2022年12月2日、任天堂はNintendo Switch用ソフト『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』をリリースした。本作は、マリオとちょっとおかしなラビッツが宇宙を冒険しながら、ターン制のバトルで敵と戦うシミュレーションアドベンチャーの最新作。

 マリオとラビッツたちが冒険をくり広げる舞台は、悪の生命体クルサの影響を受けて明るさを失ってしまった、四季折々の惑星。クルサの目的は、スパークスを捕まえてそのエネルギーを奪うこと。マリオとラビッツたちはスパークスを助け出し、宇宙に平和を取り戻すために、宇宙船スペースウォッシャー号に乗り込み、さまざまな惑星を巡る冒険に出る。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!

 マリオとラビッツたちがくり広げるストーリーと、戦略性に富んだバトルが楽しめる本作のプレイレビューをお届け。ストーリーのネタバレなしで紹介するので、安心して読み進めてほしい。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』(ダウンロード版)の購入はこちら (Amazon.co.jp)

マリオとラビッツたちの本格的な戦略バトルが再び!

 うちの息子は、マリオたちが活躍するゲームが大好き。『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』にも興味津々なのだが、本格的なシミュレーションアドベンチャーである本作は、小学4年生の息子には少し早いんじゃないかと考えていた。

 本作はバトルが始まると、味方と敵がお互いのターンをくり返しながら戦いが進行。“敵の全滅”や“目的地までの移動”など、お題を達成すればクリアーできるが、設定されるお題はバトルによってさまざま。ステージを攻略するには、お題にあったメンバーの選出が重要になる。たとえば“敵の全滅”がお題のバトルは、クッパやラビッツマリオ、エッジといった攻撃力の高いヒーローでガンガン攻撃するのが有効だ。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!

 ベストだと思うメンバーを選んでも油断は禁物。バトルでは、最適な移動と攻撃が求められる。移動では、ヒーローが移動可能な範囲の中で、マス目のないステージを自由に動き回れる。さらに、移動中は“スライディング”や“ボムへい投げ”で敵を攻撃できるほか、多彩なアイテムを使うことも可能。ブキでの攻撃が終わるまで、いろいろ行動できるのだ。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!
敵のボムへいはスライディングして倒すと着火し、時間内に投げるとダメージを与えられる。爆発の範囲が広いので、集まった敵を一網打尽にできるほか、ボムへいを巻き込んで連鎖爆発を起こすのも楽しい。

 また、敵の位置を見定めて、攻撃にピッタリな場所を見つけたらブキの出番。ヒーローたちは、装備したブキで異なる攻撃がくり出せる。ブキのほかにスペシャルスキルやスパークスなど、特別なアクションも使用可能。前者はカウンターやバリアなど、ヒーロー独自のスキル。後者は仲間になったスパークスの能力で、いずれも非常に強力だ。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!
ピーチのスペシャルスキル“チームプロテクト”は、バリアを作って範囲内の味方全員を守れる。
『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!
スパークスの多彩なアクションを使ってダメージを与えることもできる。

 そして味方の3人が攻撃を終えると、敵チームのターンに。敵もヒーローたちと同じように移動や攻撃を行ってくるので、ダメージを受けづらい物陰に隠れて攻撃し、味方のターンを終了したほうが安全だ。敵が攻撃を終えると、再び味方チームのターンになり、移動と攻撃を交互にくり返しながらバトルが進行していく。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!
物陰に隠れていないと敵のターンで無防備になり、大ダメージを受けやすい。

かゆいところまで手の届いた難易度設定がうれしい

 このようにシミュレーションゲームとして本格的な作りなのだが、本作を実際にプレイしてみると子どもでも楽しめることがわかった。というのも、本作は難易度の設定がかゆいところまで手の届いた作りになっており、シミュレーションゲームに不慣れな子どもはもちろん、大人の熟練プレイヤーも歯応えのあるバトルが堪能できるようになっているから。

 選べる難易度は、のんびりストーリーを楽しむのにピッタリな“カンタン”、敵がほどよい強さになる“ふつう”、敵の攻撃と防御がぐんと強くなる“超キケン!”の3つ。そのうえ、ゲームの難易度を自分好みに設定できる“カスタム”や、“ムテキ”の項目も用意されている充実ぶり。

 “ムテキ”をオンにすると、ヒーローが敵からダメージを受けなくなるので、子どもでも最後までストーリーを楽しめるというわけだ。ここまで至れり尽くせりだと、シミュレーションゲームの入門タイトルとしてもオススメできる。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!

ステージのお題に合わせてベストなメンバーを考える楽しみ

 マリオやラビッツたち9人のヒーローや仲間になるスパークスたちが、個性豊かで特徴がそれぞれ異なるのもプレイしていて楽しい。先述した通り、ステージのお題に合わせて、ベストな編成を考えられるのもシミュレーションゲームの醍醐味。

 筆者がお世話になったのは、オールラウンダーのマリオに回復役のラビッツピーチと、攻撃が得意なエッジを編成した組み合わせ。前線でガンガン戦うマリオとエッジはダメージを受けやすいものの、回復できるラビッツピーチのおかげで戦況を立て直しやすい。

 彼女にピンチを何度救われたことか。弾道が山なりに飛ぶブキは、物陰に隠れた敵にも攻撃を当てやすく、攻守にわたって大活躍。本作をプレイして筆者はラビッツピーチの虜になりました(笑)。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!

 虜と言えば、ヒーローとスパークスの相性を考慮して、ベストマッチを考えるのも夢中に。ヒーローは、スパークスを2体連れていけるので、組み合わせられるパターンは非常に多い。スパークスたちが使えるアクションはバラエティー豊か。炎の隕石を降らせたり、突風の衝撃波を放ったりできるほか、回復や支援タイプのアクションも存在するのだ。

 支援タイプとヒーローの相性を考えると、接近戦に強いラビッツマリオと敵を周囲に集めるスパークスや、遠距離攻撃が得意なルイージに周囲の敵を追い払うスパークスの組み合わせなど、いろいろなパターンが考えられる。仲間のスパークスが増えれば増えるほど、組み合わせの幅が広がるのもうれしい。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!

バトルだけではない! ナゾが満載のフィールド探索も堪能

 また、さまざまなナゾやサブクエストが用意されたフィールド探索も熱中した。マリオとラビッツたちが冒険をくり広げる銀河には、複数の惑星が存在する。各惑星を探索してメインクエストを進めていくと、つぎの惑星を訪れて冒険できるようになる。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!

 探索できるのは、春の惑星テラ・フローラや夏の惑星トモシビビーチ、秋の惑星ガザーイ百景、冬の惑星ゴーセツ峠と多種多彩。本来は四季折々の自然を楽しめたが、テラ・フローラは深刻な水不足によって植物が枯れるといった深刻な問題が起きている。これらの問題を解決して、美しい風景を取り戻すのも旅の目的というわけだ。

 マリオとラビッツたちの行く手を遮るのは、クルサの配下だけではない。フィールドのいたるところに仕掛けられたナゾも一行の行く手を阻む。これらのナゾは、周囲に隠されたヒントを見つけたり、救出したスパークスの助力を得たりすることで解ける。こうしたナゾ解きも冒険を進めるときのスパイスに。

『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』プレイレビュー。子どもから大人まで楽しめる本格シミュレーションアドベンチャー!

ナゾ解きの難易度も絶妙で、すぐに解けるわけでもなく、かといって解けないわけではない、ちょうどいい塩梅だと感じた。ナゾ解きの難易度の面でも、子どもから大人まで楽しめるバランスになっており、親子で相談しながら遊ぶのにもピッタリの作品だ。この冬は、家族でじっくり『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』をプレイしてみませんか?