カプコンとOculus StudioおよびArmature Studioの手掛けるMeta Quest 2版『バイオハザード4』に、エクストラゲーム『ザ・マーセナリーズ』が無料アップデートで追加される。
『ザ・マーセナリーズ』は、時間切れでヘリコプターが到着するまでに、できるだけ多くの敵を倒すことを目的としたエクストラゲーム。原作『バイオハザード4』にもあったコンテンツが、VR版としてリニューアルされた内容で実装される。
今回、Meta Quest 2版『バイオハザード4』の開発を手掛けるArmature StudioのリードプロデューサーであるTom Ivey(トム・アイビー)氏にインタビューを実施する機会を得たので、その内容を紹介していこう。
Tom Ivey氏(トム・アイビー)
Armature Studio リードプロデューサー
Meta Quest 2版で追加される新規要素も!あの隠し武器も登場……?
――Meta Quest 2版『バイオハザード4』がリリースされてからしばらく経ちましたが、現在のお気持ちをお聞かせください。
トム長い期間を費やして開発した、思い入れの深いタイトルです。私自身もオリジナル版の『バイオハザード4』を熱心にプレイしていたので、当時を思い出しながら開発していました。
我々にとって『バイオハザード4』を開発できるのは名誉なことで、同時に大きなチャレンジでもありました。実際にリリースしてみると、ポジティブな反応が多くて開発メンバーも「やったぜ!」と喜んでいます。ただ、そこで終わりではなく、もっとこうしたいという改善点、寄せられた意見を元にしたアップデートも実施しています。今後もアップデートはしていきたいと思っています。
――『バイオハザード4』がVRになったことで付加価値が出たと強く思える点はありますか?
トム『バイオハザード4』は、非常に愛されているコンテンツです。オリジナル版ならではの楽しさは絶対に失わず、それをVRで強化することを意識しました。
自分自身がレオンになって、クールに戦えることがVR版ならではの遊びかたです。コアファンの方に『バイオハザード4』の世界に浸れる、自分がその世界に入れるという楽しみかたをしてもらえて、誇りに思っています。
――今回追加される『ザ・マーセナリーズ』は、発売前から追加を予定していたのですか?
トム当初は予定していませんでした。最初は本編の開発に全力を注いでいたので、追加を決めたのは発売後になります。
――追加しようと思ったのはいつのタイミングでしたか? ユーザーからの要望などを受けてのものでしょうか?
トム本編の開発中も、いつかは追加したいと考えていました。本編のローンチが決定した後、実際にVR版をプレイした人が楽しんでいる様子を見て、「これは『ザ・マーセナリーズ』も作らなければ!」と決意しました。
とはいえ、すぐに着手したわけではありません。本編の修正、調整などのアップデートも必要でしたので、まずは小さなチームで『ザ・マーセナリーズ』を作り始めたのです。ある程度本編が落ち着いた段階で、ようやく本腰を入れて開発をスタートしました。
――オリジナル版の『ザ・マーセナリーズ』はレオン以外も操作できますが、VR版でも基本的なゲームルールは変わりませんか?
トムオリジナル版の要素はすべて取り入れました。エイダ、ウェスカー、ハンクなどを使用でき、それぞれの固有武器、必殺技も同じように使用できます。もちろんVR版ならではの調整は加えていますが、基本的にはオリジナル版でできたことは、すべてVR版でもプレイ可能です。
――レオン以外を操作するにあたり、操作性などで変更や調整をした点があれば教えてください。
トム3人称から1人称になったことで、すべてが変わっているのは前提として……。敵との距離感、固有武器の使いかたも、よりエキサイティングな内容に変わっています。ひとつひとつは小さな変化ですが、すべて合わさることでVR版特有の楽しみになります。
――『ザ・マーセナリーズ』をVR化するにあたり、オリジナル版から大きく変わった部分はありますか?
トム変更点はいくつもあります。代表的なのは得点ですね。VR版で武器を扱いやすくなったため、得られる得点をオリジナル版から調整しています。新規要素としては、チャレンジモードを追加しました。
このモードでは使用武器の固定、特殊ルールなどを追加した全20個のステージに挑戦できます。チャレンジモードをクリアーしていくと、特典として黄金銃や新モードをアンロックできる仕組みにしました。また、オリジナル版にはなかった要素として『ザ・マーセナリーズ』でロケットランチャーを使用できます。
そのほか、リーダーボードも追加しています。これはオンライン、あるいはフレンドどうしで最高スコアを表示する機能です。オリジナル版でもリーダーボードはありますが、より使いやすく、表示できる機能も増やしました。
――チャレンジモードの内容はどういったものになるのでしょうか?
トムユニークなものを用意していますよ。最初は20秒程度しか制限時間がなく、敵を倒すたびにタイムが追加されていくステージでは、正確に敵を倒し続けないといけません。
ナイフのみで高得点を目指すモードや霧がかかっていて視界が狭いステージ、弾を外すと自分がダメージを受けたりと、バリエーションを楽しんでいただけると思います。
――うかがっている限りですとかなり難しそうですね。苦労して得られる報酬としては、どのようなものがあるのでしょうか。
トムチャレンジモードの得点が高ければ高いほど、もらえる報酬も増えていきます。報酬内容はレオンとアシュリーのマフィアや騎士の新コスチュームや、武器のアンロックですね。お気に入りの武器のスキンとして利用可能な“黄金銃”など報酬内容にもバリエーションを持たせました。
そのほか、モノクロ画面でプレイできるクラシックホラーモード、敵の頭だけが巨大になるビッグヘッドモードなどでプレイできるようになります。また、時間経過が早くなる倍速モードもアンロックされますので、試してみてください。
――得られる報酬が使えるのは、『ザ・マーセナリーズ』だけでしょうか?
トムいいえ、本編でももちろん使用できます。アンロックした内容は組み合わせて使えるので、モノクロ画面でビッグヘッドモードの敵を倒したり、倍速状態で頭の大きな敵が接近してくるなど、自由に楽しめるようにしました。
――期待している人も多いと思うのですが、隠し武器のハンドキャノンは追加されますか?
トムもちろんありますよ! 今回は、オリジナル版よりアンロック条件は緩くしました。すべてのマップで5つ星を取れば、その時点で解放されるようにしています。全キャラで、全マップを攻略する必要はありません。
――『ザ・マーセナリーズ』は本編をクリアーしていなくてもプレイ可能ですか?
トム本編が終わっていなくても、いつでもプレイ可能です。チュートリアルも用意しているので、本編をプレイせず『ザ・マーセナリーズ』から入っても問題ありません。
――今後、さらなるアップデートの予定があれば、お話できる範囲でお聞かせください。
トム現時点では、『ザ・マーセナリーズ』に全力を注いでいますので、先の計画は明確には決めていません。リリース後、ユーザーからの反響を見ながらコンテンツ強化を考えていきたいです。
――最後に、『ザ・マーセナリーズ』を楽しみにしているユーザーに向けてメッセージをお願いします。
トム『ザ・マーセナリーズ』を皆さんにプレイしてもらえることを待ち望んでいます。ぜひ、ハイスコアを目指して楽しんでみてください。ハイスコアを狙うのは難しくはしましたが、不可能なバランスにはしていません。リーダーボードもありますので、ランキング上位を目指してみてください。
そして、ハイスコアを取っている人は、ぜひビデオも投稿してほしいです。うまいプレイヤーの動画を見て、刺激を受けてチャレンジする人が増えてくれるとうれしいです。個人的には、ビッグヘッドモードを皆さんがどう思うかも気になっています。これまでにはなかった要素ですので、ぜひ巨大な顔のガナードとの遭遇を楽しんでください。