人気アメコミヒーロー“バットマン”を題材にしたオープンワールドアクションRPG『ゴッサム・ナイツ』が、2022年10月21日(金)に発売。長年にわたってバットマンのサイドキック(相棒)として活動してきたナイトウイング、レッドフード、バットガール、ロビン(3代目)たちの活躍が描かれる。
そんな本作は、バットマン仕込みのバトルや原作の探偵要素、ガジェットを駆使した街での移動など、まさにダークナイト気分を味わえる一作だ。ナイトウイングたちを中心にしたストーリー展開、各キャラの設定を活かしたバトル、そして散りばめられたさまざまな小ネタ。DCコミックスのファンなら興奮必至の作りになっている。
そう、小ネタだ。本作は散りばめられた世界観の演出がいい。たとえば“キャラ同士のメール”。メールはメニュー画面で閲覧でき、ゴッサム市警の敏腕刑事であるレニー・モントーヤやバットファミリーの頼れる技術担当ルーシャス・フォックスなど、おなじみのキャラたちの交流の一端が見られるのだ。
“スーパーマン”や“グリーンアロー”のサイドキックでもあるアーセナル、ヒーローチーム・タイタンズのスターファイアーなど、DCコミックスのヒーローたちとも連絡を取り合っているらしい。
「あのスーパーマンがバットファミリーに連絡してる!」
「タイタンズつながりでスターファイアーからナイトウイングにメッセージが!」
など、DCコミックスファンの筆者は、送り主の正体がわかると思わずニヤリとしてしまった。こういう小ネタを見れば見るほど期待は高まる。
本稿では、『ゴッサム・ナイツ』を実際にプレイして感じた魅力をピックアップして紹介しよう。
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前述したとおり、本作は“バットマン”を題材にしており、バットガール、歴代ロビンといったバットファミリーのお話が中心。なぜバットマンが中心ではないのかというと、それは本作が“バットマンの死”という衝撃の展開からスタートするからだ。
バットケイブ(バットマンの本拠点)で襲撃されてケガを負うバットマン。襲撃したのは暗殺者としても名高い男“ラーズ・アル・グール”だ。
ラーズ・アル・グールは、プロの暗殺者や戦士たちの集団“リーグ・オブ・アサシン”のリーダー。バットマンにも引けを取らない武術家・戦略家で、バットファミリーの宿敵のひとり。魔法の泉“ラザラス・ピット”で何度も死の淵から蘇っており、ジョーカーやデスストロークにも並ぶ、『バットマン』でも人気のヴィランだ。
ゲームを始めるとバットマンとラーズ・アル・グールの対決という、激アツなムービーが流れ、この時点でファンならテンションMAX。いや、ファンでなくともその迫力されるはず。ふたりの優れた武術家によるぶつかり合いからは目が離せなかった。
苦戦しながらも健闘し、どうにか相打ちにもっていったバットマン。残されたバットファミリーは、バットマンの不在を肌で感じ取った犯罪者たちから“ゴッサムシティ”を守りつつ、彼が捜査中だった事件を調べることになる、というのが本作のあらすじだ。
個性豊かなヒーローたちのバトル
プレイヤーは、ナイトウイング、レッドフード、バットガール、ロビンのいずれかを操作して犯罪者たちと戦う。基本的な操作は同じでも、それぞれが使う武器(ガジェット)やスキル、アビリティ、戦いかたはかなり異なっており、それぞれの個性を強く感じられた。プレイヤーによって好みもあると思うので、それぞれの特徴を見ていこう。
ナイトウイング
バットマンの相棒である“ロビン”の初代を務めたヒーロー。格闘用の棒“エクスリマ・スティック”と手首から射出する“ダーツ”を使って戦う。
もともとサーカス団にいたためかアクロバティックなアクションが多く、何かと飛び跳ねる動きが特徴。回避しているときや敵に跳びかかる固有のアビリティ“急襲”を使ったときのサーカスっぽい動きが気持ちよく、彼が跳び跳ねているときがいちばん「ああ、自分はナイトウイングになっているんだな」と実感できる。
基本的な戦闘スタイルは、スティックのコンボによる接近戦だが、これはボタンを連打しているだけで簡単に決まる。敵に近付くスキルや回避スキルも豊富なので、囲まれても何とかなりやすく、継続的に戦いやすいので、アクションゲームに自信がある人にはピッタリのヒーローだろう。
レッドフード
バットモービルのタイヤを盗もうとした際にバットマンに捕まり、その後、2代目ロビンとなった男。ジョーカーに殺された後にラザラス・ピットで復活。ヴィジランテ(自警団)として活動していた時期はレッドフードと呼ばれており、その名をいまも使っている。
戦闘スタイルは、剛腕によるパワースタイルの接近戦と2丁拳銃を駆使した中距離戦。とくに2丁拳銃を使った攻撃はかなり使い勝手がよく、ふつうのザコ敵なら銃だけでも十分に倒せる。
敵に銃を連射する固有アビリティ“バラージ”や近接攻撃しつつリロードする“ツーフィスト・リロード”はめちゃくちゃカッコイイので必見だ。
バットガール
犯罪学とIT技術に長けた戦術家であるバットガール。バットマンおなじみの投擲武器“バットラング”や“トンファー”、不屈の精神が彼女の武器だ。
敵1体に集中攻撃するマンツーマンに特化したスキルやアビリティが多く、自身の体力を増やしたり、敵の攻撃による妨害を防いだり、自己蘇生できたりなど便利なスキルを持っているため、アクションが苦手な人にはかなりオススメだ。
また、監視カメラなどの電子機器をハッキングし無害に出来るスキルも持っており、戦術の幅もかなり広め。地雷や戦闘タレットなど、邪魔をしてくる要素を事前に取り除いておけるのは非常に心強い。
ロビン
3代目ロビンのティム・ドレイクは、自身の調査とその明瞭な頭脳でバットマンの正体を探り当てた優秀な探偵でもある。使用武器は歴代のロビンと同じ“スタッフ”(要するに棒)。
音を立てずに走ったり、特殊なステルス攻撃ができたりなど、敵に気づかれにくくステルスに特化したスキルが多い。
本作では、正面突破で敵をなぎ倒せるが、ステルスで敵を減らすことで、有利に立ち回れることも多い。そんなとき、ロビンなら大活躍すること間違いなしだろう。
気分に合わせてヒーローを変更するもよし、逆にひとりのヒーローを極めるのもよし。自分に合った戦闘スタイルを持つヒーローを見つけて楽しもう。
移動が楽しいゴッサムの街並み
オープンワールドとなった“ゴッサムシティ”を自由に移動できるのは本作の大きな魅力だ。バットマンおなじみのグラップルを使って空中やビルの上を跳び回ったり、“バットサイクル”(バットファミリーのバイク)で街を駆け抜けたりと、移動するだけでヒーロー気分を味わえる
また、本作のゴッサムシティには、スターラボやブラックゲート刑務所、アーカムアサイラムなど原作に登場する場所や建物も。「コミックスや映画で見る場所にいまいるじゃん!」という風に、ファンなら思わずテンションもアガること請け合いなので、ときには時間をかけて街を散歩するのもいいだろう。
証拠を見定め真実を明らかに
原作の『バットマン』は、単なるヒーローものとしてだけでなく、ディテクティブコミックス(いわゆる探偵もの)の要素も兼ね備えた作品。『ゴッサム・ナイツ』では、殺人事件の証拠品を検分したり、隠されたエリアやアイテムを探したりなど、原作の探偵要素も表現されている。
見つけた証拠品は、ヒーローたちが解析し、事件解決に役立つか否かの判断もしてくれる。このシステムのおかげで迷宮入りとは無縁だ。名探偵気分である(優秀なのはほかのヒーローたちなのだけど)。
また、証拠品のなかには、見ただけではわからない隠された情報をもつものもある。バットファミリーの最新ガジェットによるスキャンで初めて証拠品の真実が明らかになる場合もあるので、怪しいと思ったらとりあえずスキャンをかけてみるのもいいだろう。
なお、どうしても事件解決できないときは、ヒントも見られるので安心してほしい。
ヒーローとしてオープンワールドのゴッサムシティを駆け抜け、事件を捜査し、犯罪者たちから街を守る。“バットマン”好きにはたまらない一作となっている。華麗でアクロバットな戦闘やガジェット、スキルを駆使したステルスなど、バットマン関係なくアクションゲームとしても非常にオススメなので、ぜひプレイしてみてほしい。
作品概要
- タイトル名:『ゴッサム・ナイツ』
- プラットフォーム:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)
- 発売元:WB Games
- ジャンル:アクションRPG
- 価格
- PS5、Xbox Series X|S:スタンダード・エディション/8580円[税込]、デラックス・エディション/10978円[税込]
- Steam、Epic Games Store:スタンダード・エディション/7480円[税込]、デラックス・エディション/9878円[税込]
- CERO:18才以上のみ対象