『牧場物語』シリーズの最新作であり、2003年に発売されたタイトルのリメイク作となるマーベラスのNintendo Switch用ソフト『牧場物語 Welcome!ワンダフルライフ』。そんな本作を、2023年1月26日(木)の発売に先駆け、ひと足早くプレイさせてもらえることになった。
『牧場物語』といえば、畑仕事や酪農といった牧場での仕事に加え、個性豊かなキャラクターたちとのコミュニケーションなど、のんびりした田舎でのスローライフを楽しめる点が魅力的なタイトル。
牧場初心者の筆者が実際遊んでみるとやめ時が分からなくなるほどさまざまな体験ができた。そこで本記事では、牧場初心者ならではの失敗や、牧場生活を通してこんな楽しみ方を発見できたというリポートをお届けする。
Switch『牧場物語 Welcome!ワンダフルライフ』(Amazon.co.jp)畑仕事と酪農はバランスよくこなすべし
キャラクターメイキングを終え、いよいよ“わすれ谷”での生活がスタート。登場人物も世界観もほのぼのとしたあたたかい雰囲気で、まずは初心者向けのお手軽なところから農業体験を楽しもうと思いきや、序盤からいきなり“農業の厳しさ”を痛感することに……。
順を追って説明すると、最初に農地と乳牛を1頭、そしてわずかばかりの資金を手配してもらえるので、まずはそれで苗と肥料を購入。作物を育てるところから牧場生活が始まる。
そうして畑仕事がひと段落すると、つぎは乳牛からミルクを搾り、それを売って資金を稼ぐことになる。当面はこのローテーションで、毎日コツコツとお金を貯めていき、作物が実ったらそれを収穫。一気に売り払って大金を稼ぎ、そちらを元手に施設の拡充や農地開拓に乗り出していく……という算段だったのだが、牛の餌代を確保することを忘れていたため、いきなり大ピンチに(汗)。
餌がないため、元気を失っていくわが農場の乳牛たちはとうとう出荷可能な品質のミルクを生産することができなくなってしまった。しかも作物が実るまで、まだ数日はかかるので、開始早々、収益はゼロ。
開始2日で仕事を失った私は片っ端から人々に話しかけたり、となり町にふらっと出かけたりして、働かずにぼんやりと過ごす日々に。しかしこれはこれで、人生なのかもしれない。
そうして数日が経ち、ようやく作物が実ると、これを残さずに収穫。売却することで収益を得て、新たな苗や牛の餌を購入することができた。
ちなみに集落の中心にある掲示板には、住民たちからの依頼(おつかい)が貼り出されていて、要求を叶えると報酬がもらえる仕組みになっている。収穫物をひとつ譲ると、べつの作物の苗を5つもらえるなどのお得な物々交換になっているので、プレイ時にはこちらもコツコツこなして、少しずつ物資を増やしていくのが賢いやりかただ。
なお本作には、パーロット、ペッパー、アンバー、インディゴという4つの季節があり、10日経過で季節がひとつずつ進んでいく仕様になっている。パーロットの期間にしか育たない野菜や、ペッパーの期間に花が咲けばアンバーの期間に果実が収穫できるなど、作物はそれぞれ特性が異なる。なので緻密な計画を立て、たくさんの収穫物を得るプレイスタイルが好きな私にとっては、それらもしっかりと把握して、効率的に収穫していくのが性に合っていそうだ。
「できること」を発見していくのが楽しい!
こうして畑仕事のコツはつかめたものの、家畜の飼育に関してはまた別の難しさがある。乳牛に餌を食べさせたり、汚れた身体もブラシでしっかり磨いてみたりするのだが、いちど低下した健康値はなかなか回復せず、いつまで経っても出荷不可能なミルクしか搾れない状況が続く。
そこで、ひとまず牛を愛情を込めてお世話をし、元気な状態に戻すことを最優先にして、新しく迎え入れたニワトリもたくさんお世話をしてガンガン卵を産んでもらう作戦に変更してみることに。するとこれがうまく行き、ほとんど経費をかけずに定期的に卵を回収。それを売って小遣いを稼げるようになった。
また、牧場以外のエリアでも、川や海で魚を釣ったり、発掘作業を手伝って鉱石を手に入れたり、周辺の草むらでキノコや山菜を採集したりと、物資や食材を集める方法は意外と多く、定期的に“わすれ谷”にやってくる行商人に売れば、そこそこの稼ぎになる。
こうして小銭を貯めつつ、季節ごとに大量の収穫物を売ることで貯蓄を増やし、それを元手に施設を拡充。農地もさらに拡大し、より多くの収益を得られるようにしていくことも、たくさんある本作の楽しみかたのひとつと言えるだろう。
とはいえ、ゲームの中でまでお金稼ぎに奔走し、スローライフを満喫できないのは味気ない。もっと人々とのコミュニケーションを大切にしようと、集落中を駆けまわり、他愛もない会話を楽しむことに。
今作は、住民との会話がかなり充実していることが大きなポイントらしい。たしかにアイテムによって住民たちの反応が細かく変わったりして、ひとりひとりの性格や人物背景を描写しているのが魅力的だった。この町の住民には彼らの生活があるんだなとしみじみ感じられた。
ほかの楽しみも見つけたいので、今度は農作物の生長を最優先とするプレイスタイルに変更。朝起きて作物に水をやり、家畜に餌を与えたら、すぐベッドに戻って就寝。このくり返しで一気に野菜や果実を生長させて、なんとか2度目の収穫期を迎えることができた。
それに併せて、乳牛の健康値も回復し、ようやく出荷可能な品質のミルクを生産できるようになったのもうれしいところ。こうして何とか、牧場を切り盛りしていける兆しが見えたところで、今回のプレイは終了となった。
初心者の序盤レビューとなってしまったが、こうして経験を重ねることで一人前の牧場主となり、そこから結婚、出産、子育てといった“家族の物語”を体験できるということなので、まだまだこの先もプレイしてみたいなと感じさせてくれた。
しかし、このプレイ期間でも農場の倒産危機による放浪生活、緻密な収穫計画をたてる実利的な生活、そして町の人々と触れ合いその暮らしに触れる生活というさまざまな遊び方を発見できた。そして、このワンダフルタウンでの暮らしの仕方はプレイヤーの数だけ存在するのだろう。
こちらの記事で、少しでも『牧場物語 Welcome!ワンダフルライフ』が気になる方がいらっしゃるなら、ぜひ本作を購入して、自身の目と手で人々とのコミュニケーションや、ゆったりとした田舎を舞台に、あなたの新しい人生を満喫していただきたい。