2023年4月9日毎週日曜17時からMBS/TBS系全国28局ネットで放送開始となる『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2。

 本作は、2021年に発表された約7年ぶりとなる『ガンダム』のテレビシリーズで、過去に『コードギアス 反逆のルルーシュR2』、『機動戦士ガンダム00』(2nd Season)などが放送されていた“日5”枠で放送。Season1では、放送のたびにSNSのTwitter上でトレンド入りし、話題を呼んだ。

 そんな『水星の魔女』Season2の放送前に振り返っておきたい用語、言葉などをお届けする。なお、記事にはSeason1(第12話+“PROLOGUE”)に関するネタバレが含まれる。未視聴の方は、閲覧の際にご注意をいただきたい。加えて、少なからず考察が含まれる部分があることをご理解いただければと思う。

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前日譚“PROLOGUE”を確認しよう

 Season1放送開始前に動画配信サービスなどでも配信された前日譚“PROLOGUE”。文字通り、Season1の過去にあたる物語が展開される。

 この“PROLOGUE”がすべての始まりであり、『水星の魔女』はここを起点とした物語が描かれる。未見であるならば、まず視聴することをおすすめしたい。

小惑星に建造されたフロント、フォールクヴァング。
ヴァナディース機関のラボでは、ガンダム・ルブリスの稼働実験が行われていた。

評議会から課された条件をクリア出来ないままのルブリスに、
焦燥感を募らせるテストパイロット、エルノラ・サマヤ。

――その日は、彼女の娘が4歳を迎える誕生日だった。
出典:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイト

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』 前日譚「PROLOGUE」冒頭5分

フォールクヴァングとヴァナディース

 “PROLOGUE”に登場するフロントのフォールクヴァング。フロントとは、宇宙空間に造られた巨大人工居住施設である。

 このフォールクヴァングという名前は北欧神話で女神フレイヤが住んでいた宮殿と同名である。また、フレイヤは別名ヴァナディースとも呼ばれている。

 この辺りの語源などについて、いろいろと調べてみると、なんだか妄想が捗って楽しいので、気になる方は検索なり、書物なりで自分なりの考察をくり広げてみてほしい。

 付け加えると、“ガンド”やフォルドの夜明けの“フォルド”など、じつは作中で北欧にゆかりのあるワードがたびたび出てくる。そのあたりにも注目してみるとおもしろそうだ。

『ガンダム 水星の魔女』シーズン2放送前に確認したい用語などまとめ。シーズン1の振り返りにも役立つ情報をお届け
『ガンダム 水星の魔女』シーズン2放送前に確認したい用語などまとめ。シーズン1の振り返りにも役立つ情報をお届け
Season1のキービジュアル。
Season2のキービジュアル。

Season1を振り返るならダイジェスト番組をチェック

 Season1の流れを振り返っておきたいなら、ダイジェスト番組がおすすめ。要点などをおさえながら、楽しくわかりやすく物語の流れを説明してくれる。

 第1話“魔女と花嫁”から、第6話“鬱陶しい歌”までを振り返るダイジェスト番組では、グエル・ジェターク役の阿座上洋平さんがナレーションを担当する。

 また、第7話“シャル・ウィ・ガンダム?”から、第12話“逃げ出すよりも進むことを”までを振り返るダイジェスト番組では、シャディク・ゼネリ役の古川慎さんがナレーションを担当している。

まだ間に合う!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スペシャル特番

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Season1で気になる用語などをチェック

 Season1で登場した気になる用語やポイントなどを改めて紹介。一部は公式サイトでも確認することができる。掲載は五十音順。

アンチドート

 対GUNDフォーマット用の兵装。“PROLOGUE”では、フォールクヴァングを強襲したベギルベウが搭載していた。

 グラスレー・ディフェンス・システムズ社製に搭載されている傾向があり、ベギルベウの後継機であるベギルペンデ(第9話でサビーナたちが搭乗していた機体)にも搭載されている。シャディクが搭乗しているミカエリスにも新型のアンチドートが搭載してある。

 ソフィによれば、パーメットスコア3までにしか効果がないらしい。

『ガンダム 水星の魔女』シーズン2放送前に確認したい用語などまとめ。シーズン1の振り返りにも役立つ情報をお届け
ベギルベウ。

アーシアンのガンダム

 エランの発言。ガンダム・ルブリス・ウルとガンダム・ルブリス・ソーンのことだと思われる。

 公式サイトによれば、ルブリス・ウルとルブリス・ソーンはヴァナディース事変以前、オックス社によって開発されたルブリス量産試作モデルをベースに発展した、ガンダムタイプのモビルスーツ。ルブリス量産試作モデルをベースに大幅なアップデートが施されている。

 地球で活動する反スペーシアン組織である“フォルドの夜明け”に提供されたとあるが、その理由については謎に包まれている。

 オープニングテーマ YOASOBI『祝福』原作小説『ゆりかごの星』でスレッタの母(プロスペラ)が地球圏と水星を行ったり来たりしている描写があり、もしかしたら何かやり取りがされていた可能性もありそうだ。

ヴァナディース機関

 身体機能拡張技術“GUND”を研究する組織。宇宙環境における身体の補助を目的とした研究を行っていたが、モビルスーツ製造企業のオックス社から資金提供を受けることと引き換えに、GUND技術の軍事転用に利用されることとなる。

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ヴァナディース事変

 Season1の時系列から21年前の出来事にあたる。第6話でヴァナディース機関の生き残りであるベルメリア・ウィンストンによる「21年前の復讐なんて無意味」発言と年代が一致することから、“PROLOGUE”で描かれた一連の出来事であると想像できる。

 『ゆりかごの星』を読むと、当時の生き残りであるプロスペラが復讐を誓っていることがわかる。

宇宙議会連合

 どのような組織なのか、詳細は明らかになっていないが、ミオリネの地球への脱出を協力しようとしていたフェンなど謎多き人物が所属している。ベネリットグループの動向を注視しているようだが、具体的にどのようなことを目的とした組織なのかは、いずれ明らかになるのかもしれない。

カテドラル

 モビルスーツ開発評議会の傘下にあり、モビルスーツ開発の秩序と倫理を守ることを目的とする監査組織。デリング・レンブランが統括代表を務める。

株式会社ガンダム(GUND-ARM Inc.)

 第7話でミオリネの機転によって創立することになった会社。GUND技術による医療事業を目指している。メンバーの多くは地球寮の面々で構成されている。第10時点でエランをテスターとして雇うことがミオリネの口から告げられている……。会社のプロモーションビデオ(PV)は一見の価値あり。

 真意は不明だが、プロスペラからは「いいカモフラージュ」と言われている。

株式会社ガンダム プロモーションビデオ

ガンダムの否定

 “PROLOGUE”の最後で述べられたガンダムの否定は、スレッタが17歳になり学園にきたころも色濃く残っており、GUNDフォーマットを搭載した機体の運用が条約で禁止・凍結になっていることが第2話で判明。これが原因でスレッタが一時拘束されてしまう。

 ちなみにエアリアルは水星のシン・セー開発公社で製造されたとしているが、シャディクによれば、あんな辺境のどこにインフラと開発資金があるのかとのこと。それにモビルスーツ技師の登録履歴もないという。

 第7話ではエアリアルがガンダムであることがプロスペラから、スレッタに告げられた。

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GUND

 パーメットを利用した身体機能拡張技術。GUND技術を軍事転用したシステムは“GUNDフォーマット”と呼ばれ、これを搭載したモビルスーツは“GUND-ARM”(ガンダム)と総称される。

GUND医療

 カルド・ナボが提唱した技術。宇宙進出に伴う身体の脆弱性を補う希望の技術でもある。株式会社GUND-ARMが力を入れている事業。

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ガンビット

 とても簡単に説明するならば、遠隔操作できる小型の兵器。おもにビームを射出する。

 エアリアルに搭載されているものは盾になったり、ライフルに合体したりする。エラン(強化人士4号)との決闘の際、スレッタはエアリアルのガンビットのことを「みんな」と呼んでいたことも気になるポイント。

強化人士

 GUND-ARMに搭乗するため、バイオおよびナノテクノロジーによって身体を改造された人間。GUNDフォーマットのデータストームに対する耐性の高い人間から選別され、パーメットスコアの高数値を一定量許容・維持できる。学園でスレッタと決闘したエラン・ケレスは強化人士4号だということがわかった。その後にきたのは5号である。

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エラン・ケレス

クワイエット・ゼロ

 第11話で初出。何かのプロジェクトのようなものだと推察できる。真相はSeason1では明らかになっていない。プロスペラとデリングが何かを知っていると思われる。デリングの口ぶりからすると当時の計画責任者は別におり、現責任者がデリングになっている模様。

決闘

 モビルスーツを用いて行われる、学生同士の私闘。当事者は金銭、栄誉などお互いに望むものを懸けて戦う。相手モビルスーツのブレードアンテナを折った者が勝者となる。個人戦と団体戦がある。

 ちなみに宣誓のときに言っている「alea jacta est」(アーレア・ヤクタ・エスト)とは、賽は投げられたという意味。

 よくヌーノとオジェロの賭けの対象にもされている。ちなみに第8話でオジェロが端末でチラッと見ていたDUEL BETTING ODDS(個人戦)のランクでは1位がシャディク、2位がスレッタ、3位がエラン、4位にグエル、5位にサビーナ、7位にラウダ(グエルの異母兄弟で弟)、10位にレネとなっていた。6、8、9位の人物は恐らく未登場。

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アスティカシア高等専門学園では頻繁に決闘が行われているような描写が多い。

スペーシアンとアーシアン

 宇宙居住者(スペーシアン)と地球居住者(アーシアン)。宇宙産業の発展から両者間の経済格差が広がったことで、スペーシアンとアーシアンの間に分断・衝突が生じている。

 学園でのニカたち地球寮に対するスペーシアンの行動、第4話での妨害行為などを見れば、学生間でもその関係に溝があることがわかる。これが大人の世界になれば、さらに酷い様相を呈していることは、想像に難くない。

 ただし、GUNDは双方の分断と格差を融和する可能性を秘めているとカルド・ナボは述べていた。

『ガンダム 水星の魔女』シーズン2放送前に確認したい用語などまとめ。シーズン1の振り返りにも役立つ情報をお届け
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地球寮組であるニカ(左)とチュアチュリー(右)。

戦争孤児

 第8話の地球寮での会話から、地球では過去に戦争があったことが推察できる。アーシアンには戦争孤児も多いそうだ。

ドミニコス隊

 “PROLOGUE”時点では、モビルスーツ開発評議会に属する特殊部隊。Season1の時点では、カテドラルの直轄部隊となっている。じつはグエルはドミニコスのエースパイロットを目指していたらしい(第3話時点)。

 第12話では、フォルドの夜明けのオルコットが魔女狩り部隊とも呼んでいた。

 A.S.122では、ヴァナディース事変にベギルベウで参戦していたケナンジが艦長を務めている模様。

逃げれば一つ、進めば二つ

 意味はたびたび作中でも説明されている言葉。スレッタが呪いのように大事にしている言葉でもある。前向きでよい言葉のようにも思えるが、少し見かたを変えてみると逃げることや立ち止まることを咎めるようにも感じられる。

 この言葉を胸にスレッタが進み続けた先に何があるのか、それは本作でも描かれ続けることになるだろう。

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ノートレット

 ミオリネの母の名前。第12話で明らかになった。

ハッピーバースデー

 お誕生日のこと。作中で誕生日が絡むと大抵よくないことが起こる確率が高い……ような気がする。

パーメット

 太陽系内に偏在する鉱物から発見された元素。個々のパーメット間で情報を共有する性質があり、パーメットを素材や推進剤などに混合させ制御することでさまざまな技術が開発される。

 パーメットを人体に流入させる身体機能拡張技術は宇宙に進出する基盤と考えられている。水星で採掘されているとプロスペラが言っていた(第2話)。ミオリネによると月でも採れるようになったとのこと。

パーメットスコア

 Season1時点で、最高6まであることが確認されている(エアリアルが到達)。スコアを上げれば上げるほどGUNDフォーマットへのシンクロ性が上がるが、パイロットを死に至らしめる可能性が高くなる。

 この代償のことを呪いと呼ぶことがある。エラン(4号)がエアリアルに搭乗した際、特別なのはスレッタとエアリアルどちらなのか確認するのにも使用されていた。

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フォルドの夜明け

 地球で活動する反スペーシアン組織。アーシアンの地位向上を名目にゲリラ活動を行っている。

 ニカは連絡係として、フォルドの夜明けとかかわっていることが作中のシャディクとの会話からわかる。

フロント

 宇宙空間に造られた巨大人工居住施設。小惑星を基部に建造されている。

ボブ

 その正体はジェターク社の御曹司で、パイロット科3年のグエル・ジェターク……。しかし、ボブであるときは、あくまでもあくせく働く労働者なのだ。

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魔女

 作中では蔑称とされており、世間では忌むべき存在として認識されている人たちのこと。ヴァナディース機関に所属していた人物のことを指すのか、ガンダムに搭乗する人物のことを指すのかは不明。

 厳密な定義は明かされていない。地球の魔女を自称するソフィ・プロネも現れたところ。

娘たち

 たびたびプロスペラが発言するワード。スレッタとエアリアルのことを指していると思われる。自らが作ったものを我が子のように思い、そのように発言しているとも捉えられるが……。

モビルスーツ開発評議会

 モビルスーツ開発の互助を目的とした組織。ジェターク社、ペイル社、グラスレー社などのモビルスーツ製造企業のCEOたちがメンバーを務める。GUNDフォーマットが及ぼす人体への悪影響を危険視している。

レディ・プロスペラ

 放送当初から視聴者を悩ませ続ける存在。第11話でついに正体がエルノラ・サマヤであることが明らかにされた。

エアリアルコラボ、ガンプラ発売など、作品に絡む盛り上がりもたくさん

 アニメ放送前からガンプラの情報が出るなど、作品内外での展開も多かった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。そのなかでも印象に残った出来事を紹介する。

ヤマザキビスケットとエアリアルコラボ

 ヤマザキビスケットのお菓子“エアリアル”とのコラボパッケージが発売された。当初は、しお味、濃厚チェダーチーズ味、焼きとうもろこし味、“コーンポタージュ味の4つのフレーバーで展開された。

 なお、後にミオリネお気に入り フレッシュトマト味が登場し、いろいろと話題になった。

 ちなみに株式会社ガンダムとのコラボも実施されており、絶妙なクオリティなPVも公開中だ。

株式会社ガンダム&YBC エアリアル コラボPV!

『祝福』原作小説『ゆりかごの星』の朗読

 Season1のオープニングテーマ『祝福』原作小説『ゆりかごの星』をスレッタ・マーキュリー役の市ノ瀬加那さんが朗読する動画も公開されている。

大河内一楼「ゆりかごの星」朗読(by市ノ瀬加那) - 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングテーマ YOASOBI「祝福」原作小説

小説版が発売

 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でSF考証を務める高島雄哉氏による『小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女』も発売された。新キャラクターが登場する小説版オリジナルエピソードも収録されている。

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渋谷大型ビジョン13面ジャック

 2023年3月6日~12日の期間、渋谷スクランブル交差点を中心とした13面の大型ビジョンがジャックされ、特別映像が公開されていた。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』渋谷大型ビジョン13面ジャック スペシャル映像

水星の魔女日本周遊ツアー

 MBS/TBS系28局が所在する都道府県の観光スポットをスレッタとミオリネが巡る水星の魔女日本周遊ツアーが、3月10日より公式Twitter上で展開された。

 観光地を舞台にスレッタとミオリネのほっこりしたやり取りを楽しめる癒し系なコンテンツとなっている。

Season2放送前にチェックしておきたい動画

 Season2の放送前にチェックしておきたいSeason1総復習ダイジェストも公開中。ナレーションは『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブル役などで知られる池田秀一さんが担当している。

 また、見どころ満載のSeason2 予告PVも公開されている。想像を膨らませながら楽しもう。

今から追いつける!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season1総復習ダイジェスト

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2 予告PV