近日中にサービス開始が予定されているPC用新作FPS『THE FINALS』。本作のグローバルβテストが、2023年3月7日(火)20時から3月22日(水)2時にかけて行われる。
※[2023/03/07 11:57訂正]グローバルβテストの開始時間が変更になったため、修正いたしました。
開発を手掛けるのは、スウェーデンのEmbark Studios。『バトルフィールド』シリーズをはじめ、『スターウォーズ バトルフロント』、『ミラーズエッジ』など、数々の名作FPSを生み出してきたゲームスタジオ・DICE出身の6名によって2018年に設立されたゲーム開発会社だ。
そんな名うての開発者たちが手掛ける新作FPS『THE FINALS』において、プレイヤーの立場は仮想のゲームショー“FINALS”の参加者。富と名声を求めて、3人ひと組の4チーム=計12名が、マップ上に設置されたキャッシュ(お金)を奪い合うことになる。
人気テレビ番組『逃走中』の出演者みたいなものと考えるとわかりやすいかもしれない。
グローバルβテストに先んじて体験会に参加してきたので、その内容を紹介していこう。なお、今回の試遊は英語版で行われた。Steamストアページでは、日本語インターフェイス、字幕にも対応予定との表記があり、正式サービス時には日本語でプレイできるようだ(もしかしたらグローバルβテストでも日本語でプレイ可能かも)。
なんでも破壊できる自由度の高さが新たな戦術を生む
『THE FINALS』の特徴は、フィールド上のあらゆるオブジェクトを破壊できることだ。いままでにもあったって? いやいや、このゲームは皆さんが思い描いているより1段階も2段階も上の破壊行為が楽しめるのだ。
その前に、勘単に本作のルールを説明しよう。基本的な流れは以下の通り。
- 3人ひと組のチームとして対戦に参加
- 時間内にもっともキャッシュを稼いだチームが勝利
- フィールド上に設置されているキャッシュを拾い、キャッシュボックスまで運搬
- キャッシュが送金されるまで防衛する
爆弾を設置して守り切る従来のFPSのルールに近いが、建物やオブジェクトを破壊できる本作のシステムが、新たなゲーム体験をもたらしている。
たとえば、建物の2階にキャッシュボックスがあるとする。先にキャッシュを送金したチームが守りを固めていて、正面からではなかなか突破口を開けない。そんなときはどうするべきか。答えはシンプル。壁や床をぶち抜いてしまえばいいのである。
天井に開けた穴からC4爆弾を投げ込んで警戒中の敵を撃破するのもいい。銃の代わりに近接武器のスレッジハンマーを装備して壁を壊しまくるのもいい。短い試遊時間の中でもさまざまな戦術が試せた。自分の考えた戦術がうまくハマると、めちゃくちゃ快感だ。
上記のようなシーンに追い詰められ、「床をぶっ壊せばいいんじゃね?」という発想がよぎったとき、自分は天才なんじゃないかと思った。試しにキャッシュボックスが設置された床を爆破したところ、そのまま下の階層に落とせたのである。いままでのFPSタイトルだと、たとえ壁は破壊できたとしても目標となるオブジェクトは動かせないのが基本だったが、本作はなんでもあり。
防衛が突破できないなら床を抜けばいいじゃない――そんなとんでもない発想が実現できてしまう。固定概念に縛られず、あらゆる戦術を考えながらプレイするのは、なかなかに楽しい。実際にキャッシュボックスを落とせたときは、笑いが止まらなかった。
とはいえ、壁を破壊できるRPG-7やC4などのギアは一度使用するとリキャストが発生。このリキャストタイムがやや長めに設定されていて、連発はできないようになっていた。爆発物が降り注ぐ大味な戦闘ではなく、銃撃戦あり、ときには壁を破壊しての攻防ありと、ちょうどいい塩梅のプレイフィールだと感じられた。
FPSタイトルとしての感触は、やや敵が固いといった印象。もちろん、敵に銃弾を当てる“エイム力”も重要だけど、それよりも立ち回りで勝利を目指すことが重要になりそうだ。
試合時間は9分弱と、サクサク遊べる長さ。試合中にとれる選択肢が多いだけに、似たような試合展開になりづらいのもポイント。思わぬハプニングを求めて、ついつい「もう1戦」と長くプレイを続けてしまいそうな予感。いまから本作をプレイしすぎて仕事が滞らないか不安です。
さまざまな可能性が見出せるキャラクタービルド
対戦で使用するキャラクターは、装備する武器やギアを自由に組み合わせてカスタマイズできる。
キャラクターには“ライト”、“ミドル”、“ヘビー”の3つのカテゴリが用意されていて、それぞれ装備できる武器やギアが異なっていた。ライトは低火力ながらも身軽に動ける機動力重視、ミドルはバランスの取れた構成、ヘビーは機動力を犠牲にして火力に特化といったイメージ。
対戦には、作成したキャラクターからひとりを選択して挑むことに。対戦途中でキャラクターや装備する武器などは変更できない。マッチングした味方に合わせて、カスタマイズしたキャラクターから選択するといった感じだろう。
装備できる武器やギアは、オーソドックスな銃やグレネードなどに加えて、壁を破壊できる爆発物、特定の場所まで移動できるジップライン、設置した場所から大ジャンプできるジャンプパッド、敵の銃弾を防ぐバリケードなど、ユニークな性能のものも用意されている。とにかく種類が多く、「あれもこれも装備したい」と対戦前から頭を悩ませてくれる。
体験会では、壁やオブジェクトの破壊に特化したビルドや、銃撃戦に寄せたビルドなど、さまざまなパターンを試してみた。カスタマイズが違えばプレイの感触も全然違ってくる。装備する武器やギアによってまったく異なる立ち回りが求められて、ビルドごとに新鮮な気持ちでプレイできた。
個人的には、対戦中にキャラクターを変更できるようにしてほしかった。途中で変更できないとなると、「ビルド選択に失敗したな」と試合途中で気づいても、なかなか状況を打破しづらい。せめて予備の武器やギアから変更できるようになったらうれしいが……。
なお、グローバルβテストや製品版では仕様が変更する可能性もあるとのこと。ぜひこの部分がどうなるかにも注目したい。
架空のゲームショーならではの演出もかっこいい
『THE FINALS』は、前述のとおり、架空のゲームショーの参加者となって対戦を行うという設定。マッチングすると、各チームの紹介から始まり、架空の戦場となるアリーナに突入する演出が挟み込まれる。この演出がテレビのバラエティーチックで、なかなかに見応えがある。
戦場となるアリーナの外には、試合を見ている観客が盛り上がっていたりと、世界観もしっかりと作り込まれている。なかなか粋な演出で、最初に気づいたときはニヤリとさせられた。
敵を倒したときや倒されたときのエフェクトもコインが散らばるようになっていたりと、世界観を活かした作りとなっているのもポイント。こういう細かな演出が、プレイヤーとしての没入感を自然と高めてくれる。
アリーナは実在の都市をモチーフにしているようだ。試遊版では、迷路のような路地や密集した建物が立ち並ぶモナコ、韓国の繁華街中心部に高くそびえる摩天楼を表現したソウルの2種がプレイできた。
モナコは入り組んだ地形で、ソウルは縦方向の戦いが展開しやすいマップと、どちらも特徴が異なり違った戦いが楽しめた。マップによってキャラクターや武器を使い分けたりするのもおもしろそうだ。なお、天候や昼夜の概念もある模様。今回の試遊では違いが把握できなかったので、グローバルβテストではそのあたりに注目してプレイしたい。
Steamからリクエストしてテストに参加!
『THE FINALS』のグローバルβテストは、本日3月7日20時からスタート。ストアページから“The Finals Playtest”への参加にリクエストして、通知メールが届いたらテストに参加可能だ。
これまでに述べたように、『THE FINALS』は、これまでのFPSの概念を覆す、新感覚の体験が味わえる作品となっている。本記事を読んで少しでも気になったという人は、Steamから参加のリクエストを送ってみてはいかがだろうか。