ロジクールG初のゲーミングマイク『Yeti GX』が発表された。発売日は2024年2月15日、直販価格は32780円[税込]。一足早くロジクールG『Yeti GX』を試せたのでインプレッションをお届けする。

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ダイナミック型×超単一指向性がゲームにピッタリ

 まずは『Yeti GX』が採用しているダイナミック型と超単一指向性について大まかに説明しよう。

 マイクはおもにダイナミック型とコンデンサー型にわかれている。ダイナミック型はマイク近辺の音(声)を拾うことに特化している。振動や衝撃にも強く、本体に何かが当たったりマイクを動かしても音がほぼ入らず、大音量における音割れもしにくい。『Yeti GX』はダイナミックマイクなので、これに該当する。

 一方、コンデンサー型は繊細な音までも拾えるのでスタジオなど環境が整った場面で利用が推奨される。ちなみに、現状では多くのUSB接続のゲーミングマイクがコンデンサー型を採用している。

ロジクールG初のゲーミングマイク『Yeti GX』レビュー。ダイナミック型×超単一指向性でお手軽にクリアーな音声に。ゲーム配信やボイチャにピッタリ

 さらに、『Yeti GX』は超単一指向性(スーパーカーディオイド)を採用している。単一指向性とは、マイク正面への感度が高いタイプのことを指す。

 中でも超単一指向性は、感度の高さはそのままに音を拾える範囲が狭いため、側面から入ってしまうノイズをさらに遮音できる。その分、マイク位置やマイクを向ける角度には気をつける必要がある。

 つまり、ダイナミック型かつ超単一指向性の『Yeti GX』は余計な音を限りなくシャットアウトしてクリアーな音声を目指したマイクというわけだ。

ロジクールG初のゲーミングマイク『Yeti GX』レビュー。ダイナミック型×超単一指向性でお手軽にクリアーな音声に。ゲーム配信やボイチャにピッタリ
ロジクールG初のゲーミングマイク『Yeti GX』レビュー。ダイナミック型×超単一指向性でお手軽にクリアーな音声に。ゲーム配信やボイチャにピッタリ

 実際にマイク本体の正面と側面を叩いてみると、衝撃のノイズに関してはかなり軽減されていた。

GHUBでイコライザーやボイスエフェクトが設定可能に

 『Yeti GX』は専用ソフト“Logicool G HUB”(GHUB)を使うことで真価を発揮する。

 “BLUE VO!CE”という機能を有効にするとボイスをさらに大きくかつクリアーにしてくれるほか、イコライザーやボイスエフェクト、ノイズ除去関係など細かなマイク設定も可能となる。

 “BLUE VO!CE”やエフェクトを使って収録した音源を用意したので、まずはこちらをご確認いただきたい。

Yety GXテスト収録

 また、“BLUE VO!CE”の中には配信者向けのブロードキャスターモードや、自然な声に近づけたナチュラルモードなどすでに設定されたプリセットも完備。一から設定をいじらなくていいため、マイクに詳しくない人でも簡単に扱えるのはたいへんありがたい。

 筆者は友人とゲームする際に喋るぐらいなのでナチュラルモードを選択。ナチュラルモードでは、イコライザーが強くなく自然に発した声に近い状態に調整されるので、複数人と喋るときに最適だ。

 設定の数値はほとんど変えておらず、マイク感度を下げたぐらい。それでも問題なくクリアーに音を拾ってくれる。基本的にはプリセットのまま、自分の環境に合わせて少しずつ調節していく流れとなる。

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数値の変更はバーを動かしたり、直接入力できる。また【…】をクリックすると、アタックやリリースなどより詳細な設定もいじれる。ただし、上級者向け。
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GHUB設定画面。録音機能が付いているので、声を再生しながら調整していけるのが非常に便利。

 ちなみに、おまけ程度ではあるがボイスエフェクトも使用可能。エフェクトは20種類も用意されているので、友だちとちょっとしたお遊び感覚で気軽に楽しむことができる。

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 筆者お気に入りのエフェクトは“機械声”。『ニーア オートマタ』に登場する機械生命体のような声が表現できるので、それっぽいセリフを録音・再生してひとりで笑っていたのは内緒だ。

無駄を省いたシンプルな形状。ミュート物理ボタンで誤操作を防ぐ

 マイク本体はカプセル形をしておりいたってシンプル。スタンドとネジで留めているだけなので付け外しも簡単だ。

ロジクールG初のゲーミングマイク『Yeti GX』レビュー。ダイナミック型×超単一指向性でお手軽にクリアーな音声に。ゲーム配信やボイチャにピッタリ
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アームは別途用意する必要があるものの、付属しているアーム用の固定具から取り付けられる。

 スタンドを含めた重さは約600gと、倒れないよう重量を確保しつつも動かしづらいというわけでもない。ちょうどいいどっしり感だ。

 高さは、マイクを真上に向けた状態で約23センチ。自分のほうへ傾けたりするとそれ以下に収まるのでモニター前に置いても気にならない。場所を取るスペースが少ないのは好印象だ。ただ、有線なのでデスクに置いた場合、ケーブルの配線をどうするか考える必要がある。

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RGBライトも搭載されており、ゲームプレイの雰囲気を演出してくれる。Gのロゴとマイクのおしり部分が光るが明るすぎないのであまり気にならない。

 マイク本体にはミュートにできる物理ボタンと、マイク感度を変更できるホイールが付いている。感度のちょっとした調節ならここから変更できるので、いざというときに便利。ダイナミック型であれば衝撃に強く音も拾われにくいので、物理ボタンで確実かつ安全にミュートすることができる。

 多くのコンデンサー型ゲーミングマイクは物理ボタンだと操作音を拾ってしまうためタッチボタンを採用している。タッチボタンは静かに操作できるが、少しでも触れてしまうと意図せずに切り換わってしまうデメリットもあった。

ロジクールG初のゲーミングマイク『Yeti GX』レビュー。ダイナミック型×超単一指向性でお手軽にクリアーな音声に。ゲーム配信やボイチャにピッタリ
ミュートボタンを押すと、ホイール部分の色が変化するためひと目でわかるようになっている。

 これまで、ミキサーにダイナミックマイクを通して使っていた筆者にとって、USBマイクは初の体験。ここまで場所を取らず、さらには専用アプリでマイクの調節が簡単にできることに驚いた。

 『Yeti GX』では、お手軽に自分の声がクリアーに聞こえるのでまるで配信者のような気持ちになれたのも新鮮だった(配信してみようかな……)。

 配信者や配信を考えている方たち、ボイスチャットを利用する機会が多いゲーマーにおすすめしたいマイクだ。

 とくに配信者は音質が命。聞く側は少しでもノイズがあると気になる一方、クリーンに声が聞こえることですっと耳に入ってきやすい。『Yeti GX』はそんなふたつの重要な要素を限界まで追求していると感じられた。

 価格はお手ごろとは言えないが、マイクを持っていない方はもちろん、すでにマイクを持っている方も新たなステップとしてよい選択肢だろう。

製品概要

  • 製品名:ロジクールG YETI GX
  • 型番:G-YETI-GX-BK
  • 直販価格:32780円[税込]
  • 店頭発売:2024年2月15日(木)
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