ValveのPCゲーム配信プラットフォームSteamの2021年をまとめた開発者向けの統計が公開された。

 まず全体の数字では、月間のアクティブプレイヤーは1億3200万アカウントで、一日あたりだと6900万アカウント。最大の同時接続数は2740万を記録している。

 そして全プレイヤーが一年でSteamで費やした時間の合計は約380億時間にも到達。これは前年と比較して21%の増加にあたるという。また全体の消費額は27%増加しており、3120万アカウントがSteamで初めての購入を行っている。

コントローラー派は約10%以上。Steam Play Together機能も浸透か

 プレイ面の興味深いデータでは、PC用ゲームコントローラーを使っているのは1日のゲームセッションの約10%以上。ローカルマルチプレイのみのゲームをSteam経由でオンラインプレイに対応させる“Remote Play Together”はリモートプレイ全体の34%を占めていて、リモートプレイ全体の総数を一気に押し上げている。

 ただし後者のデータに関しては、Steamでの動作の仕組み上は重なる部分があるものの、通常のリモートプレイ(別の部屋や外出先から自宅PCのゲームをリモートで遊ぶ)とRemote Play Together(ローカルマルチプレイをオンラインの友だちと遊ぶ)はプレイヤーの目的が異なるのは注意したい点だ。

 依然コロナ禍が続く中でRemote Play Togetherが積極的に使われている……と捉えたくなるところだが、全体に対する比率が出ていないため、リモートプレイ全体の比率がそもそも大きくない可能性(=どちらもそれほど使われていない)もあるし、一方で通常のリモートプレイが結構使われているという事もありうる。

プロモ面でSteam Nextフェスやセールは大成功

 そしてコロナ禍の影響という点では、ゲームイベントのオンライン化などの影響を受けてスタートしたSteam Nextフェスも重要な新要素。季節ごとに開催されて体験版などが大量に登場する本イベントの登場により、ウィッシュリストへの登録が22倍になっているとか。

 一方、Steamおなじみの季節ごとのセールでは、2021年のサマーセールが前年の収益より13%増加し、その時点でSteam史上最大のセールに。そしてウィンターセールで塗り替えられたとのこと。新たに初めて製品を購入したプレイヤーは、このウィンターセール期間の14日間だけで230万人増えている。

 こういった中で、パブリッシャーなどのマーケティング担当者には、UTMアナリティクス(URLに付加した文字列などを通じて製品ページへの流入などを測る手法)の測定機能は強力なツールと言えるだろう。この機能を使うと、公式サイトや広告、ニュースレターなどのリンクでどういった流入があるかを測定できる。2021年には4万4000以上のタイトルでUTMパラメーターつきの4億回のアクセスを記録しているという。

インフラも改善中

 Steamのサーバーからは2021年に32.9エクサバイト(!)のコンテンツが配信されたとのことで、この巨大な転送量に対応するためのインフラの改善も進めているそう。アメリカのロサンゼルスのサーバーでは、より高速なダウンロードをより多く提供しつつ、電力消費量では50%の削減に成功したと明かされている。