エレクトロニック・アーツのバトルロイヤル型FPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)にて、2023年2月15日(日本時間)よりシーズン16“大狂宴”が開幕となる。
メディアとインフルエンサー向けに実施された開発者オンラインプレゼンとインタビューで判明したレジェンドの調整内容をまとめて紹介。新シーズンでは新レジェンドの登場しないかわりに、すべてのレジェンドのクラスとパークに大幅な仕様変化が行われているので、シーズン開始前の忘れずにチェックしてほしい。
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5つのクラスが実装。リコンはビーコンを読み取ることで周囲の敵をスキャンすることが可能
新シーズンでは、新たなレジェンドが追加されないかわりに、レジェンドたちのクラス(ロール)が見直される。シーズン16ではアサルト、スカーミッシャー、リコン、コントローラー、サポートの5つにクラスが分けられ、クラスごとに異なるパーク(能力)が与えられる。
これまでは、リコンという調査ビーコンをスキャンできるクラスを除き、特別な能力はなかった。開発の「キャラクターごとの役割をより明確にしたい」という考えから調整されることとなったのだ。
なお、今後の調整によっていまと違うクラスに移ることもある。ここからは各クラスの詳細と対象のレジェンドを解説していく。
アサルト
対象レジェンド
- アッシュ
- バンガロール
- ヒューズ
- マッドマギー
- レヴナント
戦闘を得意とする攻撃的なレジェンドたちのクラス。シーズン16よりマップ上に新しく赤いサプライボックスが登場し、アサルトのレジェンドはその拡張部分を開けられる。イメージとしてはライフラインが青いサプライボックスで拡張部分を開けられるものに近い。
なお、赤いサプライボックスの拡張部分には、レア度の高いアタッチメントが入ってることが多いため、序盤からハイティアのアタッチメントを入手して有利にファイトできるだろう。
そのほか大きな要素として、ほかのクラスのレジェンドよりも弾も多く持てるようになる(例:1スタック60発のライトアモやヘビーアモは80発に)。アグレッシブなプレイヤーにはもってこいなクラスと言える。
スカーミッシャー
対象レジェンド
- パスファインダー
- オクタン
- ヴァルキリー
- ホライゾン
- レイス
- ミラージュ
戦闘時に展開から離脱まで、移動や起点づくりを得意とするレジェンドのクラス。より遠くにあるケアパッケージを発見でき、開ける前からローバのように中に入っている武器がわかる。
比較的に移動に便利なスキルを持つレジェンドが多いので、いち早くケアパッケージの情報を知り、取りに来るプレイヤーを待ち構えたり強力な武器を手に入れて戦況を優位に進められるクラスだ。
リコン
対象レジェンド
- シア
- ブラッドハウンド
- クリプト
- ヴァンテージ
敵を追跡して情報収集することが得意なレジェンドのクラス。シーズン16からは、次のリングを見れなくなる代わりにビーコンをスキャンすることで、周囲にいる敵の位置を知ることができる(マップ全体ではない)。
イメージとしてはキングスキャニオンのマップルームの装置に近い。ただ、スキャンされたことは相手にも伝わるため要注意。
コントローラー
対象レジェンド
- コースティック
- ワットソン
- ランパート
- カタリスト
能力を使って敵の動きを制限したり戦況をコントロールできるレジェンドのクラス。いままでリコンが行っていた、調査ビーコンをスキャンすると次のリングを見られる能力が与えられる。
バトルロイヤルにて、リングの収縮を把握してほかのパーティーよりも先に場所を確保することはチャンピオンを取るために重要なことなので、パーティーにひとりは入れたいところだ。
サポート
対象レジェンド
- ライフライン
- ローバ
- ニューキャッスル
- ジブラルタル
チームを助けてパーティーを生存させるために活躍するレジェンドのクラス。このレジェンドたちは、マップ上にある青いサプライボックスの拡張部分を開けられることに加えて、レプリケーターで味方のバナーをクラフトすることが可能だ。3人1組で連携を取ることが大事な『Apex』で味方を復活させるチャンスが増えるのは大きな強みになることだろう。
このようにクラス分けされたことで、いままで注目されていなかったレジェンドが使われる機会も増えるのではないだろうか。個人的には、ヒールドローンで安全に味方を起こせるかつバナーをクラフトできるという、とにかくパーティーの立て直しに特化したライフラインはランクマッチで使ってみたい。
6人のレジェンドが調整。パスやレイスはウルトの距離が延長、シアやホライゾンは弱体化
新たにクラスが追加されるほか、レジェンドの能力にも調整が実施される。どれもメタ環境が大きく変わるような調整となっており、筆者がよく使うパスファインダーはアルティメットが強化されて機動力がより高まるため実装が楽しみだ。ここから調整が行われるシア、ブラッドハウンド、レイス、パスファインダー、ホライゾン、ミラージュ、ライフラインの詳しい調整内容を見ていこう。
シア
まず戦術アビリティを当てた敵の体力が表示されなくなる。これまでは、体力を削られて戦術アビリティを当てられてしまうと、体力が少ないことがバレているため回復もできず一方的に倒されてしまうことが多かった。
加えて、シアはアルティメットも非常に強力なのでこれはよい調整なのではないだろうか。
ブラッドハウンド
パッシブにホワイトレイヴンが追加される。これは、戦術アビリティでスキャンした敵に対してカラスを追跡させられるといったもの。現状、索敵キャラとしてはシアのピック率がかなり高かったが、これによりそれぞれ差別化されてブラッドハウンドも選ばれやすくなることだろう。
レイス
アルティメットの調整が行われ、ポータルの展開距離が現時点の約2倍である150mにまで延長される。ピック率はあまり高くないものの、ヒットボックス(体の大きさ)が小さく戦術アビリティで一定時間無敵になれるレイスはいまの段階でも十分強力だったが、アルティメットの強化により攻守ともに行動できる幅が増えるのはありがたい。
レイスは、『Apex』がリリースされた初期から登場している人気なレジェンドだったため、この調整にはうれしいプレイヤーも多いはず。
パスファインダー
レイスと同様、パスファインダーもアルティメットに調整が加えられた。ジップラインを設置できる距離が非常に長くなり、マップ上にあるジップラインよりも移動速度がかなり上がっている。
ジップラインは、乗っているあいだ無防備になってしまうため戦闘時には使う場面が限られていた。だが、移動速度が上がったことによって戦闘中に敵の体力を削って詰めるときはもちろん、逆に敵から逃げるときやリングの収縮にあわせて移動する際など、さまざまな状況で恩恵を感じるのではないだろうか。
ホライゾン
戦術アビリティのグラビティリフトが修正され、リフトの上昇速度は少し上がったものの空中での射撃精度が低下される。あわせて、ウルトのブラックホールの引力もわずかに下がっているようだ。
ホライゾンのグラビティリフト&ブラックホールの組み合わせはとても強力で、敵が使うホライゾン対策で自分もホライゾンを入れるプレイヤーが多くどのパーティーにもホライゾンがいるといった環境が続いていたので、今回の弱体化でレジェンド環境がどのように変わるのか非常に楽しみだ。
ミラージュ
ミラージュが味方を蘇生するとき、自分も含めて透明になるパッシブを持っていたが、この効果が蘇生後も3秒間続くようになる。この調整でライフラインやジブラルタル、ニューキャッスルと同じく金ノックと相性のいいレジェンドになることだろう。
また、敵がデコイを撃った際、一定時間ミラージュのアイコンが敵の位置に表示されて居場所がわかるように。いままで、ミラージュのデコイは逃げる場面で使われることが多かった印象だが、これにより攻撃的な戦術も見られるのではないだろうか。
ライフライン
その場にしか設置できなかったヒールドローンを少しの距離投げられるようになる。これにより、戦闘中で味方の位置に行けない場合などは役立つことだろう。
また、ケアパッケージのドロップ速度が上昇。もともと、ライフラインが要請するケアパッケージのドロップ速度を遅いと感じたことはなかったが、発動した瞬間に届くレベルで速くなっていて驚いた。
新レジェンドが登場しないのはなぜ? 気になるQ&Aをピックアップ
開発インタビュー:レジェンド編
――今回の新シーズンでは初めて新レジェンドを追加しない理由を教えてください。全キャラのリワークに力を入れるためですか?
開発そうですね。『Apex』はリリースされてから4年経っているので、ときにはゲームバランスを確認する期間が必要だと思います。シーズン16では新レジェンドの追加をせず、それを再確認するためのメタ変更にフォーカスしたいと思っています。
また、今回はさまざまなモードのアップデートにも力を入れているので、そちらも理由のひとつです。
――今後も新レジェンドが登場しないシーズンがあり、また大きくリワークが入るシーズンもあるのでしょうか?
開発新レジェンドが登場しないシーズンがあるかと言われたら、「ゼロ」とは言えません。ただ、次のシーズンでは新レジェンドも登場しますし、今後のシーズンではこれまであったレジェンドのストーリーを別の角度から語ったり、再解釈するようなことも出てくると思います。
――今回のレジェンド調整では、新しくクラスが追加されましたが戦術アビリティやアルティメットを今後変更する可能性はあるのでしょうか?
開発それについては考えています。今回、レジェンドの戦術アビリティやアルティメットにいくつかの変更を加えましたがこれはまだ第1歩です。これからどんどんレジェンドも必要であれば進化していきますし、今後も検討していきたいと考えています。
――新たに追加された、リコンのレジェンドによるスキャンの射程距離はあるのでしょうか。それとも、キングスキャニオンにあるマップルームのようにマップ上すべての敵の位置がわかるんですかね?
開発射定距離はあります。また、リコンでスキャンした場合、場所はわかりませんが相手プレイヤーに通知は出ます。ブラッドハウンドにスキャンされたような形をイメージしていただければと思います。
開発インタビュー:ブラッドハウンド編
――ブラットハウンドのパッシブにホワイトレイブンを追加した理由はなぜでしょうか。シアに比べて使用率が低かったからですかね?
開発今回ブラッドハウンドを変更した理由はいくつかありまして、まずひとつはスキャンのメタを全体的に向上したいということですね。そして、ブラッドハウンドはハンターですから、ハンターらしさが出るようなアビリティの調整を加えたいというのもありました。戦闘時だけでなく、戦闘外でもハンターらしく敵の位置が分かるというアビリティを加えたかったんですよね。
開発インタビュー:ホライゾン編
――ホライゾンを調整した理由を教えてください。
開発ホライゾンはピック率も高く、空中からの攻撃が非常に強すぎたので、空を飛んでるときの射撃の正確性を少し落としました。あと、グラビティリフトとの組み合わせも強力だったため、アルティメットに若干ではありますが引力を落とす調整も加えたわけです。
開発インタビュー:ミラージュ編
――では、同様にミラージュを調整したのはなぜですか?
開発ミラージュのデコイを調整した理由ですが、以前だったらデコイを展開してそこから逃げることが中心的な使い方だったと思います。しかし、今回の変更によって敵がデコイを攻撃したとき、その敵の位置がわかるようになりました。ですから、その場から逃げるだけではなくそこから得られた情報を活かして、いろんな行動ができるような幅を広げたかったんです。
開発インタビュー:パスファインダー編
――アルテメットのジップラインを貼れる距離は何メートルでしょうか?
開発距離はかなり長く設置できます。パスファインダーがこの変更によりピックされる機会も増えるのではないかと思います。
――いままでのように調査ビーコンをスキャンしたあと、パスファインダーのアルティメットはチャージされないのでしょうか。
開発パスファインダーは、スカーミッシャーなので調査ビーコンを読めません。パッシブはケアパッケージの発見に使われます。しかし、今後もパスファインダーの変更は積極的に考えていきたいと思っています。