リアリティーが没入感を極限まで高めてくれた作品

 2018年(平成30年)10月26日は、プレイステーション4及びXbox One用『レッド・デッド・リデンプション2』が発売された日。本日で発売から5周年を迎えたことになる。

 『レッド・デッド・リデンプション2』は、ロックスター・ゲームスから発売されたアクション・アドベンチャーゲーム。略称は『RDR2』。『レッド・デッド・リボルバー』、『レッド・デッド・リデンプション』に続く『レッド・デッド』シリーズの3作目に当たる作品だ。

『レッド・デッド・リデンプション2』が発売5周年。全世界5500万本出荷の傑作オープンワールド。緻密に作り込まれた世界で無法者の生き様を描く【今日は何の日?】

 前作からオープンワールド型ゲームにシフトし、本作『RDR2』もそれを継承。世界各国のメディアやゲームファンから「最高のオープンワールドゲーム」といった称賛を浴びている。2023年8月に親会社であるテイクツー・インタラクティブが発表した業績報告によれば『RDR2』の累計出荷本数は5500万本を突破したというのだから凄まじい。

 また、今年(2023年)8月に突如として2作目にあたる前作『レッド・デッド・リデンプション』がNintendo Switchとプレイステーション4向けに移植されることが発表。メディアを賑わせたのが記憶に新しいところだ。

 本作の舞台となったのは1899年、西部開拓時代が終わろうとしているアメリカ。法執行官はギャングたちを一掃しはじめ、無法者たちにとっては生きにくくなってきたそんな時代が描かれる。前作は1910年以降の話だったので、『レッド・デッド・リデンプション』で活躍したキャラクターたちの若かりしころの姿が見られるとあって大きな話題となった。過酷な道を進むことになる彼らの元気な姿に、目頭を熱くしたファンも多かったんではないかな。

『レッド・デッド・リデンプション2』が発売5周年。全世界5500万本出荷の傑作オープンワールド。緻密に作り込まれた世界で無法者の生き様を描く【今日は何の日?】
『レッド・デッド・リデンプション2』が発売5周年。全世界5500万本出荷の傑作オープンワールド。緻密に作り込まれた世界で無法者の生き様を描く【今日は何の日?】
『レッド・デッド・リデンプション2』が発売5周年。全世界5500万本出荷の傑作オープンワールド。緻密に作り込まれた世界で無法者の生き様を描く【今日は何の日?】

 『RDR2』での主人公はアーサー・モーガン。通称“ダッチ”をリーダーとするダッチ・ギャングの最古参のメンバーだ。アーサーはギャングの仲間たちとともに連邦捜査官の追跡を振り切りながら、生きるために強奪や抗争など、法を犯す悪事に手を染めていくことになる。仲間のメンバーの中には前作の主人公であるジョン・マーストンもおり、後にメインストーリーに大きく絡んでくるところもうれしかった。

 プレイヤーたちが圧倒されたのは、やはり濃密に作り上げられたオープンワールドの世界。川の流れや揺れ動く樹木、ぬかるんだ未舗装の道など、そこかしこが実写と見間違えるような美しさに溢れていて思わずため息が出てしまうほど。

 なかでも朝もやの漂う朝の空気感は格別で筆者はとくにお気に入りだった。朝、目を覚ましてベッドから這い出てキャンプの焚き火を囲み、仲間たちと談笑しながらコーヒーを1杯。こんなことをわざわざする必要はないのだが、日々の暮らしを送っていくのが本当に楽しくて、ひと仕事する前に生活系ゲームのようなルーティンをいちいちこなしていた思い出がある。キャンプ内では歩きしかできなかったり操作面は独特過ぎたけれど、きっと同じような思いを抱いていたユーザーもいたはずだ。

『レッド・デッド・リデンプション2』が発売5周年。全世界5500万本出荷の傑作オープンワールド。緻密に作り込まれた世界で無法者の生き様を描く【今日は何の日?】
『レッド・デッド・リデンプション2』が発売5周年。全世界5500万本出荷の傑作オープンワールド。緻密に作り込まれた世界で無法者の生き様を描く【今日は何の日?】
『レッド・デッド・リデンプション2』が発売5周年。全世界5500万本出荷の傑作オープンワールド。緻密に作り込まれた世界で無法者の生き様を描く【今日は何の日?】

 世界にはAIで制御された人々が生活を営んでいて、移動する道すがらつぎつぎと突発的なイベントが発生するのがおもしろかった。多彩な気候も存在し、約200種類にも及ぶ動物や鳥、魚が生息していたことにも驚かされた。食料や資源とするための狩猟を行うことも可能で、これがストーリーそっちのけでハマってしまうおもしろさ。

 動物たちの生態はかつてないほどのリアリティーがあり、動物の追跡にわりと本気で集中力や忍耐力が必要だったところもユニーク。風向きによって匂いを感知されてしまうし、一撃で仕留められなかった場合は血痕を頼りに追跡するはめになる。弾丸が身体に当たれば毛皮を傷付け、価値を大きく下げてしまうなんて要素もあった。瀕死の動物の息の根を止め、毛皮を剥がす場面がディフォルメなしで描かれる点もなかなかに衝撃的だ。しかも仕留めた獲物や剥いだ毛皮を運ぶのだって重労働だし、売りさばくのも大変だったのだからヤバかった。

 『RDR2』のユーザーは、オンラインゲームの『レッド・デッド・オンライン』で遊ぶこともできた。2018年12月からベータ版が配信され、2019年5月16日から正式版としてサービスがスタートしている。こちらはオリジナルのキャラクターを作成し、本編と同じ世界を冒険していくモードだ。プレイヤーどうしで戦えるため、筆者は人を見かけるたびに逃げ回っていた記憶がある。

 2023年8月17日には、前述の通りNintendo Switchとプレイステーション4向けに『レッド・デッド・リデンプション』の移植版が発売された。『RDR2』とも大きく関わりのあるストーリーなので未体験であればぜひ遊んでおきたい作品だ。

これまでの今日は何の日?
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