終末世界を舞台とするリアルタイムバトル収集オープンワールドRPG『鳴潮(めいちょう)』。4月25日からはクローズドβテストが開催される本作のインタビューをお届けしていく。

 本作は、基本無料で楽しめるオープンワールドアクションRPG。特徴的な要素“音骸”を集め、使役し、宿命と向かい合っていくことになる。

 インタビューでは、プロデューサーのSolon Lee氏に本作の注目のポイントやこだわった部分をおうかがいした。

※この記事はKURO GAMEの提供でお送りします。

Solon Lee

ゲームプロデューサー。本作でもプロデューサーを務めているほか、配信中のスマートフォン向けアプリ『パニシング:グレイレイヴン』のプロデューサーを担当。文中は敬称略。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

終末世界を描く作品ならではのコンセプトやアートでこだわったポイントを聞く

――最初に『鳴潮』を基本無料で展開することになった理由をお教えください。

Solon Lee無料でより多くのユーザーに『鳴潮』というオープンワールドARPGを知ってもらいたいと考えたからです。高品質でおもしろいゲームコンテンツでユーザーに感動を与えたいとも思っています。

 もちろん、私たちがよく知っている開発フローで、もっともっとチャレンジをしてみたいのもひとつの理由です。

 『鳴潮』の発売をきっかけに、ユーザーにもっとおもしろい体験をお届けして、ユーザーのフィードバックに耳を傾けることができて光栄に思います。そのため、基本プレイ無料で新作を配信することにしました。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――本作の特徴や、目玉の要素はどこでしょうか?

 ゲームにはそれぞれ独自の魅力があるように、『鳴潮』も個性的でユニークなゲームになると思います。

 世界観、ストーリー、アクションシステム、音骸システム、すべてにおいてほかのゲームと一線を画す体験をユーザーにお届けしたいと考えております。

 例えば、本作の世界観やアートでは、私たちの思い描く終末世界をモチーフとしたライトなSFテイストを全力で描いています。

 また、ひと目見れば統一感があると思っていただけるユニークな美術スタイルにしたのは、作品設定の背後にある世界の厚みを表現したいからです。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る
終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――ハイクオリティな画面やレンダリング効果を実現する方法は、なんだったのでしょう?

 『鳴潮』の特徴に合った雰囲気のシステムと環境スペシャルエフェクトをたくさん作りました。

 正式サービスに向けて、ストーリー、画面と遊び方をより密接に結びつけて、より臨場感のある体験をしてもらえるように開発を進めていきたいと思います。

 ただきれいに見せるだけでなく、美術面の努力で『鳴潮』の物語に込められた感情をリズムよく解放していきたいと思います。

 モデリング、レンダリング、パフォーマンス、これからもどんどん改善していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

――プレイヤーは、この世界でどのような立ち位置になるのでしょうか?

 ゲームのストーリーにかかわるので、しばらく秘密にさせていただきたいですが、ユーザーは『鳴潮』の世界で非常に重要な存在であることは間違いありません。

 引き続き、『鳴潮』の特徴に合ったキャラクターストーリーを作成し、漂泊者の皆さんのゲーム体験を豊かなものにしていきたいと思います。しっかりゲームを体験していただければ、プレイヤーの皆さんがどのような存在なのかわかりますよ。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――本作の世界観の文明レベルは、あまり科学が発展していないように見えます。現代を中心とすると、時代設定的にはどの位置になるのでしょうか?

 架空の世界と考えていただいても大丈夫ですが、私たちの生きるこの時代より何年後も未来の世界という設定になると思います。

――『鳴潮』のアートスタイルとキャラクターデザインのコンセプトを教えてください。

 『鳴潮』の芸術スタイルは、実は私たち自身の頭の中の構想に基づいてデザインされたものが多く、具体的な言葉で定義するのは難しいです。

 私たちはまず鳴潮現象の大体の様子を想定し、影響を受けた共鳴者は星痕を持つというコンセプトにしました。

 また、ストーリー全体は近未来なので、デザインコンセプトは現代風にもとづくSFにしようと考えました。

 ストーリーの異なる国に基づいて、現代の異なる要素を融合させます。キャラクターデザインは、共感能力、所属組織や性格の特徴に基づいて行いました。

 実は、このキャラクターを生み出すところのさじ加減がですね、私たち自身にとっても難しいものなんです。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――登場するメインキャラクターたち白蓮(ビャクレン)や熾霞(シカ)、秧秧(ヤンヤン)といったメインキャラクターは、どういう流れで仲間になるのでしょうか?

 この3人の共鳴者は、ゲームの序盤からユーザーといっしょに旅に出ることができるようにデザインされたキャラクターたちです。

 3人にはそれぞれのストーリーもつけますので。どのような形で冒険に登場するのか、それはご自身でゲームの中で体験してほしいと思います(笑)。

3人の共鳴者の詳しい紹介

――例えば親密度があり、そういうものを高めるとキャラクター専用のストーリーを読めるといった、お気に入りのキャラクターに対して愛が深まる要素はあるのでしょうか?

 はい。『鳴潮』の中のすべてのキャラクターは私たちが全力を注いだ大切な存在です。

 私たちが作ったストーリーでユーザーをとりこにして、心を動かすコンテンツでゲームのキャラクターへの理解を深めてほしいと思います。

 ゲームの中で、キャラクターに関連する裏のストーリーも入れました。例えば忌炎の貴重なアイテム“ひょうたんの薬箱”は、忌炎の生い立ちを語るだけでなく、その性格を形づけるものでもあります。

 それぞれのキャラクターにも好き嫌いがありますが、私たちとしては、生き生きとした、個性溢れたキャラクターを作り上げたいと思っています。

 そのためにもキャラクターに関するコンテンツを充実させ、増やしていきたいと思います。ユーザーからのたくさんの体験談とフィードバックをお待ちしております。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――陣営について、基本は主人公と密接な関係にある“皇龍”とかかわることになると思うのですが、簡単に言うと“皇龍”が味方、“黒海岸”が敵という認識でしょうか?

 皇龍は人類文明をこの大地に再び蘇らせるために鳴潮生態と抗争し、主人公がゲームで遭遇した最初の勢力陣営です。

 黒海岸は、世界で最も危険な場所に渡り、仲間を集め続け、理想主義という情熱で、この揺れ動く世界を救おうとしている神秘的な救世組織です。

 各陣営には独自のキャラクターデザインがあります。例えば黒海岸のメンバーや島に招待された客は、黒い花を身につけています。

 このふたつの勢力の関係は、漂泊者の皆さんに実際のゲームを探索しながら楽しんでほしいと思います!

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作るシステム

――ボス戦では、派手なアクションが見られました。基本はボスの攻撃に対してジャスト回避を狙って、隙を見てダメージを与えていくようなバトルの流れになるのでしょうか?

 ほとんどの場合、キャラクターのメカニズムに基づいて、できるだけ短時間で最適なダメージを与え、回避やパリィを適時に運用することが多いと思います。

 超難しいバトルはとくに望んでおりませんので、キャラクター間の協力を中心にデザインしたいと思います。

――アクションゲームが苦手、もしくは初心者でもボス戦が遊びやすくなる、救済措置のような要素はありますか?

 はい。アクションゲームが苦手な人や初心者向けのゲーム体験は、ゲームをデザインする際に、とくに重要な考慮事項のひとつなんです。

 『鳴潮』はオープンワールドのゲームなので、広い世界で遊んでもらうのがいちばんおもしろいと考えており、とくに超高い難易度コンテンツを強調することはありません。

 高い難易度が好きなユーザーにとっては、特定の遊び方で楽しめると思っています。

 バトルのくり返し、改善、最適化には余念がなく、私たちは引き続きユーザーの要求に耳を傾け、最適化されたバトルの品質を磨き続け、よりよいバトル体験をお届けしたいと思います。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――ボス戦を制作するうえで、こだわった部分はありますか?

 私たちが気になるのは、デザインにオリジナリティがあるかどうか、アクションのパフォーマンスに合理性があるかどうか、ストーリー性があるかどうか、難易度に合理的な範囲内にあるかどうか、ゲームリズム(テンポ)の面でユーザーに自分の腕を見せるチャンスを残しているかどうかなどです。

 また、ボスの細部デザインについては、一部の資料を公式サイトで公開しております。

 例えば、以下のようなボスの行動があります。

  1. 無冠者(ボス)は思考モードに入り、主人公を見つめて観察を始める。
  2. 主人公の話を真似したり、主人公の心の声を読み上げたりする。例えば、長時間ずっと攻撃しない場合、「漂泊者、攻撃方法を忘れたのか?」と言い出す。
  3. 喜んでいるときは攻撃速度が上がり、怒っているときは殺傷力のある広範囲攻撃を発動。哀しいときは防御や反撃といった守りに入り、恐れるときは主人公に猛攻をしかけてくる。

 現在公開されているボスのデザイン資料をご覧になるとおわかりになると思いますが、各ボスの細部などに本当に工夫を凝らしています。もちろん、ユーザーにもっとよいゲーム体験を届けたいからです。

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――オープンワールドを制作するうえで、こだわった部分はどこでしょうか?

 オープンワールドを制作するうえでこだわった部分は、オープンワールドのテーマをどれだけ深く掘り下げられるか、動線が豊富なのかどうか、ユーザーにサプライズを与え続けられるかどうか、ランドマークのデザインが十分に美しいかどうか、NPCとモンスターが興味深い存在であるかどうか、鳴潮現象の影響をよく描写できるかどうかなどです。

 私たちのチームも『鳴潮』の世界観づくりを重視しています。クリエイターとして、自分が作った世界がみんなに認めてほしいと思っています。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――本作の注目の要素である“音骸”システムは、どういったものなのでしょうか?

 簡単に言うと、実はこの世界でユーザーが出会ったすべてのモンスターは、ゲットできるんですよ。手に入れたモンスターのデータを利用し、彼らのスキルを使用することができます。ユーザーは、最も気に入ったモンスターを指定して組み合わせることが可能です。

 このシステムによって、ユーザーのバトルスキルの組み合わせは多彩になり、鳴潮世界に存在するモンスターたちにも注目してもらえると思います。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――“音骸”はいっしょに戦ってくれるというよりは、攻撃やスキルの1種であるという使い方をするのでしょうか?

 音骸はモンスターを倒すことで、スキルを集められる収集的な側面、バトルで活用できるカスタイマイズ要素の側面を備えています。

 これはモンスターという存在をおもしろくしようと考えていくなかで、できあがったものでもあります。ただモンスターを倒すだけでなく、倒した後にどう使うか、さらに倒すためにはどうするか、そんなゲームプレイの過程にある遊び方にとくに力を入れたいと考えています。

 強力なモンスターと爽快に戦うことができる一方で、ユーザーがチャレンジを続けているうちに、モンスターのスキルをゲットすることもあります。またゲットしたモンスターのスキルで、さらに強敵とのバトルに挑戦……といった、ひとつのサイクルができます。

 現時点で音骸のスキルは攻撃、防御、回複、変位などいろいろあります。チームとしても、この音骸スキルは本作の最も重要で、最もおもしろい体験のひとつにしたいと考えております。

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――コミュニティ活性化を図るクリエイター募集イベントを開催するとのことですが、クリエイターたちは配信や動画などには積極的にかかわっていくことになるのでしょうか?

 ファンの皆さんがいっしょにコンテンツづくりに参加することは大歓迎です。『鳴潮』の内部テストをきっかけに、より多くのコンテンツクリエイターに『鳴潮』の楽しさを体験してもらいたいと考えています。

 そしてクリエイターたちと一緒に、ユーザーに好まれるような豊かでおもしろいコンテンツを持つコミュニティを構築したいと考えています。

 ユーザーと一体になり、ユーザーの声に耳を傾けることは、KURO GAMEがずっと心がけていることなのです。

 クリエイターの皆さんにもコンテンツ製作のサポートをしていきますので、ご参加とご支援をよろしくお願いします。いっしょにおもしろいゲームを作りましょう!

終末世界を舞台にしたオープンワールドRPG『鳴潮』インタビュー。重要な“音骸”システムはバトルを楽しくするサイクルを作る

――CBT終了後にコンテンツ追加予定はありますか?

 CBTが終わった後でも、引き続き『鳴潮』の公式SNSで最新情報を発信していきます。

 公式Twitter、YouTubeなどのSNSをフォローしてくださいね。今後もゲームに関する情報をお届けしていきますので、ご期待ください。

――最後に日本のプレイヤーの皆さんへコメントをお願いします。

 日本の有名なゲームメディアであるファミ通のインタビューを受けることができて光栄に存じます。

 ユーザーの皆さんにこの新しい作品をお届けするのが楽しみです。ゲーム業界の人間として、皆さんに注目されていること、作ったものが皆さんに気に入ってもらえることが何よりうれしいし、誇りに思っています。

 皆さんが、これからも『鳴潮』を応援してくれることを願っています。開発チームも引き続き、高品質でおもしろいゲームコンテンツを提供できるように努力してまいります!