2022年8月31日から9月18日までの期間、トルコ・イスタンブールにてタクティカルシューター『VALORANT』の国際大会“VALORANT Champions Tour 2022 Champions”(VALORANT Champions 2022)が開催中。

 9月4日のDAY5では、日本代表“ZETA DIVISION”が東南アジア(APAC)代表の“BOOM Esports”に勝利を収めた。

VALORANT Champions 2022 İstanbul - Groups Day5

 TENNN選手の一次的な離脱があり、急遽Xdll選手をスタンドイン(サブ選手)に迎えての挑戦となったZETA DIVISION。9月1日に行われた初戦では、ブラジル代表“LOUD”と対決した。

VALORANT部門 – TENNNの一時休養、及びXdllの移籍加入について

 大会直前に合流したTENNN選手が復帰を果たし、これまでのVCTを戦い抜いたメンバーで戦ったLOUD戦。アセント、フラクチャーともにディフェンダーサイドでは強さをみせ、ブラジルの強豪相手に試合を有利に進める。しかし、アタッカーサイドではLOUDのリテイクに苦しめられ、惜しくも落とすラウンドが続き、善戦するも0-2と敗北。その結果、Bグループのロワーブラケットで“BOOM Esports”と対戦することになった。

 “BOOM Esports”戦の1マップ目はヘイブン。ディフェンダーサイドでスタートしたZETA DIVISIONは8-4で優勢で折り返すも、アタッカーサイドではうまく攻めきれず逆転され、そのまま1マップ目を落としてしまう。

 2マップ目は今大会からマップ選択に加わったパール。このマップでもアタッカーサイドの前半戦は8-4で折り返し、試合の流れを握るもサイドが変わった後半戦では“BOOM Esports”の攻撃になかなか対応できず、9-11と一時は逆転されてしまう。だが、ギリギリのところで持ち直し、最後はLaz選手のACE(相手チーム5人をキル)で、何とか2マップ取り切った。

 そして3マップ目のフラクチャーへ。最初の1~2ラウンド目こそ落とすも、“BOOM Esports”の攻撃をシャットアウト。10ラウンド連続でラウンドを取ると、サイドチェンジ後もその勢いは止まらず、13-2でこの試合をものにした。

 ZETA DIVISIONのつぎの試合は9月8日2時ごろから。初戦の相手“LOUD”と再戦する。

Laz選手インタビュー「使える限りの時間を使って成長して、目の前の1勝を勝ち取っていきたい」

 LOUD戦後にZETA DIVISIONのLaz選手へインタビューを実施。TENNN選手の復帰によるチーム状況や初戦での課題、本大会の意気込みなどを伺った。

Laz選手(らず)

プロゲーミングチーム・ZETA DIVISION VALORANT部門所属。文中では敬称略。

『VALORANT』“VCT Champions”ZETAがBOOM Esportsに勝利、9月8日にLOUDと再戦へ。「TENNNとChampionsに出場できてうれしい!」Laz選手のインタビューもお届け

――まずはLOUD戦を振り返ってみての感想を教えてください。

Laz率直に強かったです。ただアセント、フラクチャーどちらも、そんなに悪くないと思っていて、Xdllにサブ選手としてスタンドインしてもらうといったことがありながらも十分に戦えていたと思います。(つぎの試合まで)時間があるので、これからチームとして強くなると思いますし、つぎの試合が楽しみです。

――TENNN選手の一時的な離脱があったものの、チームとして高いパフォーマンスを発揮しているように感じました。実際にこの短期間でどのように調整しましたか?

Lazいままで行ってきた練習を積むというよりは、できる限り試合数を増やしてTENNNの復帰を優先しました。

――Laz選手から見て試合中のTENNN選手のコンディションはどのように感じました?

Laz今日の試合も含めどんどんコンディションがよくなっていますし、つぎの試合ではもっと強くなっているはずです。

――マップによってはXdll選手を起用してメンバーを変更しながら戦っていくといったことも?

Lazそれについては、正直どうなるのかまだわからなくて……先が見えない状態です。

――LOUD戦では、両マップともアタッカーサイドでかなり苦戦されていましたが、どのようなところに課題があるとお考えですか?

Laz2試合通して相手のリテイクへの対応が課題ですね。アセントから話すと、LOUDがAサイトを明け渡し気味で守っていましたが、サイトに入った後にスキルの攻防戦でこっちのスキルが少なくなってしまったり、ポジション有利や少人数戦を落としたりと、サイトに入った後の連携が課題だったと思います。

 フラクチャーの課題は、Saadhak選手がめちゃめちゃ強くて、ヴァイパーひとりに止められてしまった点ですね。これは試合のなかでも修正できそうでしたが、Saadhak選手のスキルや撃ち合いの強さにやられてしまい、正直あそこまで攻めを止められたことがなかったので驚きました。あとは、リテイクを落としてしまったのがあまりに痛く、あらためてスキルの位置やポジション取りのところを修正する必要があると思っています。

『VALORANT』“VCT Champions”ZETAがBOOM Esportsに勝利、9月8日にLOUDと再戦へ。「TENNNとChampionsに出場できてうれしい!」Laz選手のインタビューもお届け

――これまでの試合と見比べると、エージェント構成をがらりと変えて臨まれていましたね。アセントでは、チェンバーを外してキルジョイ、ジェットを採用していましたがどういった意図がありましたか?

Lazいちばんはメタ的な部分が大きいです。現状だとアセントではKAY/Oが流行りのエージェントで、チェンバーが戦いづらいというなかで無理にピックしなくてもいいだろうと。あとはXdllが入っていろいろな構成を試していったなかでの判断、TENNNの復帰も考慮してこれがベストだろうという結論でした。

――フラクチャーでは、これまでのアストラ、ヴァイパーの2スモーク構成からではなく、ネオンやブリムストーンを採用した構成で挑まれていましたね。

LazXdllのスタンドインで、戦いかた的にうまくいきそうなのはこの構成だろうということで大方決めていて、そこにTENNNが帰ってきて修正し、今回に至るといった感じです。

――このあと3日ほどありますが、どのような調整をしていきますか?

Laz十分に修正できる時間があるので、今回の試合結果を受けてどの部分がよかったのか、どの部分を修正しなければいけないのかを話し合います。

――昨年のLCQを辞退してから新体制として再スタートし、Stage1のMastersでは結果を残して念願のChampions出場ということで、かなり意気込んでいるかと思いますが、本大会での目標を教えてください。

Lazできるだけのことはやりたいですし、Mastersの3位以上に行きたいという気持ちはありますね。あとは、TENNNの一時的な離脱もあり、スタンドインで挑戦することになってから、それまでとは目的も変わりました。いまはTENNNとChampionsに出場できてうれしいという気持ちが大きくて、使える限りの時間を使って成長して、目の前の1勝を勝ち取っていきたいです。

――試合中はみなさんの表情がよく、心から楽しんでプレイされているのが画面越しに伝わりました。最後につぎの試合に向けての意気込みをお願いします。

Laz初戦は負けましたが、まだ立ち直れる状態ですし、つぎは絶対に勝ちたいです! 応援よろしくお願いします。