2022年6月25日(土)~26日(日)に、福岡県の西日本総合展示場にてサイゲームスの人気RPG『グランブルーファンタジー』(以下、『グラブル』)のリアルイベント“グラブルEXTRAフェス2022”が開催された。今回は6月25日(土)、Day1のメインステージでおこなわれた珠玉のプログラムの数々をまとめてお伝えしよう。
6月~8月にかけて全国4都市で開催される“グラブルEXTRAフェス2022”メインステージの幕開けを飾ったのは、“スペシャルキャラクターライブ”。こちらは昨年開催されたオンラインの大型イベント“グラブルフェス2021”で好評だったキャラクターライブを一部演出変更したEXTRAフェス特別版。大画面でキャラクターたちのライブが観覧できるということもあり、ステージのまわりには大勢の騎空士が詰めかけた。
また、この日のステージでMCを担当したのはビィとルリア。もつ鍋やとんこつラーメンといった福岡のご当地グルメに想いを馳せるルリアと、そこに鋭いツッコミを入れるビィとの軽妙なやりとりで会場の空気を温めていた。
続いて行われたのは、グラブルのキャスト陣が出演する“EXTRAフェススペシャルトークステージ”。Day1のステージに登壇したのは、小野友樹さん(グラン/ランスロット役)、加藤英美里さん(シェロカルテ役)、東山奈央さん(ルリア役)、井上和彦さん(ジークフリート役)、今井麻美さん(ヴィーラ/フライデー役)、植田佳奈さん(ユエル役)、白石涼子さん(ソシエ/ロキ役)、星野貴紀さん(ダーント役)、高森奈津美さん(アリーザ役)の9名。
それぞれ自身が演じるキャラクターでひと言アピールと挨拶をするキャスト陣だったが、ひさびさの有観客での大型イベント開催、それも3年前の“グラブルEXTRAフェス2019”と同じく福岡・小倉がフェスの最初のステージになるということでそれぞれうれしさをにじませる。なかでも東山さんは来場した騎空士の中に“VR天司”を体験した人がいないかを探り始めるなど、さっそく『グラブル』と天司への愛を爆発させていた。
まず、まずステージで話題になったのは、福岡のご当地グルメ。前日の夜に食べたものをキャスト陣が順に語る中、小野さんだけは、会場横にある400メートルぐらいのトラックをストイックに周回して身体づくりをしていたのだとか……。
それぞれが事前に書いた色紙にまつわるテーマトークをくり広げるコーナーでもご当地グルメの話題は止まらない。“カシウスにとってのラーメンみたいに止まらないもの”というテーマに対して、今井さんは“ホテルでカップヌードル・どん兵衛の西日本限定の味を食べること”と意外な回答。星野さんは“鉄鍋餃子”、井上さんは“和菓子”、東山さんは“水たき”など福岡・小倉の名物にキャスト陣もすっかり魅せられているようだった。
テーマトークでは、白石さんから“『グラブル』がRank100から上がらない”という切実な悩みも飛び出した。それに対して加藤さんは、強くなるなどの目的がなければふつうに楽しんでいれば自然とRankが上がるとベテラン騎空士の目線からアドバイス。さらに小野さんも1個1個課題を見つけることが肝要だと説き、今井さんは強くなるために必要不可欠な武器を見つけるといいと、経験に基づいた“ためになる助言”がつぎつぎに飛び出す。
ここでハッと閃いた加藤さんが“そもそもRank上限を解放するためのクエストをやっていないから100以上にならないんじゃないか?”と前提を覆すような疑問を投げかけると、これがまさかの大的中!(白石さんはRank上限を解放するためのクエストの存在を知らなかった) 騎空士・白石さんにとっても非常に有意義なステージとなったようだ。
ここからは“グラブル8周年!8チャレンジ!”のコーナー。MCの小野さんを除く8名のキャストが“一手ずつ”順番を担当することで、ひとつのお題を完成させるという全員協力形式のゲームコーナーだ。各キャストは自分の順番以外のことがわからないため、肌感で“この順番ならこんな工程じゃないか”というのを推測して書かなければならない。とくに中盤を担うことになったプレイヤーの難度が高いゲームだ。
最初のお題“桃太郎”では、“おじいさんとおばあさん”に言及した東山さんの1手目から始まり、2手目を担当した加藤さんが“桃がどんぶらこ~”と続いたのだが、3手目の担当である井上さんも“桃がどんぶらこ~”と続いたことで、桃が川から拾われないまま話はスローペースな展開に。しかし、4手目を担当した今井さんが“いい感じのキジがパーティーに加入”と一気に話を進める流れにしてしまったために、桃太郎が生まれる前にキジが仲間になっているという超展開が発生。
最終的には、桃太郎が生まれないままおじいさん(?)が鬼ヶ島にたどり着き、イヌとサルはラストの星野さんのイラストで補完される(逆にキジはイラストに登場せず……)という世にも奇妙な昔話が誕生した。
桃太郎以外にもさまざまなお題に挑戦し、ときに奇想天外な回答が飛び出すなどした“グラブル8周年!8チャレンジ!”で、会場は終始笑いに包まれていた。
“EXTRAフェススペシャルトークステージ”のラストには、木村唯人プロデューサーから『グラブル』の最新情報を預かったという小野さんが“ヴァジラ(水着バージョン)”の実装を発表。スペシャルトークステージは最後まで大盛り上がり。締めのあいさつではキャスト陣が口をそろえて“反応が返ってくるありがたさ”や“有観客のステージに立てるうれしさ”に言及していたのもまた印象的だった。
“EXTRAフェススペシャルトークステージ”の終了後に開催されたのが“オフィシャルキャストステージ”。『グラブル』の人気キャラクターのオフィシャルキャストがステージに登壇し、パフォーマンスを行った。こちらは自由に写真や動画での撮影が可能ということで、多くの騎空士たちがカメラや撮影機能のある携帯電話を片手にステージに熱い視線を注いでいた。
Day1のメインステージのラストを飾ったのは、『グラブル』の世界を音楽で彩る成田勤氏が率いるバンド“Stella Magna”とゲストボーカルのSTEVIE(from 44MAGNUM)氏によるスペシャルライブ。
ライブではメンバーによる音合わせの「プラチナ・スカイ」を皮切りに、幻想的な温かみを感じさせつつもバンドスタイルでゴリゴリテンションをあげていく「ユグドラシル・マグナ」、そして神秘的な音の波動がうねりとなって押し寄せてくる「リヴァイアサン・マグナ」と、騎空士にとっては耳になじんでいるであろう楽曲が続く。
4曲目は六竜のワムデュス、ガレヲンとのバトルで流れる「Dragon's Circle -Water And Earth-」。冒頭から力強いメロディーが響き、そこへ伊藤友馬氏による激しいヴァイオリンや宮崎大介氏(※崎は“たつさき”)によるギターが続々とたたみかけてくる。しかし曲が佳境に差し掛かったところで一気に転調、まるで水の中にいるかのような透明感に満たされていく。そこから再び加速していき、ラストは激流のような激しい旋律に……! この変化はBGMとしても印象だが、生で音の奔流を浴びてこれまで以上にシビれたという騎空士も多かったのではないだろうか。
そして、「Dragon's Circle -Light And Dark-」。六竜のル・オー、フェディエルとのバトルでおなじみの楽曲だ。音色もあってかデジタルロックな側面が強く出ており、戦闘のクライマックスで流れる焦燥感のある転調も迫力を増していた。原曲の禍々しいイメージを残したまま、よりカッコいい面が際立っており、騎空士のトレピリ(『グラブル』でいうペンライトのようなアイテム)を振る手も自然と激しくなる。
ここまでが前半戦。Rank300超えの騎空士として知られる成田氏は、MCで“激突!星の古戦場”と福岡会場の日程がかぶっていることに唖然としたことを説明。それでも朝“走って”からステージに臨んだそうで、これには会場からも拍手が巻き起こっていた。
後半戦は『グランブルーファンタジー ヴァーサス』の「Colossus」からスタート。ゲストボーカルのSTEVIE(from 44MAGNUM)氏による力強い歌声によって、コロッサスの放つ“次元断”のように一節ごとの破壊力が増していく。この音の厚みを感じられるのも生演奏のライブの醍醐味といえるだろう。
後半戦2曲目は同じく『グランブルーファンタジー ヴァーサス』より、ユーステスのテーマソング「Peace and Quiet」。SF感のある主旋律を軸にした壮大なサウンドが心地いい。会場のボルテージもどんどん高まっていき、クライマックスでは会場が一丸となって拳を突き上げる壮観な光景が広がった。
じつは1stアルバム『STELLA MAGNA -Songs from GRANBLUE FANTASY-』を発表してから、初めての有観客ライブとなったこの日のステージ。成田氏たちメンバーのかける想いもひとしおだったようだが、まだまだ夢は尽きない模様。もっともっと多くの地域を回ったり、単独のライブをやりたいと願いをにじませていた(もちろん、客席からは盛大な拍手が沸き上がった)。
MCを挟みつつ、アルバム版のアレンジが加わった「大星晶獣との戦い」。『グラブル』を代表するような旋律に、客席には全身でリズムを刻みながら旋律を浴びる騎空士たちの姿が。
さらにたたみかけるようにヴァイオリンの美しい主旋律からスタートする「バトル3」。途中からはキーボードやギターも加わり、厚みがどんどん出ていく感覚がたまらない。曲の合間ではStella Magnaを構成するメンバーを紹介しつつ、最後にはそれらの個性的な音が合流するという豪華な構成になっていた。
ここで真打とばかりにボーカルの遠藤フビト氏が登壇。そのままアルティメットバハムートの戦闘曲「ジ・アルティメット」に突入する。この曲でのボーカルのパワーは言うに及ばず、楽器のみのパートでも成田氏と宮崎氏がギターどうしでぶつかり合って激しい応酬をくり広げたり、曲全体がエネルギーに満ちあふれていた。一転、クライマックスで歌詞が日本語詞に変わってからは、究極の竜に対する礼賛がそのまま溶け込んだかのような泣きメロに。筆者個人的には「新たな夢を見よう」という歌詞が、成田氏が先ほどMCで語っていたStella Magnaとしての夢と重なってグッと染みいる部分も……。
最後のMCで成田氏は、ロックスタイルのライブはお客さんといっしょに作っていくものだと再認識させられたと語る。そんな成田氏の感動のコメントをよそに、オチャメなアルバム宣伝(?)をし始める遠藤氏。そんなやりとりにもStella Magnaとしての絆の強さがにじんでいたのがファンとしてはうれしい。
ライブのラストを飾ったのは「黒銀の翼」。ゲストボーカルのSTEVIE氏も再びステージに舞い戻り、力強い演奏と歌唱が会場に響き渡る。肉声によるコール&レスポンスができない分、それを補うかのように天高く拳を突き上げてパフォーマンスに応える騎空士たち。『グラブル』の音を通して会場がひとつになったまま、Day1の福岡会場メインステージは幕を下ろした。
グラブルEXTRAフェス2022開催概要
仙台会場
- 日程:2022年7月2日(土)、3日(日)
- 時間:10時00分~18時00分(最終入場時間 17時30分)
- 会場:夢メッセみやぎ A・B・Cホール
大阪会場
- 日程:2022年8月6日(土)、7日(日)
- 時間:9時00分~17時00分(最終入場時間 16時30分)
- 会場:インテックス大阪 3・4・5館
名古屋会場
- 日程:2022年8月13日(土)、14日(日)
- 時間:10時00分~18時00分(最終入場時間 17時30分)
- 会場:AICHI SKY EXPO ホールA・B