古今東西のインディーゲームを紹介するコーナー。今回は優れたアイデアがキラリと光る推理アドベンチャー。お届けするのは、“ふと『リアルサウンド』を思い出した”というたむ爺

聴覚に集中して、純粋に頭の中で推察を楽しむ

 音を頼りに、音声にまつわる特殊な能力を持つ主人公が、難解な事件の真相を解いていくアドベンチャー。

 中国のスタジオNEXT Studiosが開発し、505 Gamesがパブリッシングを務める一作で、2019年にPC版でリリースされ、この2月には日本語対応。さらに、3月22日からは満を持して、各家庭用ゲーム機でも遊べるようになった。本作最大の特徴は、視覚に頼らず聴覚に集中することで、純粋に頭の中で推察を楽しめる作りになっている点。アドベンチャーらしいミステリアスな世界観も魅力だ。

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
見知らぬ場所で目が覚める主人公は、目の前の女性に促され、捜査に協力するようになる。主人公が持つ、音声にまつわる特殊な能力を使って難解に挑む。
『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
部屋ごとの音声を聞き、時系列で整理して謎を解き明かす。当初は日本語非対応だったが、この2月に満を持して日本語に対応。質の高いローカライズを実現しているのもうれしい。
『Unheard −罪の代弁−』ニンテンドーeショップサイト 『Unheard −罪の代弁−』PlayStaion Storeサイト 『Unheard −罪の代弁−』Microsoft Storeサイト 『Unheard −罪の代弁−』Steamサイト

音を聞く部屋と時間を操り情報収集

 捜査は、記録されたデータをくり返し再生しながら進めていく。その際、指定した特定のエリア内の音声が聞こえるのが特徴。また、登場する人物は、始めは誰が誰かはわからない状態で、音声によるやり取りから人物を特定し、事件のヒントを得る。人々はエリア間を移動している。そのため、エリアや時間帯により、異なる人物との接触が生まれる。このパラレルな情報をひとつずつマーキングし、整理しながら、事件の真相をつかんでいく。

▼会話から人物と発言をマーキング

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
捜査開始時は、まったく何の情報もない状態。エリアをひとつずつあたり、滞在する人物の会話から糸口をつかむのだ。
物に名前を当てはめると、つねにその人がどこにいるかわかるようになる。

▼事実を並べることが真実へとつながる近道

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
特定ポイントにメモをコメントで入力することも。同一時間帯のほかの人の言動と組み合わせて、真相に迫る。

登場人物の特定と会話の整理を駆使

 事件を解決するには、全登場人物の特定と、用意された複数の問題への回答が必要。その進めかたは自由で、一度全体の事件の流れを把握してから気になる箇所を調べたり、特定の人物の動きだけを追っていったり、特定のエリアだけを観察したり……と、それぞれのスタイルに合わせた捜査を行うことが可能。犯人を特定することで、事件は解決となる。解決には、ひとつひとつの疑問点を解き明かしていく行動や洞察力が必要となってくる。

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
まずは誰かひとりにフォーカスし、その人物が誰か、どういう行動を取るかを全時間帯で把握していくのが定石。

▼点と点をつなげて線として真相を暴く

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
人物をマーキングすることですべての人物の行動や居場所がどの時間帯でもわかるように。そうすることで、会話内容の裏も取りやすくなっていく。

用意されている事件は全部で5つ

絵画と贋作と盗難と

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
ふたつ目の事件は有名画家と絵画にまつわるもの。絵画を巡って盗難騒動が巻き起こるが、単独犯による単なる盗難というわけではなく、その裏には……。

警察とヤクザとボマーと

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
3つ目の事件は警察署が舞台。その時間帯に一気に人に溢れかえることになるが、じつはそれは巧妙に仕組まれた罠。ヤクザと掃除人も絡む。

女優と死者と殺人と

『Unheard −罪の代弁−』頼れるのは音声だけ。耳と頭を駆使して謎を解く推理アドベンチャー【とっておきインディー】
4つ目は有名女優による講演ステージで事件が発生。その女優は、その昔舞台中に死亡事故が発生した過去を持つ。その過去を巡って脅迫が始まり……。

Unheard −罪の代弁−

  • 対応プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、PC
  • メーカー:505 Games
  • 開発:NEXT Studios
  • 発売日:2022年3月22日発売
  • 価格:各1430円[税込
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 対象年齢:15歳以上対象
  • 備考:ダウンロード専売 PC版は2019年3月29日配信で1010円[税込]
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