世界初の加速度センサーを使った携帯用ゲーム
いまから23年前の2000年(平成12年)8月23日は、ゲームボーイカラー用『コロコロカービィ』が発売された日。
『コロコロカービィ』は、任天堂から発売されたアクションゲーム。加速度センサーを搭載した特殊な“動きセンサーカートリッジ”を採用しており、ゲームボーイカラー本体を傾けたり跳ね上げたりすることでコロコロと転がるカービィを操作できた。ちなみに、カートリッジの色はカービィらしい“クリアピンク”だったので、ソフトを買った人は印象に残っているかもしれない。
ファンに熱望されながら長らく移植されていなかったが、2023年6月6日より“ゲームボーイ Nintendo Switch Online”にて配信開始。いままさに遊んでいる真っ最中なんてユーザーも多いのではないだろうか。
本作最大の特徴は、やはり加速度センサーを利用した直感的な操作になるだろう。すなわちゲームボーイカラー本体を右に傾ければゲーム内のカービィも右へと転がり、本体を跳ね上げればカービィもジャンプするという操作だ。
現代では加速度センサーやジャイロセンサーを利用する作品は珍しくはないし、ユーザーは意識しないまま日常的に使っているはずだが、当時はこれが画期的で「どうなっているの!?」と不思議に思ったし、同時に非常に驚かされたものだった。
後に発売されるWiiやニンテンドー3DS以降のゲーム機では、これらの機能が本体やコントローラーに標準搭載。『コロコロカービィ』で先駆け的に採用された機能は、いまではゲームと切っても切れない関係にあると言っても過言ではない。
物語はカービィが雲の上でお昼寝をしているところからスタート。ワドルディとデデデ大王が見たこともない道具を持って走っていく姿を偶然目撃したカービィは、彼らを怪しみ追いかけるのだが、プププランドに降りてみると空には星がひとつもなくなっていてビックリ。かくしてカービィは、奪われた星を取り戻すため冒険へと旅立つというわけだ。
本作のカービィはおなじみのコピー能力を使うことはできず、落下したりタイムオーバーでミスにならないようにしながらゴールを目指す。システムは至極シンプルなのだが操作が特殊だったこともあり、慣れるまでは落下しまくったりしてかなり難しかったんじゃないだろうか。
全32ステージ(全8レベルあり、各レベル4ステージ構成)の各ステージには“レッドスター”が隠されており、すべて集めれば隠しステージの“エクストラレベル”がアンロック。さらなる激むずコースに挑戦できた。また、“ブルースター”を入手してゴールすればミニゲームに挑戦して残機アップを狙うことも可能だった。
各レベルの最終ステージにはボスが待ち受けていてジャンプアタックや空気弾などで攻撃。“メガイター”や“クラッコ”、“デデデ大王”と対決していく。なぜか『コロコロカービィ』のボスはひとつ目で目玉が大きなやつばかりだったので、筆者的には若干怖かったイメージがある。メガイターは何度も出てくるし……。
いま本作で遊ぶなら、前述の通りNintendo Switch Onlineに加入してしまうのが手っ取り早くておすすめだ。いつもと異なる一風変わった『カービィ』をこの機会に体験してみるのもいいかもしれない。