TRPGをベースにした独自システムを搭載
2002年(平成14年)12月19日は、プレイステーション2用ソフト『アンリミテッド:サガ』が発売された日。今年で20周年の節目を迎えました。
プレイステーション2初の『サガ』シリーズとなった本作。製作総指揮の河津秋敏さんは、当初は本作が携帯ゲーム機に向けて企画されていたことを明かしています。
アンリミテッド・サガはもともと某社が開発していた携帯ゲーム機に向けて企画していたゲームでした。そのハードが中止になってしまったので、衣替えしてPS2向けのゲームになった次第。それで、まるでスマホのゲームのようなダンジョン操作&表示になったわけです。
— 河津秋敏 (@SaGa30kawazu)
2014-01-29 12:11:10
神が現れてふたたび黄金時代が訪れるという伝説を信じる者たちの冒険を描いた物語は、7人の主人公からひとりを選んで進めていきます。主人公は、元海賊の未亡人であるローラや行方不明になった兄を捜すヴェントなど魅力的な人物ばかり。選んだキャラクターによって難易度が大きく変わるため、主人公選びはとても重要でした。自分は占い師のルビィが気に入ったので彼女を選びましたが、難しくて途中で挫折。主人公を選び直した経験があります(笑)。
仲間キャラクターも個性的で、中でもイスカンダールという人物はチート級の能力を持っており、インパクト大。何しろ別次元に移動することができ、しかも別次元では不老不死で完全無敵になります。「もう全部あいつひとりでいいんじゃ……」を地でいく人物で、後年にリリースされた『インペリアル サガ エクリプス』などでも重要な立ち回りをします。まぁ、めちゃくちゃ便利な能力ですからね……。
独創的な作品が多い『サガ』シリーズの中でも、本作はとくに特殊なシステムを取り入れた作品なので、序盤はとまどったユーザーも多いのではないでしょうか。TRPGやボードゲームのような作りになっており、フィールドではターンを使ってマップの区間をひとつずつ移動したり周囲を探索するというのも特徴的ですが、それに輪をかけて本作を際立たせたシステムが“リール”と呼ばれるルーレット状のもの。あらゆる行動がこのリールの判定によって決まるため、思うように進まず、歯がゆい思いをすることも多かったです。
また、戦闘も特殊。ターンごとに5回分の行動を選択することができるのですが、その配分はプレイヤーの自由なのでひとりずつ行動させたり、同じキャラクターに5回行動させることができました。さらに戦闘にもリールが存在し、リールが止まった場所の技や術が発動するので狙った攻撃ができずに苦労することも……。リールに慣れるまではせっかく覚えた強い技がぜんぜん使えないなんてこともありました。
本作は説明書が不十分だったことやインターネットがいまに比べて普及していないこともあり、ユーザーからの評価は芳しくありませんでした。しかし、攻略本の『アンリミテッド・サガ 解体真書』の発売をきっかけに、その評価は大きく変わっていきます。ゲームの進めかたやバトルの戦いかたについてわかりやすく書かれたこの本のおかげで、多くのユーザーが楽しめるようになったばかりか、ゲームの奥深さが伝わり、ハマッていく人も増えていきました。
移植などもされていないので、本作は実機でプレイするしかありませんが、ぜひプレイしてみてもらいたいです。当時、クリアーできずに諦めた人も、20周年の機会に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか?