(『サカつくRTW』)が最新作として配信されている。
この『サカつくRTW』は、選手獲得がスカウト(ガチャ)になった関係で経営パートの人事面が簡略化されているものの(選手が契約更改の失敗で退団したり、引退することがない。ある意味メリットともいえる)、その他の要素は歴代『サカつく』シリーズの印象的な部分をミックスしたような作品になっているのが特徴的なタイトルとなっている。
まず試合パートだが、選手の見た目はニンテンドー3DSで発売された『サカつくDS タッチandダイレクト』、『サカつくDS ワールドチャレンジ2010』で採用された『サカつく』独自ともいえるSDキャラだが(体はデフォルメされているが、選手の顔はリアルで元ネタになっている選手がわかりやすい)、試合中に発動する光プレイの演出、選手のスタイルや選手間の連携がピッチ上のパフォーマンスに大きく影響する点、試合前に設定できるゲームプランやフォーメーション設定などは初期作から続いている、『サカつく』の王道路線が継承されている。
一方でプレイヤーがオリジナルクラブを率いて戦う舞台は架空のリーグなため、獲得した選手の国籍を気にせず何人でもスター選手を起用でき、世界各国のクラブと戦えるようになっている。
この辺りは選べるホームタウンが海外だった『プロサッカークラブをつくろう!ヨーロッパチャンピオンシップ』(PS2)や、クラブ選択のバリエーションが増えた後期の『サカつく』に近い。スカウト(ガチャ)運に左右される部分はあるが、最初からビッククラブのような陣容でゲームをスタートさせられるのも魅力といえるだろう。
25周年記念キャンペーンで『サカつくRTW』より遊びやすく!
最後に『サカつくRTW』で行なわれている、『サカつく』シリーズ25周年記念キャンペーンについても触れておきたい。
現在『サカつくRTW』では、最高レアの☆5選手が手に入るパネルミッションやレジェンドマッチ、毎日1回10連スカウトが無料で引けるフリースカウトを実施中。そのため先ほど書いたこととは少し矛盾するが、とにかくガチャを回せる&パネルミッション&レジェンドマッチをこなすことで☆5選手を入手できるため、ほぼ確実にワールドクラスの選手で構成されたチームを作ることが可能になっている。
さすがに「特定のスキル、プレイスタイルを持った☆5選手が絶対に欲しい!」という1本釣り的なスカウトには運が必要にはなるだろうが、『サカつくRTW』では☆3にイングランド、スペイン、イタリアなどのヨーロッパ主要リーグのクラブでスタメンを張る選手(現在イタリアで活躍している富安選手は☆3扱い)、☆4にはビッククラブの主力がカテゴライズされており、海外サッカーを少しでも知っている人であれば、ガチャで出てくる選手の名前でかなりの満足感を得られるはずだ。
元々そこまでガチャに一喜一憂しなくてもプレイを続けていけばいい選手がそろううえに(☆3、☆4選手もスター選手だらけ)、25周年キャンペーンのおかげで☆5選手、育成や経営に役立つアイテムが大量に手に入る現在の『サカつくRTW』。
『サカつく』らしい試合やイベントを体験しつつ、選手の引退を気にせずのんびり育成できるゲームになっているので、過去に『サカつく』シリーズをプレイしていた人、気軽に楽しめるサッカーゲームを探している人は、ぜひこのシリーズ25周年というタイミングで『サカつくRTW』をプレイしてみてはいかがだろうか?
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