2023年4月14日、バンダイナムコエンターテインメントは『アイドルマスター』シリーズの新規プロジェクト『PROJECT IM@S vα-liv』(以下、『ヴイアライヴ』)の発表会を開催した。

 発表会終了後には、同プロジェクトでプロデューサーを務める勝股春樹氏、アイドル候補生の灯里愛夏さん、上水流宇宙さん、レトラさんの囲み取材(質疑応答)が行われた。本記事では、その模様をお届けする。

勝股春樹(かつまたはるき)

バンダイナムコエンターテインメント第3IP事業ディビジョン 765プロダクション「PROJECT IM@S vα-liv」プロデューサー。(文中は勝股)

灯里愛夏(ともりまなか)

誕生日:7月1日
身長:158cm
血液型:B型
星座:かに座
出身地:福岡県
趣味:アイドル研究、カフェで読書、ミュージカル
特技:料理、利きアイス

上水流宇宙(かみずるこすも)

誕生日:9月12日
身長:162cm
血液型:B型
星座:おとめ座
出身地:東京都
趣味:イラストを描くこと、ゲーム、食べること
特技:書道、地獄耳

レトラ(サラ レトラ オリヴェイラ ウタガワ)

誕生日:11月11日
身長:159cm
血液型:O型
星座:さそり座
出身地:埼玉県
趣味:寝ること、ネイル・メイク、雑貨集め
特技:歌、古着リメイク

プロデューサーの勝股春樹氏が展望などを語る

――勝股さんは、765プロオールスターズや『アイドルマスター ミリオンライブ!』のライブなどを主に担当されてきたということでしたが、そういったご自身の経験を『ヴイアライヴ』では、どう活かしていきたいと考えていますか?

勝股まずは簡単に経歴を改めて紹介させていただきますと、約10年間でイベントを担当させていただいたり、ライセンスといったところで、いわゆるゲームの外のメディアミックスを中心に展開させていただいておりました。ですので、そちらの経験を活かして、このタレント展開を軸に360度ビジネスを行っていきたいと思っておりますし、過去には“THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆”という形で、この世界で活躍するアイドルたちの姿を夢見て、ここまでやっておりました。今回は新しいアイドル候補生という形になりますが、それを新たな展開として皆さんに新しい楽しみを見つけていただければと思っています。

――少し気が早い話ではありますが、今後プロジェクトが軌道に乗った際に新たな候補生の追加は考えていますか?

勝股最初の1年間は基本的に3名で活動していきますが、もちろんここから研修制度という形にしていきたいと思っているので、現状すぐには考えておりませんが、そういったところも検討はしております。

――本プロジェクトの立ち上げのタイミングや影響を受けたものなどを教えていただけますか?

勝股やはり、コロナ禍の経験というのが大きいところではあります。過去に“THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆”の“ENCORE”公演を開催させていただいたときにコロナウイルスの影響で途中で中止になってしまったことを受けて、“THE IDOLM@STER 765プロダクション所属星井美希特別生配信」 in SHOWROOM”という星井美希の生配信をさせていただいたことがありました。当時はゲームの世界の中で体験していくというのが主流だった中で、この配信を通してプロデューサー(※『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)の皆さんと繋がっていたり、新しいプロデューサー体験を提供できているなと感じていました。そのときから配信にもしっかりと世界観を作っていたり、繋がれるような可能性があると思っていて、ここまできたという感じです。

――本プロジェクトのゴールがアイドルデビューということですが、具体的にどういうものなのでしょうか?

勝股最初は候補生という形なので、プロジェクトに乗っかって活動をしていくというところになりますが、アイドルデビューした暁には、いわゆるアーティストのような形でCDのリリースやライブといったタレント展開を行っていくというようなイメージになります。

――本プロジェクトはライバー活動という表現をされていますが、既存のライバーさんはコラボで成長していったカルチャーだという印象があります。そんな中で既存のライバーさんとのコラボなどは考えられているのでしょうか?

勝股もちろん、ライバー活動の一環としていろいろな方とコラボできるといいなと思っておりますし、ぜひ皆様とコラボできるように営業活動も行っていければと思っております。

――プロジェクト自体の評価につきまして、公式サイトに“いいね”数が表示されていますが、その他に予定されているものはありますか?

勝股基本的には投票という形がわかりやすい指標になっておりますが、たとえば今後やっていく企画の中で、プロデューサーさんに参加していただくコンテンツも用意していますので、そういった総合的な部分で見られるようにいま我々のほうで設計しているという状況になっています。

――概要の中で“アイドル昇格”という説明をされていましたが、昇格の審査の基準というのは明確にわかるようなものなのでしょうか?

勝股もちろん、オーディションの審査基準に関しましてはオープンな形にしようと思っています。チュートリアル期間が終わった後、皆さんに発表したうえで参加していただくことを想定しております。

――プロデューサーが関わるインタラクティブ性につきまして、アイドルマスターポータルを主に利用するということでしたが、YouTubeのスパチャ(スーパーチャット)はできるのでしょうか?

勝股配信ということで、配信を楽しめる要素というのは随時拡張していければと思っています。

――ということは、最初はスパチャはできないということでしょうか?

勝股そうですね。難しいところではありますが、収益化の基準などもありますし、そういったところを踏まえて、配信を楽しめる要素というのは拡張できるように目指していきたいと思っています。

――やはりプロデューサー目線だと、どこにお金を使えば還元されるのかが気になると思いますが、ほかのマネタイズについてはどのように考えられているのでしょうか?

勝股先ほどもお話しした通り、タレント活動を軸にした360度ビジネスを展開したいと思っておりますので、『アイドルマスター』シリーズとしては広まっていますが、グッズやデジタルコンテンツや音楽など、マルチIPを目指し多角的に行っていきたいと考えています。また、今回は配信だからこそできるような取り組みも行っていきたいと思っておりまして、そちらは順次ご案内させていただく予定なので楽しみにお待ちいただければと思います。

――そもそもストリーミングを舞台にしたアイドル活動という中で、候補生の公開オーディションというスタンスをとった理由や狙いを教えてください。また、発表会の中でアーケード版のお話しもありましたが、明確に活動期限を決めた理由も聞かせてください。

勝股まず活動というところで言うと、やはりアイドル候補生がアイドルを目指す過程がドラマティックということで題材にしたうえで、結果的に近しい年齢の子たちがオーディションに参加していただいたという形になっております。1年の戦いにするというのを決めたのは、明確に展開の基準を作りたかったというところがあります。期限を設けた理由については、それによって皆さんがわかりやすく、かつ臨場感を持って、納得のできるような形でアイドルたちを応援できるのではないかなと思ったからです。

――やはりそれは既存のゲームを意識されているのですか?

勝股もちろんです。アーケード版のハラハラする要素なども参考にさせていただきました。そこが『アイドルマスター』の魅力のひとつだと思いますので、『ヴイアライヴ』でも表現したかったところです。

――『アイドルマスター』のほかのブランドとのコラボは予定されていますか?

勝股ほかの事務所のアイドルたちとのコラボにつきましては、直近では予定しておりませんが、彼女たちも同じ世界線でアイドルたちを目指していく子たちなので、いつかごいっしょできたらいいなと思っています。

アイドル候補生の3人がアイドルを目指したキッカケや尊敬する先輩は?

【アイマス】『PROJECT IM@S vα-liv』発表会終了後の勝股Pとアイドル候補生3人にインタビュー。プロジェクトの詳細や3人がアイドルを目指したキッカケなどを直撃

――これから配信活動を行っていくことになりますが、灯里愛夏さんだったら特技が利きアイスだったり、上水流宇宙さんだったらイラストを描くことやゲームが好きだったり、レトラさんも辛い物を食べるのが好きと発表会で話されていたり、すごく動画向きだなと感じました。配信者というと鉄板のネタみたいなものがあったりしますが、やってみたい企画などはありますか?

灯里愛夏利きアイスもやりたいんですけど、自分でアイスをプロデュースして作ったものをふたりに食べてほしいなと思います。毒見じゃないですよ(笑)。本当に私の好きなものをふたりにも好きになってもらえたらいいなと思います。

上水流宇宙私は利きアイスのような特技ではないんですけど、絵を描くことが得意なのでそれを活かした企画というと……絵しりとりとかですかね?

――お絵描き配信とかをされている方もいらっしゃいますしね。

上水流宇宙そうですね。そういうのも挑戦してみたいとは思っています。

レトラ私はアイドルには体力がめちゃめちゃいると思うので、みんなで腹筋を何回できるかチャレンジみたいな、身体を張る企画もしてみたいです。

――尊敬する先輩を教えてください。

勝股アイドルを含めてということですか?

――先輩の解釈はおまかせします。

灯里愛夏私は(『アイドルマスター シンデレラガールズ』の)五十嵐響子さんがすごく大好きで、じつはその愛と憧れについて語ったものが後日公開される予定なので、そちらを楽しみにしていただければと思っております。

上水流宇宙私の憧れの先輩は(『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の)アンティーカの皆さんです。ゴシックなコンセプトといいますか、あのような感じがオタク心に刺さるなと思って憧れています。皆さんのような衣装も着てみたいなと思ったりしています。

レトラ私はYuNiさんという方をすごく尊敬しています。お歌がすごくうまくて、耳が幸せになれるので、あんなようになりたいなと思っています。

――ほかのふたりの候補生と初めて会ったのはいつでしょうか? また、そのときの印象も教えてください。

勝股じゃあ、愛夏さんから。

灯里愛夏なんで、いつも私が最初なんですか!

一同 (笑)。

灯里愛夏じつは私たち昨日初めて会ったんです。

上水流宇宙そうなんです。

レトラほやほやです。

灯里愛夏私はすごく緊張しいなのでテンパっていたりしたんですけど、ふたりはすごく落ち着いていたりして。3人でいっしょに帰ったんですけど、「帰り道、大丈夫?」とか、「家まで送っていこうか?」とか、すごくお世話を焼いてもらったり、すごく頼もしいふたりといっしょにこれからがんばっていけるのがとても楽しみだなと思っています。

上水流宇宙私のふたりの第一印象は、愛夏さんは本人も言っていましたけど、すごく心配になりますね。ちょっと目を離すといなくなってしまいそうな、ハムスターみたいな感じかなと思っています。でも、同じ歳なので仲よくできたらいいなと。レトラさんは見るからに陽な雰囲気を感じて。

灯里愛夏わかる!

上水流宇宙すごく警戒をしていました(笑)。

レトラえーーー!?

灯里愛夏でも、話して見るとすごく話しやすくて。

上水流宇宙いい方という感じで。

レトラよかった(笑)。

上水流宇宙ただの騒がしい方ではないので、これから仲よくしていきたいなと思っています。

レトラふたりともかわいすぎて……。愛夏ちゃんは綿菓子みたいだなと。フワフワしていて甘めで……帰りに「家まで送っていこうか?」と言ったのは私なんですけど、ほっとけないみたいな感じがして。

灯里愛夏大丈夫ですよ。東京のイケイケシティガールなので。

レトラそういうところよ(笑)。

一同 (笑)。

レトラそんな感じです。宇宙ちゃんはクールビューティという感じで、上から下までジロジロ見てしまったんですけど。

上水流宇宙そうだったんですか。知らなかったです。

レトラ自分がこういう感じなので、クールな方に憧れるところがあって、「あーいいな。美しい」と思って見ていました。みんなジャンルが違って、楽しいメンバーになりそうだなと思います。

――アイドルを目指したキッカケと、どういうアイドルになっていきたいかを教えてください。

勝股今度はレトラさんからいきましょう。

レトラキッカケは音楽を続けるか、就職するかをすごく迷っていて、そのときに最後にやってみないかとチャンスをいただいたので、全力でがんばっていきたいと思っています。そして、歌を全国民に届けて心を通わせたいなと思っています。

上水流宇宙魔法少女とかに憧れたのがキッカケです。じつは私はこの中でいちばん長く芸能活動を行っているのですが、なかなかうまくいかなくて。でも、アイドルやキラキラした女の子になりたいという夢は諦められなくて、そんなときにお声掛けいただいた、このプロジェクトに最後のチャンスとして参加しました。どんなアイドルになりたいかというと、その名の通りキラキラとした誰よりも輝けるアイドルになりたいなと思っています。

灯里愛夏アイドルを目指したキッカケとしては、ボランティアに行ったことがあって、そのときに子どもたちと遊んだり、読み聞かせをしたりしているときに、自分が行ったことに対して、子どもたちが笑顔になってくれるのがすごくうれしくて。「私にも人を笑顔にできる力があるのかな? もしあるんだったら、私もいっしょに笑顔になりたい」と思って、選んだのがアイドルでした。小さいころからあまり前に出られなかったり、自信を持てなかったりする性格なので、そんな自分を変えたい、変わりたい、変わらなきゃと思って、一歩踏み出す勇気を持つために今回プロジェクトに参加したという感じです。あー、もう何を言っているのかわからない(笑)。

上水流宇宙あってますよ。大丈夫。

灯里愛夏みんなと笑顔になりたいし、みんなとハッピーになりたい、ヤッピー(※灯里愛夏さんの挨拶で、“やったるぜ、ハッピー”の略とのこと)なアイドルになりたいという感じです。

――最後のチャンスというようなことを話されていましたが、リアルやバーチャルを含めて多数のアイドルオーディションがある中で最後と決めたのはなぜでしょうか?

レトラひと言で表すのが難しいですね。

勝股少し難しいかもしれないので、ラストというところがありつつも、このプロジェクトに参加した気持ちでもいいかなと思います。

レトラ気持ち……。

勝股難しいかな?

上水流宇宙私からいましょうか。

勝股おっ、じゃあ宇宙さん。

上水流宇宙先ほどもお話ししましたが、私は長いこと芸能活動をやっていて、もうすぐ10年経ちます。ですので、続けるか、辞めるか、そういった決断も含めてのプロジェクトへの参加だったので、最後というのはそういった理由があります。でも、アイドルへの挑戦が最後なだけで、芸能活動に関してはまだわからなかったりするんですけど、私の集大成という意味を込めています。

勝股続いて、愛夏さんいけそうですか?

灯里愛夏まかせてくださいよ。あっ、まかせてくださいと言ったのにわからなくなっちゃった(笑)。

上水流宇宙落ち着いて。

レトラ深呼吸、深呼吸。

灯里愛夏私は宇宙ちゃんと年齢はいっしょなんですけど、立場的には逆で。私は上京してからやっと2年目になったところで、アイドルを目指して養成所に通い出してからも2年目という感じなんです。いまの16歳なんですけど、アイドルを目指し始めるには年齢的に少し遅いスタートになるので、私としてはそこがちょっとコンプレックスな部分でもあって。そんな中で前に出られない性格がアイドルになるのは壁になっているところがあったので、そういう自分を変えるために、「これがラストチャンスだ。がんばるぞ!」という気合を持って臨んだという感じです。私は追い込まれないときっとできないと思っているので、自分を追い込むためにラストチャンスと決めて、このプロジェクトに参加しました。

勝股レトラさん、いけそうですか?

レトラはい! 私もふたりと似たり寄ったりの部分もあるんですけど、この中ではいちばん年上で19歳です。専門学校にも通っていて、先ほどお話ししたように「これからどうしていくのか?」とすごく迷っていたところに運よく声を掛けていただけて。オーディションにも年齢制限があるものなので、年齢的にもラストチャンスかなというのが大きいかなと思っています。

[2023年4月15日11時15分修正]
一部記載内容について、文章を修正いたしました。