GRAVITY GAME ARISE(グラビティゲームアライズ)が手掛けるNintendo Switch、プレイステーション5、PC(Steam)、スマートフォン向け最新作『神箱 KAMiBAKO - Mythology of Cube -』(以下、『神箱』)。マップクラフト、パズル、バトルなど、さまざまなゲームジャンルのいいところがミックスされたJRPGで、まったく新しいゲーム体験をもたらしてくれる作品だ。

『神箱』マップクラフト、パズル、バトルが組み合わさった超骨太なJRPG。その魅力を開発者インタビューとともにお届け
『神箱』マップクラフト、パズル、バトルが組み合わさった超骨太なJRPG。その魅力を開発者インタビューとともにお届け

 本記事では、『神箱』のストーリー、やり応えのあるゲームシステムを紹介していくとともに、プロデューサーの神崎喜多氏と世界観の制作に携わっている菊池たけし氏のインタビューをお届けする。

※この記事はグラビティゲームアライズの提供でお送りします。

神箱(KAMiBAKO - Mythology of Cube -)ゲーム紹介ムービー Vol.2

『神箱 KAMiBAKO - Mythology of Cube -』Steamページ

“修復者”として分断した世界を修復せよ!

 物語の舞台は天界に女神、地上に人間、そして深淵(アビス)に悪魔が住む世界。女神が悪魔を倒したことで、この世界が生まれたという。地上で暮らす人間は5つの国に分かれ、それぞれ繁栄していた。

 あるとき、土地に大きな立方体の穴が開く現象“分断化”が、地上のあちこちで起こる“大分断”が発生。各国は孤立し、往来することが困難になってしまう。さらに、穴の中は深淵につながっており、そこから出現するモンスターによって、世界は混乱に陥った。

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 女神は、地上から分断化した土地を修復する力を持つ“修復者”を選出。各地方に派遣して、この事態を収束させようと試みる。そんな修復者として選ばれたひとりが、主人公=プレイヤーだ。主人公は仲間たちと共に、世界を救うために駆け回ることになる。

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 ここまでのあらすじを読んでもらえればわかる通り、本作は草原や山といった広大な土地を舞台に、剣と魔法でモンスターと戦う、ファンタジー感の強い世界観となっている。分断化や女神・悪魔の存在、5つの国ごとの特色の違いなど、細かな部分の設定が作りこまれているため、やりこむほどにこの世界にはまっていくことは間違いないだろう。

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物語を彩るキャラクターたち

東の大陸“アナドゥール”のキャラクター

ロイス・ルンドストロム
職業:農民

 アナドゥール八大部族のひとつ、鍬の民部族長の息子。温厚な性格で面倒見が良く、争いごとが嫌いだが命や作物などが粗末に扱われるのは許せない。

 断片化によって、離れた兄弟の行方を捜している。また、断片化の影響により作物の収穫量が下がっておりこのままでは世界的な食料危機が発生することを危惧している。

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エステラ・レーヴェンアドレール
職業:精霊使い

 人間とエルフの混血であるハーフエルフ。美しい外見だが俗世離れした生活をしていたため、世間知らずな天然。精神的に幼さもあり、最近多くの人に騙されて人間不信気味になっている。

 断片化の影響を受けて不安定になっている精霊の国のため、その原因の調査と解決をティタニアから命じられている。

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西の大陸“クルスト”のキャラクター

フーシェ・C(クルスト)・ベンサム
職業:学者

 旧クルスト王朝の末裔で、幼少期から英才教育を受けている少年。はるか昔に滅んだ旧クルスト王朝の復活は考えておらず、よりクルストが安寧の地となるように動いている。

 断片化の影響でクルストの流通がとまっており、それらの解決をするように議会から命令を受ける。

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エリザ・R(ローズ)・スタンリー
職業:銃士(賞金稼ぎ)

 「闘う意志がある者を差別なく戦士にする」と言う言葉をガンスミスからもらい銃士となる。自分の中の“正義”を強く持ち、捻じ曲げられた理念や意思を押し付けられるのを嫌う。

 断片化の影響で行方不明になった思い人を探して旅をしている。

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南の大陸“アイゼンライヒ”のキャラクター

クラリッサ・シュタール
職業:機械技師

 鍛冶屋であった父の影響で鍛冶や機械いじりを始め、才能を開花させた少女。勝気で機械いじりには絶対的な自信を持っているが、まだまだ詰めが甘い。

 断片化後、深刻な水不足に見舞われたアイゼンライヒを救う方法を探している。

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クラマ・シュバルツ
職業:暗殺者

 幼少期に両親をなくし、妹と貧民街で暮らしていたが、妹とも死に別れることになってしまう。妹を殺された復讐としてアサシンとなり、世の中すべてを冷めた目で見ていた。

 断片化がきっかけで、暗殺ではなく人を助けるようになる。その中でアイゼンライヒの平和を願うようになり、行動するようになる。

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中央の大陸“ザンクトリウアム”のキャラクター

アルク・エラティス
職業:聖騎士見習い

 聖堂騎士団の団長に憧れている聖堂騎士見習い。故郷から離れたことがなく世間知らずだが、心優しくすべての人を助けたいと思っている。

 修復者の警護の命令を受けて行動している。

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ナス・リュミエール
職業:神官見習い

 司祭の父を持ち、兄は十二聖に所属しているエリートの家系。まだ神官としての素質が芽生えていないが、好奇心旺盛で天真爛漫な少女で、いろいろな物ごとに首を突っ込んで行く。

 修復者同行の命令を受けて行動している。

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北の大陸“ノーアトゥーン”のキャラクター

スティール・エリクール
職業:ソードマン

 巨人戦争で殉職した騎士の父を持つ青年。真面目な性格の持ち主で、父に憧れ訓練に明け暮れているが、納得できる実力を身に付けることができずにいる。

 断片化が発生しノーアトゥーン治安が悪化。市民を守るべく活動している。

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アルライア・リルメイア

職業:司書官

 最年少でノーアトゥーンの司書官に抜擢されるほど、幼少期から成績が優秀。さらなる知識を得るため、大陸の知識が詰まった蔵書都市ミーミルの大図書館で司書官に就いている。
 
 断片化の原因を調査するための任務を受けている。

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進む先に道ができる!マップクラフト要素

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 この世界に降り立ったら、さっそく冒険の旅に出発。土地がマスによって分かれており、人間が住んでいる建物、モンスターが跋扈する森などが配置されている。

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 未到達のマスは地図のように描かれている。マスに到達することで建物などの情報が開示されるという、視覚的にユニークなシステムが特徴だ。実際に行ってみて、初めてどんな場所か判明するのは斬新でおもしろく、まるでボードゲームをプレイしているような気分になるだろう。

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旅をしているとお腹が減るのは、どの世界でも同じ。時間経過によって空腹ゲージが減っていくため、食料を準備しておく必要がある。

 街のあるマスで体力の回復やアイテムを購入したり、キャンプを行うなど、それぞれのマスの特徴ごとに実行できる内容が変わってくる。さらに、街を建設することも可能で、ほかの街と物品を流通させて取り扱うアイテムを増やすなど、街づくりも楽しむことが可能だ。

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キャンプでアイテムをクラフトしたり、共に旅する仲間と会話ができる。RPGではキャンプする描写が筆者は一番好き。

パズルをクリアして分断化された土地を修復!

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 分断化された土地にたどり着いたら、修復者である主人公の腕の見せ所。ひとつのピースを動かして、ふたつ以上同じ色を並べてピースを消す“2マッチパズル”で、分断化された土地を修復しよう。特定の数のピースを消せば土地が修復され、アイテムも獲得できる。

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 パズルには時間制限が設けられているため、一度に多くのピースを巻き込んで消し、時間短縮を図ろう。また、パズル中は“ピースを十字にまとめて消す”といった特定の条件を満たすと、装備している召喚獣の効果が発動。周囲のピースを一気に消すといった、強力な能力を発揮してくれる。条件や効果は召喚獣ごとに異なり、好きなものをセットすることが可能なようだ。

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仲間と力を合わせてバトルに挑め!

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 旅の途中、モンスターに遭遇したらバトルがスタート。実は修復者は、敵と戦うだけの戦闘力を持ち合わせていないため、ともに冒険する仲間を頼ることになる。

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 バトルはターン制で、基本的に仲間が自動で攻撃してくれる。プレイヤーができることは“マナを仲間に与えること”だ。ターンが経過するごとに特定のマナが一定数溜まっていき、それを仲間に振り分ければ、特別なスキルを発動。大ダメージを与えたり、特殊な属性を持った攻撃を繰り出せる。

『神箱』マップクラフト、パズル、バトルが組み合わさった超骨太なJRPG。その魅力を開発者インタビューとともにお届け
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 獲得できるマナは土地の種類によって異なるほか、属性を持つ攻撃が土地に作用することも。たとえば、火属性による攻撃が繰り出されると周囲の草原が燃え、火属性のマナが溜まりやすくなる。

 また仲間のキャラクターは、装備をカスタマイズして能力を向上させられる。仲間が増えていけば編成できるパーティも変わるようなので、自分の好きな仲間と共にバトルに挑もう。

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神崎喜多氏&菊池たけし氏インタビュー!ストーリーやシステムなど気になる点を直撃

 
 本作のプロデューサーである神崎喜多氏と、世界観の制作に携わる菊池たけし氏へのメールインタビューを実施。本作のコンセプトや多彩な体験ができるゲームシステム、作りこまれた世界観など、気になる点を聞いてみた。

神崎喜多氏(かんざきよしかず)

グラビティゲームアライズ株式会社『神箱 KAMiBAKO - Mythology of Cube -』プロデューサー。現在運用中のNBA公式本格バスケットボールシミュレーションゲーム『NBA RISE TO STARDOM』なども手掛ける。文中は神崎。

菊池たけし氏(きくちたけし)

ゲームデザイナー・ライター。テーブルトークRPGや読者参加ゲーム等での活躍を経て、昨今はアニメやゲームのシナリオ及び世界設定も手掛けている。代表作は『ナイトウィザード』、『アリアンロッドRPG』など。文中は菊池。

――特徴的な『神箱(KAMiBAKO -Mythology of Cube-)』というタイトルには、どのような意味が込められているのでしょうか。

神崎今回の舞台となる世界全体を“匣”に見立てております。この“匣”の意味が伝わりにくいので“箱”としております。この世界は、神に作られた世界=匣(箱)という意味と神が宿る匣であり、“神廻る匣(かみめぐる=輪廻転生している世界)”を“カミバコ”としてタイトル付けをしております。

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――パズルやRPG、マップクラフトなど、さまざまな要素によって構成されている本作ですが、まずどのようなコンセプトから始まったのでしょうか。

神崎このプロジェクトが始まった時点で、「“立方体”を使った遊びを作ることができないか」、そして「それらの遊びをRPGとして作ることができないか」というのが会社からのオーダーでした。そこから構想を練っていき、その結果パズル・バトル・マップクラフトという3要素で遊ぶワールドクラフトRPGとなりました。

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――マス目状のマップを進めていくごとに、山や街、森といった土地が開示され、さらに街作りもできるというシステムがユニークですが、これはどのように生まれたのでしょうか。

神崎JRPGとして、テーマとなっている「立方体」に意味を持たせるようにしました。そこから世界の成り立ちの基礎を考えて、菊池先生に肉付けと考察を依頼し世界設定におこしてもらいました。

 その世界設定(ルールブック)の上で必要になる機能として土地(マス目)でクラフトしていく仕組みが生まれました。ただし、いまの形まで作ってもらえたのはゲームディレクターである今井さんのお力ですね。いい形でゲーム内に反映してくださいました。

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ソフィール大陸。5大陸中、今回は北の大陸ノーアトゥーンが舞台となる。

――バトルは、コマンド選択ではなくリソースを消費して技を発動し、キャラクターの編成やカスタマイズによって戦術を広げる形になっていると存じます。このような形になった経緯をお教えいただけますでしょうか。

神崎バトルシステムについては、世界設定が影響しております。

 修復者(プレイヤー)の設定と世界設定を作ったため、定どうしても特殊な形式にせざるを得なかったんです。しかし、このバトル方式は何度も作り直しをしました。最後は今井さんの力できれいに落としていただけました。

 システムとしては、テンポ感と直感性を重視しているのがポイントです。『神箱』はパズル・バトル・マップクラフトの3つの要素を含んでいるため「めんどくさい」と思ってしまうような要素をできるだけ省くようにしました。それだけでは飽きてしまう点もあるので、終盤には“マナリソースの配分”つまり持ち込みやスキルなどで、より戦略性の高い独自のバトルができるようになっております。

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――仲間にできるキャラクターは何人ほどいるのか、またそれぞれどのような個性を持っているのかをお聞かせください。

神崎仲間として同行できるキャラクターは全部で10キャラクターになります。キャラクターの説明の前に、少しだけ神箱の世界を説明させてください。

 神箱の世界は突如断片化という、“立方体型に世界が崩れる”という現象が発生します。そのせいで、つながっていた大陸が5つに分かれてしまい、その“バラバラになった世界を修復する”ことがプレイヤー(修復者)の目的となります。

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分断後のゾフィール大陸

神崎また、同行できるキャラクターは、それぞれの故郷で問題や任務を抱えております。しかし、断片化を修復できるのは修復者のみです。そのため、断片化を直す方法を見つけるために集ってきました。とは言え、修復者は万能な存在というわけではなく、仲間の助けを借りながら世界を修復していくといった物語になっております。

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――新映像ではカッコいい騎士のキャラクターが登場していました。このキャラクターは物語で重要になってくるのでしょうか。そのほか名前や立ち位置などお答えできることがあれば教えてください。

神崎カッコいい騎士=スティールというキャラクターで、今回の主人公になります。修復者(プレイヤー)は、スティールと共に行動して、さまざまな問題を解決しながら物語を進めていくことになります。ちなみに、ムービーパートのイメージがPVと同等のアニメーションになる予定です。

『神箱 KAMiBAKO - Mythology of Cube -』新アニメーションPV

――土地を修復したり資源を獲得する際にはパズルをプレイすることになりますが、そのポイントをお教えいただけますと幸いです。

神崎このゲームの基本進行は土地を修復して先に進むことが目的になっております。しかし、無限に行動できるわけではなく、先に進むために村や町などをつくり行動に必要な食料や物資を確保しながら進まなければなりません。それらの為の修復パズルや採取パズルになっているとお考えください。

 そのため、修復後の資源獲得については、今いる場所と何をつくりたいかどこにいきたいかなどの状況に左右されると思いますので、目的を確定させた上で資源獲得を行うことをおすすめしたいと思っております。

 パズルの種類によりますが、ゲーム難易度は簡単です。何度もチャレンジしていただければ必ずクリアーできる難易度設定になっております。それでも難しい場合は、アプリオリ(精霊)の能力をうまく使っていただければ攻略はより楽になると思っております。

『神箱』マップクラフト、パズル、バトルが組み合わさった超骨太なJRPG。その魅力を開発者インタビューとともにお届け

――クラフトをメインにしたり、キャラクターをひたすら強化したりなど、多彩な遊び方ができる本作ですが、おすすめの遊び方を教えてください。

神崎今回のメインのお話は、北の大陸ノーアトゥーンの騎士スティールのお話です。執筆はなめこ印先生にお願いしました。素晴らしいシナリオに仕上がっておりますので冒険を進めながら物語を楽しんでいだければと思っております。

 神箱の冒険といえば、広大なマップを一つずつ開示していきます。その進んでいく先で、ダンジョンを発見したり、未開の土地などを発見したり。さらにはダンジョン内部を探検できたりもします。そこで、さまざまな物語が展開しますのでぜひお楽しみください。

 そのあとは、お気に入りのキャラクターのイベントを楽しんでいただきたいと思っております。サブシナリオも妥協することなく、著名な作家さんにご依頼しておりますのでご期待していただければと思っております。

 ゲーム内イベントを隠し要素を含めてたくさん作っているので、横道にそれたとしても新たな発見があるかもしれません。このゲームを遊んでいただいた人々が攻略を話し合うような、そういったつながりが生まれることも願っております。

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農村(※開発中のイメージ)
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城塞都市(※開発中のイメージ)

――本作の世界観は菊池たけしさんが制作に携わっていますね。どういった経緯でプロジェクトに参加されたのでしょうか?

菊池神崎さんとは、とある会社の別企画で出会っておりました。その後、神崎さんがその会社を退社してのち、しばらく経ってから「菊池さん、世界観を作ってほしいんです」と連絡がありまして……。

 聞けば、かのグラビティ社に入社したと言うじゃないですか。グラビティ社といえば、かの『ラグナロクオンライン』(以下、RO)の開発会社。思い起こされるのは20年前、仕事から帰って明け方まで『RO』をプレイし、仕事中にも頭の片隅でキャラのスキル構成を考えたりなんだりしつつ、帰宅してまた『RO』を遊んでいた至福の日々。わたしは0.2秒の熟考ののちに「やります!」と答えていました(笑)。

――菊池さんが世界観・シナリオを手掛ける際にこだわっているポイントを教えてください。

菊池今回は、まず世界観ありきでの依頼でした。その段階で決まっていたゲームの仕様に加え、ここではまだ明かせない世界観の仕様を聞いて作業にかかりました。

 こだわりはいろいろあるのですが、もっともこだわったのは世界観の中に“布石と伏線”を仕込むこと。この世界観の中にはドラマが進むうちに見えてくる、あるいはプレイヤーが体験するであろうドラマの転換点になるだろう布石をいろいろ入れ込んでいます。

 それまではバラバラだった情報の断片が、「ドラマを進めるうちにひとつの線に繫がって……ああ、そういうことか!」と繫がっていく、そんなネタをシナリオではなく世界観の中に仕込むことに留意していました。たとえば、この世界に登場する重要な単語・言葉には、ある法則があってそこには実は隠された意味がある―――などです。

 立て付けという意味でお話するのなら、これから始まる物語を想定される最終回まで、複数の章(フェイズ)に分けて、それぞれに開示する情報を仕込んでいます。それらが開示されるたびに、世界の真実やプレイヤーが体験する世界の立て付けや意味が違って見えてくる……、そんな設計が仕込まれています。

 でもなにより、「ここではまだ明かせない世界観の仕様」をどう活かすか、どう絡めるかに夢中になっていたのはここだけの秘密です。ぜひ期待しててください。

――本作の世界観はどのように構成されていきましたか? なにかベースになったものはありますか?

菊池これは、先の質問とお話が被る点もありますが、『神箱』のシナリオは作家さんを立てて執筆するという立て付けになりました。ですので、作家さんたちがシナリオを考える時に、発想のとっかかりになるネタを世界観の中に大量に仕込んでいます。

 「あ、このネタ使える」、「ここに書かれてる組織って実は●●みたいな背景があると、おもしろくないか?」など、発想・妄想を膨らませるためのネタをたくさん用意したといいますか……。「おもちゃをたくさんぶち込んだ箱庭的世界」という言い方ができるかもしれませんね。

 誤解をおそれずに言うならば、“TRPGの世界観を考えるのに近いものでして、シナリオ執筆者をGM(ゲームマスター)に見立てて、彼らがTRPG用のシナリオを考える際、その発想の起点になるものをたくさん入れ込んだということです。

 箱庭と言いつつ、シナリオ執筆者が最初に触れる“箱”の中身。その外側にもいろいろネタは仕込んでおります。前述した“章”がひとつ先に進むごとに、その“箱”の壁が開いていくような立て付けになっております。ベースとなったものは……、あるにはありますが“明かせない世界観の仕様”により、ここでは書くことができません(笑)。

 なお、ゲームシステムの仕様は開発とともに変わっていくものです。本来なら、変わる仕様に対応して設定を修正したり、ゲーム開発の方とコンセンサスとりながら進めるものであるものと思っています。一旦の世界観完成後、仕様の変更を受けて大きく設定を修正しましたが、基本的に“ぶん投げた”状態になっているので……。開発スタッフの方々が困った部分があるだろうなと心苦しい気持ちでいっぱいです。

――主人公は基本的に、喋らずに物語が進んでいくようですが、本作中ではどのような扱いになるのでしょうか?

菊池ここは、最初から“仕様”でした。主人公はセリフを吐かず、はい・いいえの選択肢もない。周囲のNPCらの反応やセリフや描写で、主人公の感情や表情、思考を描写するというのはかなり大変なことだと最初は思っておりました。

 ですが、視点を変えれば「操作するキャラクターは、プレイヤーそのものである」と言えます。たとえば、プレイヤーが想像できないようなセリフを主人公が吐くことがないというのは、主人公キャラクターとプレイヤーの乖離を防ぐ意味でも正しいのかなと。

――最後におふたりから、本作を気になった読者を向けてのメッセージをお願い致します。

神崎簡単操作で誰でも遊べるRPGを目指して鋭意制作中です。また、体験版の公開も予定しております。まずは、そちらを遊んでいただき楽しんでいただければと思っております。

 どこにも存在しないゲームを目指しているので、気になった方は是非ともプレイをしていただきたいです。

 また、ご意見ご感想、ご質問もいただいてゲームに反映していきたいと考えておりますので、ぜひ忌憚なくいただきたいです。あと今回のルールブックも公開してほしいとかあればご連絡ください。菊池先生と相談してTRPG化を検討しますので。

 最後に、菊池先生を始め、作家先生の皆様、そしてゲームを力強く支えてくださっている今井先生には感謝が尽きません。発売まで、先生方とともに頑張っていきたいと思います。世界を構築していくワールドクラフトRPG『神箱 -Mythology of Cube-』を何卒よろしくお願いします。

菊池かつて、自分がハマって夜通し遊び続けた数々のゲームたち。それと同じような、いやそれ以上の体験を、魅力を、楽しさを……、本作品に触れたすべての人々が感じられますように。

 最後に読者向けのメッセージでもなく、わたくし事ではありますがひとつだけ。本作の依頼を受けた時、最初に協力を求めた人物がおりました。ゲーム制作集団“NEW GAME PLUS”の力造氏です。

 残念ながら、彼はその作業中に病気によって還らぬ人となりました(その後、作業は同じグループのからすば晴氏に引き継がれました)。本作は、力造氏が関わった最後の作品(のひとつ)です。

 「なにがあっても、彼の名をここに残したい、刻みたい、世の中に出したい」そんな個人的な想いも、本作には込められています。

 公表できるまでに時間がかかったけど……どうか安らかに―――。

『神箱 KAMiBAKO - Mythology of Cube -』Steamページ