ファミ通.comの編集者&ライターが2022年夏のおすすめゲームを語る連載企画。今回取り扱う作品は、果てしなく遊べるサンドボックスゲーム『Core Keeper』(コアキーパー)です。
【こういう人におすすめ】
- 釣りや栽培などのスローライフを楽しみたい
- ボスを倒して先に進む王道RPGが好き
- 広大な世界を見るとゾクゾクしてくる
カイゼルちくわのおすすめゲーム
『Core Keeper』
- プラットフォーム:PC(Steam)
- 発売日:2022年3月8日
- 開発元:Pugstorm
- 発売元:Fireshine Games
- 価格:1320円[税込]
- 備考:ダウンロード専売、アーリーアクセスとして配信中
Core Keeper - Early Access Launch Trailer
広すぎる地下世界は自由かつ目標も明確
まず説明しておきますと、筆者は戦闘狂です。スローライフがメインであろうゲームであっても、武器を持って戦える要素があるならそちらに傾倒しがちです。
すぐに畑仕事や釣りなんてやってられるかと言い出し、サンドボックスゲームには圧倒的に向いていない筆者。そんな筆者もずぶずぶとのめりこんだ『Core Keeper』最大の魅力は、まず何といっても世界の広大さです。
本作では謎の遺跡“レリック”に触れたことで地下世界に放り出された主人公が、壁や床を掘る、敵を殴って倒すなど、さまざまな方法で資源を手に入れていきます。
その資源でツルハシや剣、果てには巨大な掘削ドリルなど、さまざまな道具を作り出すことで、新たな道を切り開いていき、この世界の謎を解いていくのです。
ゲーム開始時にセーブデータを作ると、そのセーブデータごとにワールドがランダム生成。ここがゲームの舞台となります。石系、カビ系などの多彩な“バイオーム(地域)”に区切られたこの世界は、数時間程度の探索ではまず見回りきれないほどに広大です。
そんな広大な世界に、鉱石や魚などのさまざまな資源と危険なモンスターがびっしりと配置されており、“画面上に何もない”なんてことは一瞬たりとも起こりません。一歩進むごとに冒険と発見がある、広さと濃密さが両立したこの世界そのものが『Core Keeper』の魅力なのです。
さらに、プレイヤーが手を加えることで敵の沸く頻度を調整できるなど、世界を自分好みに作り変えるのも簡単です。ワクワクする冒険と世界を作る箱庭要素の両方が、どちらも存分に楽しめます。
一見するとあまりに広大でお手上げになりそうですが、線路を敷いてトロッコを走らせたり、瞬間移動ができるポータルを設置したりと、便利な移動手段も用意されていて快適です。
「そういうアイテム製作は複雑そう」と思ってしまう、筆者のような人も少なくないでしょうけど、本作でゲーム進行に必須と思われる製作アイテムの数は、そこまで多くありません。むしろ「これを作ればつぎの段階に行けるのか。じゃああれを集めてこよう」と、非常にわかりやすい行動の指針になっています。
この「つぎに進むにはどうすればいいのか」という、目標が明確な点も本作の大きな魅力です。本作では「このボスを倒せ」などと、コアからはっきりした目標が表示されます。
サンドボックスゲームは自由に遊べるのが魅力ですが、自由すぎてつぎに何をすればいいのかわからず、モチベーションが迷子になってしまうことも多いかと思います。“ラスボスを倒すための準備をする”といった大目標があったりもしますが、あまりに遠大でやる気が起きないこともあるでしょう。遠大すぎない、身近で明確な目標があるだけで、モチベーションがかなり持続します。
ボス戦もアイテム探索も充実。RPGとしても最高
先ほど“つぎの目標がはっきりしている”という点に触れました。この形式はRPGの王道ですよね。本作はサンドボックスゲームではありますが、特定のボスを倒して新たなバイオームに向かい、そこで集めた素材でさらに強い装備を作ってそのバイオームのボスを倒して……と、王道RPGのように進行していくゲームでもあります。
これに加えて、MMORPGプレイヤーの収集欲をくすぐる要素も。敵から確率でドロップする武器や防具はかなり強力かつ個性的で、“クリティカル率上昇”や“攻撃時に体力回復”などといったオプション能力付きなのです。召喚アイテムを作えばボスと何度でも再戦できるので、これはもう周回してボスが落とすレア装備を狙うしかないでしょう。
また、“最低限これがないと進めない”ような重要なアイテム自然と手に入る点にも筆者は感心しました。たとえば、本作では空腹になると体力の最大値がどんどん減っていき、移動速度も下がってしまいます。そこで必要なのが食べ物。食べ物は“種”から栽培でき、種は戦闘でコア周辺の敵を倒したり、壁を掘り進んで草木を見つけたりと、さまざまな場面で手に入るようになっています。
冒頭でも触れたとおり、筆者はサンドボックスで畑仕事などをするのが大の苦手。ですが、戦闘をしているだけでも大量の種が手に入り、畑を作る準備ができているとなれば話は別です。さらに本作では、食べ物により移動速度や戦闘ステータスなどに大きなボーナスが入るので、食べ物を作ることは戦闘狂な筆者の目的にもバッチリ合うわけです。
このRPG的な楽しさは、採掘などの非戦闘要素でもしっかり味わえます。たとえば、プレイヤーは装備によって“採掘ダメージ”を得ます。バイオームの壁はこの値が一定以上ないと掘ることができず、さらに値を上げるとより少ない回数の打撃で壁を掘れるようになります。
より高度な素材でツルハシを作るほか、各地で手に入るアクセサリーで採掘ダメージを上げたりすることで、新たな壁も掘れるようになっていく。単につぎのツルハシを作るだけでは終わらない成長要素があるのです。
もちろん、RPGにはつきもののレベルアップ要素もしっかり用意されています。敵を倒したり、壁を掘ったり、釣りをしたりすると、その行為に対応した“スキル”に経験値を得ることができます。
スキルは“採掘”、“ダッシュ”、“近接攻撃”、“活力”、“製作”、“遠距離攻撃”、“ガーデミング”、“釣り”、“調理”の9種類。自分がやりたいことをしていると対応スキルの経験値が自然と溜まり、これが一定値になるとスキルレベルが上がります。このとき手に入るスキルポイントを割り振ることで、主人公をカスタマイズできます。
夏こそ冒険。時間が溶ける感覚をお試しあれ
RPG要素とサンドボックスのランダム生成要素がかみ合うことで、地下世界を冒険する際には本当にワクワクします。未踏の地を進んでいたらいきなり破壊できない壁で作られた迷宮が見つかり、大量に待ち構える敵を突破した先の中心部にあった宝箱から伝説級のアイテムが見つかる……などという、熱い冒険が日常茶飯事なのです。
この果てしない冒険がまだまだ広がっていく可能性が高いという点も見逃せないポイント。十分に広大な世界が提供されているのに、現段階ではまだアーリーアクセスなので。2022年6月のアップデートでは、もともと広大だった世界に水系のバイオーム“沈んだ海”が追加。従来のバイオームの数倍の広さを持っており、とんでもない冒険の宝庫でした。
あまりに広大な地下世界での冒険は、まとまった時間が取れるこの時期にこそピッタリかと思います。採掘していたらいつのまにか日が昇っていた、なんてことは本作では当たりまえのことです。
サンドボックスとしての楽しさはもちろん、筆者のような戦闘マニアかつMMORPG好きにめちゃくちゃ刺さる要素も充実。時間をかけてじっくりプレイしたいタイトルを探している人はお試しあれ。