ゲーミングPCやグラフィックボードで有名なMSIから、フルHD15.6インチ液晶パネルを搭載したゲーミングノートパソコン“GP66 Leopard 11U(型番名 GP66-11UH-821JP)”が発売された。
本稿では、編集部にて実機を用いて独自に計測したベンチマークテスト結果のほか、ゲームをプレイし確かめたその詳細やフィーリングをお伝えしよう。
最強性能のゲーミングノート
この製品の最大の特徴は、なんと言ってもそのスペック。
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最新の第11世代インテルCPU
インテル Core i7-11800H(2.3GHz/Turbo 4.6GHz) -
ノート用GPU最高性能を誇る
NVIDIA RTX 3080 Laptop(8GB GDDR6) - 144Hzの高リフレッシュレート液晶
を搭載。
これだけ豪華なスペックを詰め込んでおきながら、お値段なんと24万9800円[税込](※2021年9月時点)。一般的なノートパソコンと比較するともちろん高価な設定となるが、このパーツ群を備えた製品としてはお買い得だ。
ゲーマーにとって何よりもうれしいのは、どんなゲームでも問題なくプレイできる環境。2021年現在最高クラスのパーツ構成で作られたゲーミングノートPCなので、スペック面では本機で遊べないゲームは存在しないと言ってしまっていいだろう。遊びたいゲームの動作環境をチェックせずとも即インストール、即プレイできるのは、PCゲームファンにとってはひとつのあこがれではないだろうか。
シンプルな見た目と剛性の高いボディー、必要最小限のインターフェースで構成
まずは“GP66 Leopard 11U”の本体をチェックしてみよう。
つや消しブラック一色のボディーがシンプルで美しい。ヒンジ部分はエッジの立ったデザインで、ステルス戦闘機を想像させる。天板とパームレストはアルミ合金で作られており、天板中央部にはMSIのエンブレムが装飾されている。なお、このエンブレムは光らない、バッジ仕様だ。
本体のサイズは横358ミリ、奥行き267ミリ、高さ23.4ミリと標準的な15インチノートPCサイズ。最高性能のGPU“RTX 3080 Laptop”を搭載していると考えたら、とても薄く感じる。そして、重量は2.38キロに収まっておりスペックを考えるとなかなか軽い。片手でも余裕で持てる重さだった。
ただし、付属する専用ACアダプターは少々大きく、重量約1キロとズッシリ。本体といっしょに屋外に持ち出す時は、しっかりしたバッグが必要になりそうだ。
インターフェースはシンプルな構成だ。側面にはUSB 3.2 Gen1 Type-Aが3つと、Hi-Res対応のヘッドフォン出力/マイク入力コンボジャックがついている。背面にはMini DisplayPort(1.4)とHDMI(2.1)があり、最大3画面のマルチモニター環境を構築可能。有線LANポートは10/100/1000Mbps/2.5Gbpsの高速対応で抜かりない。
そして左右側面と背面に巨大な排気口があり、底面後方に給気口がある。CPUやGPUに負荷をかけるとファンが急激に回り始め、本体内にこもった熱を勢いよく排出してくれる。ゲームやベンチマークテストで負荷をかけてみたら、ぺらっと1枚置いたティッシュペーパーが簡単に吹き飛ぶくらいの風量だった。薄型ファン2基とヒートパイプ6本で構成された冷却システム“Cooler Boost 5”が、いかに強力かがわかる。
以上が“GP66 Leopard 11U”の構成だ。「USB Type-Cが欲しい!」とか「SDカードスロットが欲しい!」とか要望が多々あるかもしれないが、本製品は誰もが必要な最低限の構成で作られたゲーミングノートPC。各々が必要なモノは別途用意してもらうとして、少しでも価格を抑える努力をしたMSIを褒めるべきだと感じた。
15.6インチの144Hz駆動フルHD液晶パネルとSteelSeriesゲーミングキーボードを搭載
搭載されている液晶パネルはフルHD(1920×1080)で、リフレッシュレート144Hzのゲーミングモニター。ノングレアなので映り込みの心配はない。ベゼルの幅は左右が約5ミリと狭く、上は約14ミリ、下は約23ミリだった。画面を左右いっぱいに映してくれるため、かなり迫力がある印象だ。
ゲーマーのみならずうれしいのがキーボード。“GP66 Leopard 11U”のキーボードは有名なゲーミングデバイスメーカー“SteelSeries”とのコラボから開発されたテンキーレスゲーミングキーボード。主要なキーのキーピッチは約19ミリと押しやすく、矢印キーもしっかり用意されている。
また、それぞれのキーはRGBバックライトが内蔵されており、設定ツール“SteelSeries GG”ですべてのキーの色を任意に変更したり、時間経過と共に変色するイルミネーションの設定も行える。
また、このツールではキーごとにマクロを組むことが可能。特定の操作を行う機会が多い人はこだわりのセッティングを設定できるのだ。
本機の実力をベンチマークと実機プレイでチェック。ハイスコア連発!
“GP66 Leopard 11U”の実力を各種ベンチマークで測ってみた。結論から言ってしまうと、すべてにおいてハイスコアだった。さすが第11世代インテル i7とNVIDIA RTX 3080を搭載したアルティメットノートPCだ。たいていのデスクトップパソコンよりも高性能なマシンであることはスペック表からも見て取れるが、改めて実感する結果となった。
なお“GP66 Leopard 11U”のハードウェア性能の制御は、付属のツール“MSI Center”で一元管理できる。
このツールは現在のCPU、GPUの使用率やファンの回転数などをリアルタイムにチェックでき、さらにマシン性能を状況に合わせてかんたんに選択可能。ゲームやベンチマークを測るときは、最高レベルの“究極のパフォーマンス”を選択し、バッテリーで駆動させるときは“サイレント”や“Super Battery”を選択するとバッテリー使用時間を伸ばすことができるので、場面に応じて使いわけるといいだろう。
以下のベンチマークはすべて“究極のパフォーマンス”で行った。
『ファイナルファンタジーXV ベンチマーク』
驚くほどなめらかでどのシーンでも快適。グラフィックの設定は何も気にせず最高画質でプレイできそうだった。
- 標準品質、1920×1080、フルスクリーン
- スコア:15055
- 評価:非常に快適
- 高品質、1920×1080、フルスクリーン
- スコア:11460
- 評価:とても快適
『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク』
ノートPC用“高品質”の設定でも、デスクトップ向けの“最高品質”でもぬるぬる描画される。さすがアルティメットゲーミングノートといった感じ。
- 高品質(ノートPC)、1920×1080
- スコア:24618
- 評価:非常に快適
- 最高品質、1920×1080
- スコア:21362
- 評価:非常に快適
『3DMARK』
ゲーム用ベンチマークソフトで有名な“3DMARK”。Time Spyスコアを計測した。
- Time Spyスコア:11253
- グラフィックスコア:11599
- CPUスコア:9627
『CrystalDiskMark』
搭載されているストレージは、M.2 SSD(PCIe Gen3)512GBだ。ストレージのリード・ライト速度を“CrystalDiskMark”で計測した。
『フォートナイト』
『フォートナイト』を実際にプレイしてみた。
品質の自動設定を行うと、すべてが“最高”にセットされてじつに気持ちがいい。“高度な設定”の項目で“DLSS”の設定を変更すると、ゲーム中のFPSが変化した。DLSSの設定を“品質”と“パフォーマンス”に変更し、それぞれ5試合行った平均FPSは以下のとおり。
試合状況によって数値はバラつきがあるため正確ではないが、よりFPSの高い状態で遊びたい場合は、DLSSをパフォーマンスに設定したほうがよさそう。
- DLSS:品質
- 平均FPS:168
- DLSS:パフォーマンス
- 平均FPS:216
『サイバーパンク2077』
動作環境がヘビーなことで有名な『サイバーパンク2077』。いろいろ設定を変えながら、リトルチャイナからジャパンタウンまでを移動して平均FPSを計測。
最高画質設定の“レイトレーシング:ウルトラ”に設定しても、平均67FPSで、もっとも低画質の“クイックプリセット:低”の場合は、118FPSを記録した。フレームレートのキモは“レイトレーシング”と“DLSS”のようなので、プレイするときはカスタムで自分好みの見た目と感触を探ってみるのも楽しそう。
- クイックプリセット:ウルトラ
- 平均FPS:67
- クイックプリセット:レイトレーシング 中
- 平均FPS:70
- クイックプリセット:ウルトラ
- 平均FPS:77
- クイックプリセット:中
- 平均FPS:111
- クイックプリセット:低
- 平均FPS:118
- カスタム
(レイトレースライティング ウルトラ、解像度スケーリング DLSS 自動) - 平均FPS:80
『Bless Unleashed PC』(ブレス アンリーシュド PC)
いま話題の新作MMOアクションゲーム『Bless Unleashed PC』(ブレス アンリーシュド PC)を、フルHD(1920×1080)のフルスクリーンモードでプレイしてみた。
上述した『サイバーパンク2077』と同様に、グラフィック設定を変えながら同じ行動を繰り返してFPSを計測した。結果は最高品質でも問題なくプレイできた。
なお、今回はほかのプレイヤーがいない場所で計測したため、他人のキャラクターが多数描画されるとスコアは下がるかもしれない。目安程度にとどめておいてほしい。
- グラフィック:とても高い
- 平均FPS:62.5
- グラフィック:普通
- 平均FPS:74.8
- グラフィック:とても低い
- 平均FPS:143.7
- グラフィック:ユーザー定義
(とても高いの状態で、レンダリングサイズ“とても高い”に変更) - 平均FPS:61.6
『blender Benchmark』
クリエイティブな用途でも使えるノートPCなので、3DCGツール“blender”のベンチマークも行った。今回テストを行ったシーンは“kuro”。普段から“blender”を使っている読者は参考にしてほしい。
- Scenes:kuro
- CPUレンダリング(Core i7-11800H)
- レンダリング時間:7分2秒
- Scenes:kuro
- GPUレンダリング(GeForce RTX 3080 Laptop)
- レンダリング時間:1分40秒
狭いスペースでも最高のゲーム環境を構築できる約15インチのゲーミングノートPC
“GP66 Leopard 11U”はハイスペックゲーミングノートPCとして十分な性能でありながら、価格はギリギリまで抑えられている1台。
いま市場に出回っているゲームならばすべて最高画質でプレイできると言っても過言ではないほどのハイスペックマシンだ。ゲーミングマシンを新調したい人はもちろん、いまからPCゲームを高い環境で初めてみたい人にオススメしたい。