いまから31年前の1990年(平成2年)4月20日は、ファミリーコンピュータ用ソフト『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』が発売された日。
『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』は、任天堂から発売されたシミュレーションRPG。ゲームファンなら誰もが知るほどの人気シリーズで、本作はその初代作品となる。“シミュレーションRPG”という新しいジャンルをゲームファンのあいだで浸透させるキッカケを作ったタイトルと言っても過言ではないだろう。いまとなってはネタなのかも判然としないが、珍しいタイトル表記ゆえにひと昔前まで「ファイ“ヤー”エ“ン”ブレム」と言ってしまう人もいたらしい。
シミュレーションRPGでは当時『マスターオブモンスターズ』といったタイトルが人気を博していたが、パソコン版が主流だったためファミコンで遊ぶようなゲームファンにはジャンルとしての認知度は非常に低いものだった。しかし、本作の人気が口コミなどで徐々に上がっていくのとともにゲームファンのあいだでも新しいジャンルとして浸透、確立されていった。いまではシミュレーションRPGということを誰かに伝える際、「『ファイアーエムブレム』みたいな感じ」などと言ったりはしないだろうか。もはやシミュレーションRPGと『ファイアーエムブレム』は切っても切れない関係となっている。
同ジャンルの魅力は、やはり成長していく個性的なキャラクターたちの存在。戦略シミュレーションでは単なる使い捨ての消耗品であったユニットが、尊い仲間のひとりにまで成り上がったのだから驚きだ。物語の重要なキャラクターとして登場することもあり、プレイヤーは自然と感情移入して愛着を持ってしまうため、戦死させてしまったときの喪失感は半端ではなかった。
しかも初代『ファイアーエムブレム』はけっこうな高難度で知られている作品。それでなおかつキャラクターが死亡すると復活できないシビアさを併せ持っているのだから、相当にきびしい。うっかりのワンミスで大切な仲間が死んでしまい思わず絶叫なんてことは、何度もあったはず。その都度、リセットをくり返してなかなか話が進まないというループに陥った人も多かったのではないかな。
また、途中で登場するキャラクターが仲間になるとはつゆ知らず、スルーしてしまうなんていうのも日常茶飯事。筆者はナバールを仲間にするために、けっこう進んでからやり直した記憶がある。いまでも記憶に残っているのだから、当時は相当悔しい思いをしたのだろう(笑)。
本作のリファイン版と続編がセットになったスーパーファミコン用ソフト『ファイアーエムブレム 紋章の謎』が有名で、この作品からシリーズファンになったというファンも多いんじゃなかろうか。筆者もじつはその口で、遡ってファミコン版で遊んだ経緯がある。
現在、『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』および『ファイアーエムブレム 紋章の謎』の2作品は、Nintendo Switch Onlineの会員特典で遊ぶことができるので、昔懐かしく思ったらこちらを利用すると手っ取り早くプレイできておすすめだ。
※『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』の画像は“ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online”のものです。