かつて“豪傑”と呼ばれ人気格闘ゲーム『バーチャファイター』シリーズのトッププレイヤーとして活躍していた大須晶氏。現在は格闘ゲームを中心にさまざまな大会やイベントに足を運び、プレイヤーたちの雄姿を写真に収めるeスポーツフォトグラファーとして活躍中だ。そんな大須晶氏にインタビューを敢行。カメラマンを始めたきっかけや醍醐味について語っていただいた。

大須晶(おおすあきら)

eスポーツフォトグラファー。格闘ゲームを中心にさまざまなイベントや大会の撮影を行うカメラマン。

カメラマンを始めたきっかけ

――大須さんがカメラマンを始めたきっかけは?

大須晶『バーチャファイター』シーンにおいては、もう20年以上前の『バーチャファイター2』のころからプレイヤーをフィーチャーしていたんですよ。でも当時の2D格闘ゲームシーンでは、すごいプレイヤーがたくさんいるのになんでフィーチャーされないんだろうと。イベントレポートの写真があっても、とりあえず撮っているだけみたいな感じで、強いしかっこいいのにもったいないなと。

 もともとスナップショットみたいな写真が好きだったので、ずいぶん昔から『バーチャファイター』のコミュニティー内ではちょくちょく写真を撮っていたんですよ。

――趣味で撮影しているころからカメラは持っていたんですね。

大須晶ちょっといいコンデジを持っていましたね。その後に一眼レフカメラが一般的な値段になって、それで大会の写真を撮りに行ってみるか!って。

――それで一眼レフカメラを買って撮影を始めたんですね。それは仕事ではないですよね?

大須晶完全に趣味ですよ。それまで見てきたメディアの写真でいいなと思ったことはなかったんですけど、自分でいい写真が撮れたときは、「この選手のいいところ出てるわー」って(笑)。それで楽しくなっちゃって、ゲームの攻略みたいなものですよね。その選手のふだんよりかっこいい顔を撮れたらプラス100点みたいな。それで気づいたらメディアとして撮影するようになっていて……という感じです。

 当時(『ストリートファイターIV』のころ)、ハメちゃん(ハメコ。氏:eスポーツキャスターとして活躍中)がゲームメディアで働いていて、格ゲー業界に詳しくて写真を撮れる人がいなかったので、自分に声をかけてくれたみたいです。

――カメラマンの醍醐味はどういうところにあるんですか?

大須晶いまはいろいろなものを撮らせていただいていますけど、けっきょく格ゲーが好きで撮っているようなものなので、やっぱりプレイヤーじゃないですかね。イベント全般の写真というのも好きなんですけど、やっぱりプレイヤーを撮ることですね。ふだんは隠れている表情を撮りたいですよね。

 あとは、格ゲーの大会はすごく緊張感があって、非日常的な空間なわけですよ。選手の表情とか構図とか陰影が伝わるといいなと。自分が撮った写真を通じて、大会などに興味を持ってもらって、実際に足を運んでみようと思うきっかけになってくれたらうれしいですね。

 記事では大須晶氏がカメラマンとして活動するきっかけについて語っていただいた。以下の動画では、これらの話題に加えて“ゲームの理解と写真の関係性”、“思い出の現場”をテーマにしたトークも行っているので、ぜひチェックしてほしい。