2022年7月28日にNintendo Switch、PC(Steam)用ソフト『紅魔城レミリア 緋色の交響曲』(以下、『紅魔城レミリア』)がついに発売。
『東方Project』を題材にした本作は、2009年に同人サークル“Frontier Aja”より発売された横スクロールアクションのリマスター版。やり応えのあるアクションは、激しい攻撃によって描き出される可憐とも言える弾幕模様を再現。霊夢や魔理沙たちおなじみのキャラクターは、イラストレーター・晩杯あきら氏によってカッコよく描かれており、ふだん目にする和のテイストで描かれた『東方Project』作品とはひと味違う、ダークな雰囲気が漂うオリジナルストーリーを楽しむことができる。
また、リマスター版ではグラフィックのHD化に加えて、会話パートはフルボイスとなり、実績といったやり込み要素が追加。当時プレイした人も新鮮な気持ちでプレイできるだろう。本記事では、『紅魔城レミリア』が気になっている人に向けて、本作の概要や魅力、パワーアップしたポイントを紹介しよう。
※本記事はCFK(シーエフケー)の提供でお送りします。
ふたたび起きた紅霧の異変へ立ち向かう博麗の巫女
今回起きた事件は“紅霧の異変”と通称されるもの。幻想郷と呼ばれる人外(妖怪や神様など)と人間がともに暮らす不思議な世界は、ある日突然、濃い紅霧によって覆われてしまった。
過去に起きた異変と似ており、今回も“あの吸血鬼”が犯人だろうと目星をつけた主人公・博麗霊夢(声:佐藤利奈)。“紅霧の異変”の解決のため、犯人と推察した相手が待つ“紅魔城”へと向かうことになるのだが……。この導入から物語の幕が開ける。
プレイヤーは霊夢を操作してこの異変を解決していくのだが、その道中にはさまざまな敵が待ち受けている。霊夢が行える攻撃はムチのように伸びる近接攻撃の“おおぬさ(大麻)”、 空中や遠距離の敵に有効な“御札”の2種類で、つぎつぎに襲い来る敵を、これらを駆使して倒しながら先へと進んでいく。
近接攻撃である“おおぬさ(大麻)”は、後述する“御札”よりも威力が高めで立ち、しゃがみ、ジャンプ中に攻撃が可能となっている。しかし、リーチが短めで空中を飛び回るタイプの敵には効果が薄い。
そこで活躍するのがもうひとつの攻撃方法の“御札”。このアクションは、敵を撃破やオブジェクトを破壊すると手に入る御霊を消費して、遠距離まで届くショットを放つことができ、空を駆ける敵に対しても有効打となる。
“おおぬさ”と“御札”は、敵のタイプや状況に応じて使い分けるのがかなり重要。さらには、回避行動の“スライディング”や空中を自由に移動できる“飛翔”を駆使して被弾を抑えつつ、各ステージの最後に待つボスのもとへ向かう。
筆者がプレイした感覚としては、ステージの序盤はなるべく近接攻撃で敵を倒して御霊を溜め込み、大ダメージを与えてくる敵に対しては御札を軸に戦いながら、ヒットアンドアウェイ戦法を駆使するのが攻略のカギとなる。
また、個人的におもしろいと感じたのがこの戦闘システム。近距離攻撃は威力が高いもののダメージを受けるリスクがあり、遠距離攻撃では安全に立ちまわれるものの攻撃力が低く、どちらか一方だけを使い続けるだけでは攻略が難しくなっている。例えば、御札だけで立ち回っていると1体の敵を倒すのに時間がかかり、気づいたら囲まれてしまうといった場面も。ふたつの攻撃のバランスのところはかなり調整が施されているのが伝わってきた。
正直に言えば難度は高めと感じるが、やればやるほど敵の動きや有効な攻撃の理解が高まっていき、難所を突破できたときの爽快感はバツグンと自信を持って言える。
霊夢を手助けしてくれるパートナーたち
『紅魔城レミリア』では霊夢を手助けしてくれる仲間による“パートナーアタック”というシステムも存在。“御札”を使う際にも使用する御霊を使うことで強力なパートナーを召喚できる。
パートナーアタックを使うことで、魔法使いの“霧雨魔理沙”や氷の妖精“チルノ”が、さまざまな場面で特殊な攻撃行動を行ってくれる。
魔理沙なら前方に向かって上下に星型の魔法を展開して敵を攻撃。チルノならば空中から氷晶の花で敵へとアタックを仕掛けて霊夢をサポートする。この特殊な弾幕は威力が高いだけでなく攻撃エフェクトも美しく、色とりどりで個性的な演出は初見時はつい画面を凝視してしまった。
非常に強力な攻撃をしてくれるパートナーたちだが、前述した通り召喚には御霊というコストが発生するので使いどころの見極めが重要。安易に使い過ぎてしまうとパートナーアタックはおろか、御札による攻撃もできなくなってしまう点は注意。
ステージ最奥で待ち受けるボス
各ステージの最後には道中とは比べられないほどの強敵、いわゆるボスが登場する。
ボスには気と武術を扱う“紅美鈴”、時を操る能力を持つ“十六夜咲夜”、人形を操る魔法使いの“アリス・マーガトロイド”、 大図書館に住まう“パチュリー・ノーレッジ”といったキャラクターたちが登場し、特別な演出の弾幕とともにドラマチックなバトルをくり広げる。
そしてラストに満を辞して登場するのは、この作品のタイトルにもその名を冠する……500年の時を生きる吸血鬼“レミリア・スカーレット”。
彼女たちとのバトルは画面全体を覆うほどの弾幕が飛び交い、一瞬の油断も許されない。そのなかで咲き乱れる弾幕は美しいので、ぜひ一度見てほしいところ。
“伊吹萃香”が新たなパートナーに!
リマスター版となる本作では新要素も盛りだくさんとなっている。まず触れておきたいのは、新たな仲間(パートナーアタック)として“伊吹萃香”(声:岡咲美保)が追加された点だろう。オリジナル版ではステージ5のボスとして霊夢の前に立ちはだかっていた萃香が、今回からはボスとして登場するだけでなく、パートナーとしての活躍も見ることができるように。
敵としては彼女の能力である密度を操る力を使って巨大化したり、鬼といえばな剛力で大胆かつトリッキーな戦法を見せた。果たしてパートナーとしては、どのようなサポートを見せてくれるのか期待が高まる。また同時に本作では萃香には、新たに用意された追加シナリオが存在する模様。こちらも要チェックだ。
エクストライージー・モードが搭載
アクションゲームが苦手なプレイヤー向けの要素として、新難易度“エクストライージー・モード”も新たに搭載。敵からのダメージが減ったり、御霊などのアイテムがより多く出現するので、パートナーアタックを駆使してサクサク進めることができるようになった。
ちなみに、これまで搭載されていた中でもっともかんたんな“イージー”でも気を抜けばゲームオーバーになる高難度だったので、さらにかんたんなエクストライージーの搭載によって「このダークな雰囲気やシナリオは気になるけど、アクションが苦手」と思っていた人でも気軽に楽しめるのはうれしいポイントだろう。
そのほかにも、ストーリーを見返したり魅力的なキャラクターイラストやBGMを鑑賞できるギャラリー、かんたんなものから上級者向けまで用意されている実績といった要素が追加されており、やり込みやコレクションする楽しみが増えている。
本作でも、『東方Project』シリーズに通じる重厚でスピード感のあるこだわりのオリジナルBGMは神がかっている。筆者としては作業用に流せるギャラリー追加はかなりうれしいポイントだった。また一度クリアーしてしまえば、ボイス付きのストーリーが何度でも見返せるのもグッド。
描き下ろしパッケージのSwitch限定版も登場!
Nintendo Switch向けに限定版も発売。晩杯あきら氏の魂が込められた描き下ろしイラストが描かれた特製BOX、本作の設定資料にイラスト集などファン必見となるコレクションアイテムがぎっしりと詰め込まれている。ぜひチェックしてみてほしい。
【Nintendo Switch版の特典内容】
- 晩杯あきら描き下ろし特製BOX
- 設定資料+イラスト集(復刻版)(全34ページ)
- オリジナルサウンドトラック(復刻版)(2CD、全27曲収録)
- 晩杯あきら描き下ろし特製アクリルプレート
製品概要
- タイトル:紅魔城レミリア 緋色の交響曲
- プラットフォーム:Nintendo Switch、PC(Steam)
- ジャンル:アクション
- リリース日:2022年7月28日(木)
- 価格:パッケージ版4400円[税込]、Nintendo Switch 限定版7700円[税込]、ダウンロード版2980円[税込]
- プレイ人数:1人
- 対応言語:日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、フランス語
- CEROレーティング:B(12歳以上対象)
- 開発:Frontier Aja、CFK Co., Ltd.
- パブリッシャー:CFK Co., Ltd.