『World of Tanks』や『World of Warships』など、戦車や戦艦や戦闘機などの兵器を主体としたオンライン対戦ゲームを提供するWargaming(ウォーゲーミング)が、ロシアとベラルーシでの営業を終了することを発表した。創業の地であるベラルーシのミンスクのオフィスも閉鎖される。
ウォーゲーミングは1998年にミンスクで設立。2010年にリリースした『World of Tanks』が世界的にヒットし、ブランドをグローバルに拡大してきた。両国での運営については2022年3月末付けでロシアのサンクトペテルブルグにあるLesta Studioがウォーゲーミングから独立して譲渡を受ける形となり、ウォーゲーミングはこの移行からの利益は得ないという。
同社は昨今のロシアとベラルーシによるウクライナ侵攻では非常に難しい立場に置かれており、単にベラルーシが侵攻に深く関わっているというだけでなく(本社機能自体は以前よりキプロスに移っている)、ウクライナのキエフに『World of Warplanes』の開発を持っていてスタッフの移転などの対応に追われる一方、『World of Tanks』のクリエイティブディレクターであったSergey Burkatovskiy氏がロシア支援を公言したことで辞任に追い込まれるといった事態も起こっていた。
今回の決定は、そういった状況下でロシア市場と創業の地ミンスクの放棄をしてでもブランドの存続を狙った形だ。公式サイトに公開されている声明は、移行そのものによる大きな損失を見込みつつも、将来的なビジネス継続とゲームの安定した開発・提供を約束するものとなっている。