プロダクションI.Gの美麗なオープニングで一気に引き込まれる
いまから24年前の1997年(平成9年)12月23日は、プレイステーション用ソフト『テイルズ オブ デスティニー』が発売された日。
『テイルズ オブ デスティニー』は『テイルズ オブ ファンタジア』に続く『テイルズ オブ』シリーズの2作目。2006年11月30日にプレイステーション2でリメイクされ、さらに2008年1月31日には登場キャラクターのリオンが主人公の“リオンサイド”などを追加した『テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット』も発売されました。シリーズで最初にミリオンヒットを達成した作品ということもあり、とくに人気のタイトルです。
『ファンタジア』の主題歌付きのオープニングも衝撃的でしたが、『デスティニー』は主題歌だけでなく、アニメムービーも追加され、よりTVアニメのような演出に近づきました。
プレイステーション時代はアニメ付きのオープニングは珍しくなかったものの、『デスティニー』のオープニングは『機動警察パトレイバー the Movie』や『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で知られるプロダクションI.Gが手掛けていたので、映像のクオリティーも高かったです。また、DEENの主題歌“夢であるように”も切ない歌詞とメロディが心に残る名曲でした。
ストーリーはみずからの名を上げるために故郷のリーネ村を飛び出したスタン・エルロンが人格を宿した剣であるソーディアンのディムロスと出会うところからスタート。
ディムロスのマスターとなったスタンが、同じくソーディアンのマスターであるルーティ・カトレットやリオン・マグナスと出会い、“神の眼”を巡る戦いに巻き込まれていく……という内容です。
仲間になるキャラクターはソーディアンのマスター以外にも記憶喪失の女戦士であるマリー・エージェントや闘技場のチャンピオンであるマイティ・コングマンなど9人のキャラクターが登場。ソーディアンたちも含めるとかなりの大所帯のパーティーになりました。フィールドで操作を放置していると、パーティーメンバーが掛け合いを始めるので、それを眺めるのも楽しかったです。スタンがリオンのモノマネをするものとか、すごく似ていておもしろかったなぁ。
ただ、終盤に悲痛な展開もあり、楽しいだけの旅では終わりませんでした。若かったころの自分は避けられない悲運に納得できなかったりもしましたが、振り返ってみると、この展開があるからこそ『テイルズ オブ デスティニー』がいまなお名作として語り継がれているのかな………とも思います。
バトルはエンハンスト・リニアモーションバトルシステム(E-LMBS)という名前で、スーパーファミコンからプレイステーションにハードが変わっただけあって、演出が派手になりました。
ソーディアンマスターはそれぞれのソーディアンの属性の晶術を使うことができますが、ソーディアンを交換することができるため戦闘の自由度が高かったです。晶術ごとに異なるボイスがあるため、ボイスの多さにも驚きましたね。音声収録は大変だったんだろうな~(笑)。
スタンとルーティの息子が主人公の『テイルズ オブ デスティニー2』
『テイルズ オブ デスティニー』の人気を受けて、1作目のリリースから5年後の2002年(平成14年)11月28日にプレイステーション2向けにリリースされたのが、『テイルズ オブ デスティニー2』。せっかくなので、本作も振り返ってみましょう。
本作は、スタンとルーティの息子であるカイル・デュナミスが主人公の物語。カイルの性が両親と異なるのは、ルーティが孤児院を経営しており、そこの子どもたちと平等になるように……という理由からでした。優しいルーティらしいですね。
英雄だったスタンに憧れて、自分も父のような英雄になりたいと考えているカイル。彼はルーティから、父のスタンは数年前に旅立ったと聞かされているのですが、じつは……。この真実が明らかになったときはビックリしました。
カイルは孤児院の借金を返すために兄貴分であるロニと300万ガルドの価値があるというレンズを探すためラグナ遺跡へ。そこで不思議な少女・リアラと出会い、彼女とともに旅に出ることになります。
仲間はロニとリアラのほか、仮面の男・ジューダスと女戦士のナナリー・フレッチ、天才科学者のハロルド・ベルセリオスが登場。
印象的なのはジューダス。怪物の仮面で顔を隠しているものの、ほとんど顔が見えているため前作をプレイしている人ならすぐにその正体はわかったのでは。
また、フィリアやウッドロウをはじめとした前作の仲間キャラクターたちも冒険を進めることで出会うことができ、懐かしい気持ちにさせてくれます。
本作でとくにインパクトが強いのは敵側のキャラクターであるバルバトス・ゲーティア。彼は英雄を恨む狂戦士で何度もカイルの前に立ち塞がることに。
特定の行動を取ると即座にカウンター攻撃をしてくるのですが、そのカウンターの種類が多いのが特徴でした。アイテムを使う、ガードを使う、背後に回る、晶術を使う……こちらのいろいろな行動に強力なカウンターをしてきます。彼の「アイテムなぞ使ってんじゃねえ!」のセリフは印象的でした。
戦闘ごとにカウンターされる行動が違うため、一戦ごとに戦いかたを変える必要があるのは毎回バトルが新鮮で楽しかったです。
※本記事は、2020年12月23日にアップした記事を再編集したものです。