2011年(平成23年)12月8日は、プレイステーション3及びXbox 360で日本語版『スカイリム』が発売された日。本日で10周年という節目を迎えた。なお、海外版は同年11月11日に発売になっている。
『スカイリム』こと『The Elder Scrolls V:Skyrim(ジ エルダースクロールズ V: スカイリム)』は、ゼニマックス・アジアから発売されたオープンワールドのアクションRPG。開発はベセスダ・ソフトワークスが手掛けた。全世界で絶大な人気を誇る『The Elder Scrolls』シリーズの5作目にあたる作品だ。『オブリビオン』(The Elder Scrolls IV: Oblivion)の続編と言ったほうがわかりやすいかもしれない。発売から10年経ったいまでも多くのユーザーが楽しんでいて、熱心なファンも多い。
“スカイリム”というのはゲームの舞台となっている地域・地方の名称。前作の“オブリビオン”から200年後の世界のスカイリム地方で、プレイヤーは自分だけの物語を紡いでいくというわけだ。ちなみに“オブリビオン”は、『The Elder Scrolls』の世界における異界のこと。
本作が大きな支持を得たのは、やはり前作と同じく自由度の高さだろう。プレイヤーはドラゴンボーン(ドラゴン語でドヴァキン、あるいはドヴァーキンと呼ばれる龍の血脈やドラゴンスレイヤーを意味する言葉)となり、最強最悪のドラゴン、アルドゥインからスカイリム並びにタムリエル大陸全土を守る使命があるのだが、もちろんそんなことに命を掛けなくても問題ない。
盗賊になって犯罪に手を染めてもいいし、魔法大学で魔術の研鑽を積んでもいい。スカイリムを支配する帝国軍に従軍したってかまわないし、反乱軍に肩入れして帝国軍を打ち払ったってかまわない。平凡な冒険者のひとりとなり結婚して幸せに過ごすのも悪くない。人狼(ウェアウルフ)や吸血鬼の一族となって人間をやめるなんて選択肢もある。兎にも角にも選択肢は書ききれないほど無数にあり、プレイヤーの数だけ物語があると言ってもいいだろう。
プレイヤーはドラゴンボーンではあるけれど、英雄でもないし最初はこれといって強くもない。本当に住人のひとりになったように、スカイリムの世界で知見を広めながら学び、自分の好きなスキルを磨いていけるのがすごいところ。ゆえに本作のファンたちは、何度もくり返し遊んでさまざまな人生を謳歌しているというわけだ。なかには何百時間もプレイしているのに、メインストーリーは途中までしかやっていないなんて人もいるはず。
『スカイリム』と言えば、MOD文化がとくに有名。MODとは“MODification”の頭3文字を取ったもので部分的な変更や修正の意味を持つ。要するに拡張機能(アドオン)で、オリジナル版にない機能をゲームに付け加えることができてしまうのだ。
日本ではPC界隈でしか聞かない言葉だと思うが、2016年に発売されたプレイステーション4及びXbox One版『Special Edition』ではなんとコンソール版でもMODが使用できてしまうのだから、かなり衝撃的なニュースとして話題となった。もちろん公式に認められたもので、タイトル画面からダウンロードできるのだから本当に驚いたし、ニクい。
本作ではNPCを美形化するMODがとくに有名で、仲間にできるNPCを美女だらけにして遊ぶなんていうのも大流行していた。残念ながらプレイステーション4版は使用できるアセット(この場合は3Dモデルなどのビジュアルデータ)がゲーム内だけのものに限られ、新たなデータを追加できなかったのだが、Xbox One版ユーザーは大いに活用したに違いない。
美形化はできなかったが、ゲームを遊びやすくするMODは両機種で使えたので利用した人も多いのではないかな。宝箱の中身を少し豪華にしてみたり、同行NPCの戦闘AIをパワーアップしてゲーム難度を調整してみたり。ライティングをいじってゲームの世界をもっと色鮮やかにしてしまったりと、多種多様なMODが作られていた。
「膝に矢を受けてしまってな……」というネットミームが国内外で流行ったが、このフレーズは本作に出てくる衛兵のセリフが元ネタ。各拠点の衛兵みんなが言うものだから「お前もか!」と総ツッコミにあって話題になってしまった模様。筆者は海外ドラマや日本のアニメなどでもこのセリフを見たことがあるので、元ネタを知らずともこのフレーズだけは聞いたことがある、という人も多いんじゃないだろうか。
そして何と今年(2021年)11月11日には、本作の10周年を記念した『The Elder Scrolls V: Skyrim Anniversary Edition』の日本語版が、2022年のなるべく早い時期に発売されることが公式にアナウンスされた。本作を未プレイの人は、この機会に長年愛され続ける名作を遊んでみるのもいいのではないかな。
[2021年12月8日18時30分 記事修正]
記事初出時、一部表記に誤りがあったため記事を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。