※本記事は、2021年11月27日にアップした記事を再編集したものです。
ネットワーク機能を標準搭載した夢のマシン
1998年(平成10年)11月27日は、ドリームキャストが発売された日。本日で発売から25年を迎えた。
ドリームキャストはセガから発売された、セガサターンの後継機にあたる据え置き型ゲーム機。同世代のマシン(プレイステーション2、ゲームキューブ、Xboxなど)の中でもっとも先行して発売され、湯川専務のCMなどとともに当時非常に話題となった。復刻版のメガドライブミニやゲームギア ミクロを含めなければ、現状本機がセガが発売した最後の家庭用ゲームハードとなる。
他社のハードと比較して先進的だったのは、ネットワーク機能を標準搭載していた点。モデムを内蔵していたため、ケーブルを繋ぐだけで簡単にインターネットに接続してウェブサイトを閲覧したり、チャットなどでコミュニケーションを取ったりすることができた。Xboxや後期の薄型プレイステーション2も本体のみでネットワークに接続できたが、それらよりも数年先行していたのだからスゴイのひと言。簡易的なホームページを作るのも容易だったので、オリジナルの掲示板などを作って楽しんだ人もいたんじゃないかな。
当時はダイヤルアップ接続がふつうで、ほとんどのユーザーがテレホーダイの時間帯(23時から翌朝8時まで)を狙って遊んでいたはず。筆者も例に漏れず、23時になるのと同時にドリームキャストを起動して、夜通し『ファンタシースターオンライン』をやり込んだ思い出がある。ほかにも『あつまれ!ぐるぐる温泉』や『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』、『セガラリー2』など、ネットワークに対応したゲームが多数あり、本機で初めてネットワークゲームの楽しさを味わった人も少なくなかったと思われる。
液晶画面が付いたメモリーカードの“ビジュアルメモリ”もユニークな存在。セーブデータなどを保存できるほか、超小型の携帯用ゲーム機のように利用することも可能で、ミニゲームをダウンロードしてプレイできた。
ビジュアルメモリ本体には十字ボタンやA・Bボタンなどもあり、背面のスピーカーから音も出せる。ボタン型電池が切れた状態でドリームキャストを起動すると「ピーーー」とビジュアルメモリから大きな音が鳴るのが玉に瑕。まあ、ドリームキャストユーザーあるあるなので、いまとなってはいい思い出であろう。ちなみに、プレイステーションのポケットステーションよりも早くに発表・発売されている。ゲームファンなら覚えておきたい。
「セガなんてダッセーよな。プレステのほうがおもしろいよな」という衝撃的なフレーズの湯川専務シリーズのCMも当時非常に人気を博した。昔は比較広告がけっこうなブームだったが、自虐的なものは見たことがなかったので驚いたゲームファンも多いはずだ。湯川専務役は当時実際に現役の専務だった湯川英一氏が務めていて、有名な専務として一躍時の人になったと言っても過言ではないだろう。
2022年6月に舞い込んだ湯川専務逝去の報せは多くのファンを驚かせた。しかも、2021年に亡くなっていたという事実に多くの業界人も驚きの声を上げ、生前を偲んだ。
ドリームキャストのローンチタイトルは、『バーチャファイター3tb』や『ゴジラ・ジェネレーションズ』を始めとする4タイトル。やはり注目は『バーチャ3』で、筆者もこれが目当てで購入。週刊ファミ通での仕事で朝帰りになったので、朝7時くらいにセブン-イレブンで本体といっしょに受け取って帰宅したのを覚えている(笑)。
『シェンムー』や『ファンタシースターオンライン』シリーズなどの名作も数多く、パッと思いつくタイトルでも『クレイジータクシー』、『サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~』、『シーマン ~禁断のペット~』、『スペースチャンネル5』、『ソウルキャリバー』、『バイオハザード コード:ベロニカ』、『ソニックアドベンチャー』など多数。当然ながらアーケードゲームの移植にも強く、“NAOMI”基板のタイトルならほとんど遜色なく移植できた。
筆者はドリームキャストを3台持っていたくらいのファンだったが、セールス的には振るわず残念ながら2001年3月31日に製造終了となってしまった。