時代も主人公も異なる7つ+αのオムニバスストーリーと、個性的なシナリオやバトルシステムで、いまなお根強い人気を誇る名作RPG『ライブアライブ』。スーパーファミコン版の発売から約28年の時を経て、HD-2Dリメイク版がNintendo Switchにて2022年7月22日に発売される。

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 本記事では、本作の一部部分を体験したプレビューをお届け。今回のプレビューではシナリオの中から

  • 功夫編
  • 西部編
  • 幕末編
  • SF編

 を各編の途中まで紹介可能なのだが、冒頭3編は2022年6月28日から配信中の体験版ですでにプレイ可能だ。というわけで本稿では、読者の方々はまだ体験できない“西部編”のスクリーンショットも多数掲載しつつ、全体的に体験した感想をお伝えしていこう。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
好きなシナリオを自由に選んで開始できる(中断も可能。詳細は後述)。

HD-2D&ボイスでドラマ性アップ!

 『ライブアライブ』はもともと、人気マンガ家たちがキャラクターデザインを手掛けた作品で、オリジナル版では全体的にポップなビジュアルスタイルの作品だったように思う。

 本作はHD-2D化によって高品質化したグラフィックで『ライブアライブ』を楽しめる。もちろん原作の持つ漫画的な魅力はありつつも、その一歩先を行ったような大人びた雰囲気を全体から感じられた。

 また、HD-2Dとなったフィールドはやはり綺麗で、“幕末編”の夜城へ潜入するシーンでは、カメラワークによりシーンがさらにダイナミックに。“功夫編”の山々や森林はとても美しく、探索しているだけでも老師が散歩をしているかのような気分が味わえた。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
幕末編。遠くそびえる尾手城(おでじょう)の巨大さを改めて感じる。
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功夫編。老師が住む山の深山幽谷っぷりがさらに際立つ。そりゃトラも出てくるわな。

 背景だけでなく、キャラクターにおいても大きく進化したと思うのが、キャラクターアニメーションのパターンが超大幅に増えている点。シーンに合わせて細かくポーズや表情、演技を変えてくれることもあって、より劇中のシーンがドラマチックになっている。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
アニーの平手打ちもしっかりアニメーション。
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マッド・ドッグはテーブルにドカンと足を乗せるのだが、これも滑らかに乗せてくれてカッコイイ。
リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
無限ミルク。

 そこに拍車をかけているのが、豪華声優陣による演技だ。オリジナル版はテキストを読み進めるだけだったこともあり、キャラクターの感情の起伏というのはプレイヤーが想像するしかなかった。本作ではボイスに対応したことにより、シリアスなムードがアップ。“西部編”ではサンダウンの「ああ」ひとつとっても、意味合いが大きく異なるのが非常によかった。

 ただイベントシーンは、少し長く感じるところもあった。オリジナル版と同じくらいではあるのだが、そのテンポ感はスーパーファミコンの時代だから許容できたところもあるだろう。現代的にはシナリオを倍速で読み進められるなどの機能があるとよりよかったのかなと感じた。

 なお、テキストオート進行とスキップ機能には対応している。スキップは完全にシーンを飛ばせるので周回プレイなどにかなり役立つが、初見では基本的に使わないだろう。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
西部編では、仕掛けた罠で敵たちを一蹴できる。各罠ごとにリアクションも異なり、見ていてより楽しいところ。
リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい

いろいろなところが親切に!

 ゲームプレイは基本的な要素はそのままに、さまざまな場所が進化している。大きなところでは、移動中の画面右下に表示されるレーダーがミニマップ的な役割となり、とくにマップの狭いSF編などではどこに向かえばいいのかわかりやすくなった。とくに西部編は探索パートがあり、どの建物にまだ入っていないかもアイコンの色でわかるので、一度調べた場所を記憶せずとも視認できるのがありがたかった。探索では調べられるポイントが光って表示されるのもわかりやすい。ちなみに西部編では鐘の音を画面右上で数えてくれる。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい

 そのほか、本作ではシナリオの途中でも、セーブ後シナリオ選択に戻ると、進行を維持しながら別のシナリオを遊ぶことができるようになった。

 序盤を遊んでみて「好みの雰囲気じゃないかも」とか「このシナリオ長そうだからやっぱり後でまた遊ぼう」とか思ったら別のシナリオの序盤を遊ぶこともできるようになるので、遊びかたの幅が広がったのではないだろうか。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい

バトル

 戦闘面では“チェッカーバトル”というシミュレーションゲームのようなバトルが味わえる。

 基本はオリジナル版そのままに、技の効果やステータス表示が増え、どの技がどの敵に有効かなどの弱点表示も追加されてわかりやすくなった。

 また、行動ポイントもゲージとして表示される。もともと同様のシステムではあったが、視覚的には行動するたびに時間の止まる『ファイナルファンタジー』シリーズの“アクティブタイムバトル(ATB)”のウェイトモードのようなプレイフィールになった。

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フィールドでの変更点

 フィールド探索での変更点では、ダッシュがボタンによる操作ではなく、アナログスティックを小さめに倒すと歩きになり、深く倒すとダッシュになる仕様に変更。基本的には常時ダッシュで移動することになり「移動が遅い!」と極端に感じるわけではないが、もう少し早めだったり、コンフィグで調整できたりする仕様だとよりありがたかった(オリジナル版を遊んでいるから感じるのかもしれないが)。

 とはいえ、敵を避けられるシナリオがあったり時間制限付きで探索するシナリオがあったりするので、移動速度が変わるとゲームバランスも変わってしまうためしかたない点なのかなと思う。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
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西部編では“アニーの日記”という防具が、何かに変わって新登場。

各編をクリアーすると……?

 各シナリオをクリアーするとセーブデータにメダルのようなアイコンが表示され、どのシナリオを達成しているのかがひと目でわかるように。シナリオ選択画面でもクリアー済みの証が表示される。

 クリアーするとそのシナリオに関するTIPSとBGMが開放される。TIPSは各シナリオの「じつはこういう要素がありますよ」というヒントになっているものや、本編でも掴みにくいような世界設定を閲覧できることも。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
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 解放したBGMは、メニュー画面のサウンドルームにて心ゆくまで堪能できるのがうれしいところ。

 BGMといえば、本作は全編アレンジ楽曲が採用されている。数々の名曲たちが非常に豪華になっていて、かつイメージが損なわれていないのがコレまたイイ。ループする楽曲では2ループ目からさらに一歩冒険したアレンジが楽しめたりと、どれも聴いて楽しめた。

 人によっては「オリジナルBGMに切り換えられるようにしてほしい」という人もいると思うが、確認できる限りでは切り換えはできないようだ。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい

引継ぎ可能な体験版を遊ぶべし!

 チュートリアルテキストも充実しており、オリジナル版から久しぶりに遊ぶプレイヤーはもちろん、初めて『ライブアライブ』を遊ぶ方も「どうやって遊べばいいのかわからない」ということもないだろう。

 昨今よくある“遊ばせて丁寧に教えるチュートリアル”ではなく読むだけのものなので、さっと飛ばし読みできるのも個人的にはうれしいところだった。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい

 2022年6月28日より配信されている本作の体験版では、前述の通り幕末編、功夫編、SF編の序盤がプレイでき、セーブデータは製品版に引継ぎ可能だ(ちなみに、発売日になって「体験版で遊んだところまでのシナリオを忘れてしまった!」とならないよう、引き継がないようにすることも可能)。

 進化したゲーム全体の雰囲気や遊びやすくなったチェッカーバトルなど、その魅力の一端を味わえるので気になった人はまず体験版を遊んでみては。

リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい
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ちなみにキャラクターによってはボイスで技名を叫んでくれることもあり、これもうれしいところだった。
リメイク版『ライブアライブ』プレビュー。シナリオはよりドラマチックに、ゲームは遊びやすく! 体験版でその一端を感じてほしい