ビートたけしが開発に関わった伝説のバカゲー
1986年(昭和61年)12月10日は、ファミリーコンピュータ(ファミコン)用ソフト『たけしの挑戦状』が発売された日。本日で35周年を迎えました。
お笑いタレントのビートたけしさんが開発に関わった『たけしの挑戦状』。あまり知られていませんが、本作には『ポリネシアンキッド 南海の黄金』というサブタイトルがあります。内容は、しがないサラリーマンがふとしたことから宝の地図を手に入れ、冒険に旅立つというもの。とはいえ、ゲーム中にほとんどストーリーが説明されることはないので、パッケージに記載された解説の内容から推測するしかなかったのですが……。
物語をラストまで進めるためには社長に辞表を出したり、妻と離婚しないといけないのですが、すべてがノーヒントのため攻略がたいへん。そのフラグを立ててから旅に出ないと、終盤で連れ戻されてしまう罠がありました。さらに、謎解きには2Pコントローラのマイク機能を使うものや、リアルで1時間操作せずに放置するイベントもあり、もはや理不尽ともいえる内容でした。
また、グラフィックや音楽はコミカルですが、主人公の口がとても悪かったり、ヤクザが敵として登場したりとかなりブラックな内容。ゲームオーバー画面が主人公の葬式になっているのもインパクトがありました。本作はゲームオーバーになる罠が多いので、何度も葬式を見せられることに……。
当時は攻略本が発売されましたが、読んでもクリアーできなかったため、出版社に抗議や質問の電話が鳴り止まなかったとか。担当者は疲れ果てて「担当者は死にました」と言ってやり過ごしていたそうです。そして最終的に、もともと1冊だけ発売する予定だった攻略本は上下巻の2冊になることに。
開発の経緯については諸説あるそうですが、フジテレビONEで放送中の『ゲームセンターCX』で本作が取り上げられた際、「ビートたけしさんが飲み屋で酔っ払った勢いで言った内容がそのままゲーム化されたものだ」と解説されていました。
そんな本作のクリアー後に待っているのは、ビートたけしの「えらいっ」のひとことのみ。それでも、めげずにそのまま待っていると「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの」というメッセージが表示されました。ここまでされたら笑ってしまいますね。
本作は2020年には西野亮廣さん主演、劇団・ヨーロッパ企画の上田誠さんの脚本で舞台化される予定だったのですが、新型コロナウイルスの感染防止の観点から全公演中止になってしまいました。見たかったなあ。
現在、ゲームはTAITO CLASSICSで配信されており、スマートフォンでプレイ可能。高難易度の“はーどもーど”、無敵になれる“むてきもーど”などの追加コンテンツも用意されています。なお、TAITO CLASSICS版の公式サイトには元・週刊ファミ通編集長のバカタール加藤さんのレビューも掲載されています。ぜひチェックしてみてくださいね!
※画面には一部公式サイトのものが含まれています。