日頃からヘビーにゲームをプレイするユーザーなら、多ボタン・多機能などさまざまな付加価値を持つ高価格帯のゲームコントローラーに興味を持った経験が一度はあるのではないでしょうか。操作の正確性や快適性が向上するメリットが大きいことは言うまでもないですが、そういったデバイスは総じてカスタマイズ性も高いことから、自分好みに調整できる点もこだわり派の興味をくすぐりやすいと言えます。2023年12月に販売開始となった“NACON REVOLUTION 5 PRO”も、そんなゲーマーの注目を集めそうな製品です。

PS5/PS4/PC用コントローラー“NACON REVOLUTION 5 PRO”レビュー。eスポーツやコアユーザー向けにトップクラスのカスタマイズ性を追求
“NACON REVOLUTION 5 PRO”。実売価格は32000円[税込]前後。

 “NACON REVOLUTION 5 PRO”は、フランスでゲームのパブリッシングや周辺機器販売を手掛けるNaconのプレイステーション5/プレイステーション4/PC向けコントローラーです。本製品は、過去に同社(2020年以前はBigben Interactive)が販売していたPS4向けコントローラー"Revolution Pro Controller 2"、"Revolution Unlimited Pro"の後継品と言えます。

 グリップ部分に配置された独自の追加ボタンと各ボタンのマッピング機能、追加ウェイトによる重量バランスの調整、トリガーや左右スティックの感度調整、プレイヤープロファイルの作成や切り替えなど、eスポーツを意識した高いカスタマイズ性を備えるのが大きな特徴となっています。

 本製品はソニー・インタラクティブエンタテインメントの公式ライセンスを取得しており、PS5/PS4で問題なく利用できるほか、付属の無線レシーバーを使えばどのハードでも無線で利用できます(有線はUSBケーブルに接続することで機能)。競技性が高いゲームのプレイヤーはもちろん、使うボタンが多いゲームを頻繁にプレイしている、PS5、PS4、PCもどれでも使える無線コントローラーが欲しいという人にもおすすめしたい製品です。

 この記事では、国内販売を手掛ける3goo(サングー)から貸与されたサンプル機材をもとに、“NACON REVOLUTION 5 PRO”の外観や特徴、実際の使用感をチェックしていきます。

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※この記事は3gooの提供でお届けしています。

背面に4つのショートカットキーを搭載

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カラーバリエーションはブラック/ホワイトの2色展開。

 冒頭で述べた通り、“NACON REVOLUTION 5 PRO”は、PS5およびPS4、さらにXInput準拠でのPC接続に対応するコントローラーです。接続方式はUSB Type-C to Aケーブルによる有線接続のほか、付属のワイヤレスレシーバーを利用した無線接続が可能となっています。ちなみに本製品にはBluetoothによる通信機能が備わっているものの、用途はワイヤレスヘッドセットなどのオーディオ機器との接続に限定されます。スマートフォン、タブレットなどとのBluetooth接続ができない点には注意が必要です。

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全体のレイアウトは「Xbox ワイヤレス コントローラー」に近いものの、○/×/□/△ボタンやPSボタンを備えているのがユニークです。

 まずはコントローラーのレイアウトを見ていきましょう。ソニーの認証を得てはいるものの、XInputに準拠した製品ということもあり、基本的な形状やボタン配置は“DualSense ワイヤレスコントローラー”のような要素を含みつつ、どちらかと言えば“Xbox ワイヤレス コントローラー”に近いものになっています。

 まず、コントローラー中央部にはタッチパッドを備え、その左右にはオプションボタン、クリエイトボタン、直下にはPSボタンを配置。右側の4ボタンの割り振りは○/×/□/△と、このあたりにはプレイステーション向けのコントローラーらしい特徴が出ています。

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今回メーカーから貸与された製品サンプル。カラーはホワイトでした。
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側面から。R2/L2トリガーの反りはXbox系コントローラーに近くなっています。

 一方、スティックと十字キーの配置はXInput準拠となっているため、実際に持った際の操作感はXboxコントローラーを思わせます。R2/L2(RT、LT)の両トリガーが外向きに大きく反っているあたりも含め、Xboxコントローラーに慣れている人にとってはなじみ深いポジションで使えるのではないでしょうか。

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○/×/□/△ボタンの丸みは緩やかで、Xbox系コントローラーとは押した際の感触が異なります。

 グリップ部分は外側の黒いゴム状素材が少し盛り上がった特徴的なデザインで、無数の溝が彫られていることもあって、かなり強めのグリップ感があります。これにより、後述する背面のショートカットボタンを押し込む際もグリップの安定を保ちやすくなっているわけです。

 ちなみに本体重量は公称約307gと、一般的なコントローラーに比べればやや重め(DualSenseが約280g、Xboxコントローラーが約240g)ですが、純正の高性能コントローラー“DualSense Edge”の公称327gに比べれば少し軽い、といった感じのバランスを取っています。

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スティックやトリガーには“マグネティックホールエフェクト技術”を採用し、ドリフトや摩耗による劣化を防いでいるとのこと。

 なお、スティック部分とトリガーには、主要部品間に磁場を発生させることで機械的摩耗を防ぎ、ドリフトなどのリスクを低減しつつ高寿命化を図る“マグネティックホールエフェクト技術”が採用されています。耐久度を実際に試すだけの試用はできていませんが、同社の従来製品に比べて長寿命を実現しているようです。スティックとトリガーの操作感や押下感自体は一般的なコントローラーと変わりません。

PS5/PS4/PC用コントローラー“NACON REVOLUTION 5 PRO”レビュー。eスポーツやコアユーザー向けにトップクラスのカスタマイズ性を追求
背面にはボタンやスイッチが多数。すべてのボタンが自由にマッピング可能だ。
PS5/PS4/PC用コントローラー“NACON REVOLUTION 5 PRO”レビュー。eスポーツやコアユーザー向けにトップクラスのカスタマイズ性を追求
左右のグリップにそれぞれふたつずつショートカットキーを用意。特殊な持ちかたをしない限り、薬指や小指で押すことになる配置です。

 そして“NACON REVOLUTION 5 PRO”のひとつの目玉とも言えるのが、本体背面に追加されたボタン類です。まず、ゲームの操作に利用できるショートカットボタンは両グリップ付近にふたつずつ、計4ボタンが配置されています。

 工場出荷時のショートカットボタンには“FPS”、“Racing”など4つのプリセットにあわせたボタン割り当てがなされていますが、PCに無料でインストール可能な独自ユーティリティ“Revolution 5 Pro A”を活用すれば自由なボタン割り当てが可能です。詳細は後述しますが、設定にはPCが必要になるものの、PS5・PS4用のプリセットも作成できます。

 実際にコントローラーを握ると薬指、あるいは小指で押すことになるボタン配置ですが、L1やR1、L3やR3の押し込みといった操作を割り当てておくことで便利に使えるのはもちろん、左スティック操作中に十字キーを押したいようなシチュエーションでも役に立ちます。

 さらには、ボタン割り当てだけではなく、スティックの感度設定ができるのもうれしいポイントです。

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R2/L2の下部に配置されているのがトリガーストッパー。持ち上げることでR2/L2を通常の半分の距離でストップさせます。

 また、R2およびL2トリガーの押し込み範囲を変更するためのトリガーストッパーが本体背面上部に用意されています。スライダーを動かすことで、本来なら押下時の遊びが大きめに取られているふたつのトリガーを通常の半分の距離で止まるように設定できるわけです。R2、L2に銃器の発射が割り当てられているようなタイプのゲームでは小刻みにトリガーを連打したい場合があると思いますが、そのようなシチュエーションで役立ちます。先述のソフトウェアからもトリガーの反応を調整できるので、あわせて設定しておくことで理想のトリガー動作を追求できます。

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R1/L1ボタン横には有線/無線接続の切り替えスイッチ、マルチファンクションボタンを用意。

 そのほか背面の独自ボタンとしては、4つのプロファイルの切り替えボタン、PS5・PS4・PCモードの切り替えスイッチ、カスタマイズ状態を適用するアドバンストモードと適用しないクラシックモードの切り替えスイッチ、Bluetoothオーディオ機器とのペアリング・音量調整ボタンなどを用意。

 また、R1、L1ボタンの横には有線接続とレシーバーを使った無線接続の切り替えスイッチ、タッチパッドと併用してオーディオ設定などを実行できるマルチファンクションボタンを備えています。無線利用は付属のドングルをPCやPS5などに接続する必要がありますが、スイッチひとつで手軽に切り替えられるのは便利です。

 ちなみに本製品は“DualSense ワイヤレスコントローラー”と異なり、PS5で利用可能なハプティックフィードバックやアダプティブトリガーには非対応で、振動機能はPS4およびPCでのみ利用可能となっています。高級コントローラーではあるものの、あくまで利便性の向上を図ったeスポーツ向けの製品、ということですね。

ハードウェア・ソフトウェア両面で詳細なカスタマイズに対応

PS5/PS4/PC用コントローラー“NACON REVOLUTION 5 PRO”レビュー。eスポーツやコアユーザー向けにトップクラスのカスタマイズ性を追求
付属のパーツケース。交換可能なスティックやパッドが同梱されています。

 ハードウェア・ソフトウェア両面からのカスタマイズ機能の豊富さも、“NACON REVOLUTION 5 PRO”を高機能コントローラーたらしめる大きな要素のひとつです。本製品にはそれぞれサイズや特徴が異なるスティックヘッド、2Dパッド(十字キー)、ウェイトといった交換パーツが付属しており、これを好みに合わせて交換することで、カスタマイズのパターンは合計60通り以上にのぼります。

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スティックヘッドは最初に装着されている凹型を含め6つを用意。指触りが大きく変わります。

 交換パーツの内訳は、スティックヘッド×4、金属製スティックリング×4、2Dパッド×1、ウェイト×6。スティックヘッドは出荷時に装着されている凹型に加え、凸型のサイズ違いがそれぞれ2個ずつ用意されています。交換パーツの中では触る頻度が高く、プレイフィールに影響しやすい部分なので、とりあえずカスタマイズを試してみるにはちょうどいいでしょう。もちろん、単純に摩耗した部品の予備としても利用できます。

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2Dパッドは円型と十字キータイプの選択式。余談ですが、ソフトウェアから斜め入力を制限する設定も適用できます。

 金属製スティックリングはスティックの周囲に装着することで、倒した際の最大角度を30度、38度、46度の3段階に調節できるパーツとなっています。もっとも太いリングを装着した場合はスティックの角度が体感できるレベルに浅くなるため、可動域を制限したいユーザーにとっては便利です。2Dパッドは出荷時に装着されている円型と異なり、いわゆる十字キータイプが交換パーツとして付属します。

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ウェイトはグリップ部分のパーツを外して装着。

 グリップ背面のカバーを外して装着するウェイトは、10g×2、14g×2、16g×2を用意。内部のスペースにパチンとはめ込むだけで装着可能です。軽さを重視するなら使う必要はありませんが、重心がグリップ寄りになることで、コントローラーを持った時の安定感が増す印象があります。ショートカットボタンを積極的に使いたいけどイマイチしっくりこない、という人は試してみるといいかもしれません。

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PC向け専用ユーティリティ“Revolution 5 Pro A”。公式サイトから無料でダウンロードできます。

 こうした物理パーツに加え、先に述べた“Revolution 5 Pro A”ユーティリティからもコントローラーの動作に関する詳細なカスタマイズが可能です。“カスタマイズモード”では、PS5/PS4/PCそれぞれのプラットフォームごとに4つのプロファイルを設定できます。

NACON公式サイト
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PS5/PS4/PCそれぞれのプラットフォームごとのプロファイル設定がおもな機能。
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プロファイルごとの情報。キーマップやスティック・トリガーの設定、発光エフェクトなどを管理できます
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キーマッピング。ショートカットキーだけでなく、通常のボタン類も操作を入れ替えられます。
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割り当てられるのはもともとコントローラーに備わっているボタンの機能のみで、マウス・キーボードの入力やマクロなどは利用できません。

 プロファイルに保存される情報は、各ボタンの割り当てを変更するキーマッピング、オーディオイコライザー、スティック&方向キー、トリガー、発光エフェクト、振動(PS4/PCのみ)の全6項目。キーマッピングは4つのショートカットキーだけでなく、すべてのボタンの割り当てを変更可能です。ただしeスポーツ用コントローラーとしての制約があるため、割り当てられるのはすでにコントローラーに用意されているボタンの機能のみで、マウス・キーボードのキーやマクロなどは割り当てられません。

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スティックの感度やデッドゾーン調整。右側のグラフのポイントを直接クリックして設定できます。
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トリガーのポジションとデッドゾーン設定。

 スティック&方向キーでは、スティックのレスポンス曲線、左右反転、入力を受け付けないデッドゾーンや方向キーの8方向/4方向受け付けといった項目を変更できます。スティックリング(シャフト)を装着しているユーザー向けのプリセットもあらかじめ用意されているので、ハードウェアをカスタマイズした後に設定を追い込むのがいいでしょう。同じように、トリガー(R2/L2)にも適用中のロックポジションやデッドゾーンの設定が可能です。

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イコライザー設定。コントローラーのオーディオ機能を使う場合に。
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コントローラーの発光調整。プロファイルを頻繁に切り替える場合、発光色を変えておけば目視での確認にも役立ちます。
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テストエリアで最終調整が可能。スティックやトリガーの具合を確かめるのに便利です。

 また、プリセット設定中に入力の具合を確認できるテストエリアも用意されています。おもにスティックとトリガーの微調整を行う場合に使うといいでしょう。

ゲームごとのボタン割り当て、トリガー&スティック設定次第で快適なゲームライフを!

PS5/PS4/PC用コントローラー“NACON REVOLUTION 5 PRO”レビュー。eスポーツやコアユーザー向けにトップクラスのカスタマイズ性を追求
筆者はスティックヘッドを大型のパーツに変えると手によくなじみました。コントローラー下部に付いているのは付属のマイクロフォンです。

 実際に、“NACON REVOLUTION 5 PRO”を使用していくつかのゲームタイトルをプレイしてみました。実際に持ってみると、「けっこう手にズッシリ来るな」というのが第一印象。筆者が日頃PCで利用する機会の多い“Xbox ワイヤレス コントローラー”と比べれば重量はハッキリ体感できるぐらい重く、公称重量で70g近い差があるので当然なのですが、ここは好みが分かれるところでしょう。筆者はこのままでも十分安定感があると感じたため、ウェイト類は装着せずに使用しました。

 スティックやリングは全種類試しましたが、もっともサイズの大きい凸型スティックをリングなしで使うパターンが手になじんだので、基本的にはその状態でゲームをプレイしています。パーツを変えていくと操作感も大きく変化するため、最初にあれこれ試してみるのがオススメです。

 一方、コントローラーとしての操作感はさすがに良好で、手に持った時の安定感、各ボタンの押しやすさなど、しっかりした構造はさすがに高級製品らしい印象があります。加えて操作性には直接関係ないのですが、ボタンやトリガー押下時の静かさは特筆もので、操作時にカチカチと音を立てにくい作りになっているのには好印象を受けました。配信者の方などにもおすすめしやすい製品と言えます。

 実際のゲームプレイについては、やはりボタン数を多く使うタイトルを……ということで、おもに『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』での使用感を試してみました。背面のショートカットキーはいろいろ試した結果、S1/S2キーは割り当てなし、S3/S4キーにR1/R2の操作を割り当てることにしました。

 前提として同作はかなりスピード感のある操作を求められるタイトルですが、通常のコントローラーではL1/R1を人差し指、L2/R2を中指で操作する、もしくは人差し指だけで両方を操作することになります。しかし、中指をトリガー操作に使うとコントローラーを支える指が薬指と小指だけになってしまい、人によっては安定感が気になる場合もあるでしょう。

 また、人差し指だけで操作する場合、L1/R1とL2/R2に4つの武器操作が割り当てられている同作では煩雑な操作に対応しやすいとは言えません。こういう時に背面ボタンを活用することで、より快適な操作が実現できるわけです。

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側面の溝がコントローラーをしっかりグリップしてくれるので、多少小指を浮かせてもしっかり保持できます。

 最初はS1/S2/S3/S4すべてのボタンに操作を割り振っていたのですが、戦闘中などのボタンの押下に瞬発力が求められるシーンでどうしても力が入ってしまい、誤操作が増えてしまったため、薬指で押せる位置にあるS1/S2キーを使用せず、小指で押せるS3/S4に肩武器の操作を割り当てることにしました。使う武器にもよると思いますが、中指がフリーになることでコントローラーを支えやすくなるため、個人的にはこのスタイルが便利です。もちろん、人によっては押しにくいであろうR3/L3などをショートカットに割り当てるのもアリだと感じます。

 そのほか連射系の武器を使う場合などは、トリガーブロック機能を使い作動距離を“ハーフ”に設定することでR2/L2ボタンを連打しやすくなります。設定次第で即座に押下判定を出すこともできるので、同作以外にも反応速度を重視したいシューター系タイトル、あるいは押下回数が多くなるタイプのゲームでは重宝するでしょう。

 一方でハーフ状態ではトリガーに硬さが出るため、ダッシュ操作など押し込み操作がずっと続くような割り当ての場合はあまり向きません。そういったシーンでは、押し込んだ際に硬さを感じないフルトリガー設定のほうが指が疲れにくいです。以上のように、同じゲームでも設定次第で快適さを向上させられる点は“NACON REVOLUTION 5 PRO”のもっとも優れた点と言えるでしょう。

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ゲームによっては十字キーをそのまま使うだけでなく、ショートカットに割り当てることで快適になるかも。

 また先に少し述べていますが、十字キーを多く使うタイプのゲームであれば、4つのショートカットキーに操作を割り当てておくことで左スティックから手を離さずに利用できるのは結構便利です。たとえば『ファイナルファンタジーXIV』のようなタイトルでは十字キーをパーティリストやエネミーリストの選択に使いますが、うまく活用すれば移動しながら味方にヒールやバフを飛ばすのが楽になりました。4種類のプロファイルはコントローラー背面のプロファイルキーから簡単に切り替えられるので、よくプレイするタイトル向けの設定を事前に用意しておくことで、手元から楽に切り替えられます。

 付属レシーバーを使ったワイヤレス接続に関しては、2.4GHz帯を使用していることもあり、プレイ中の遅延はまったく感じられませんでした。ケーブルの重みがなくなるぶん快適なので、有線に強くこだわらないのであれば、こちらをメインで使用しても問題ないでしょう。バッテリー駆動時間は公称10時間以上とされていますが、実際に利用してみても8時間程度は問題なくバッテリーが保ち、LEDによる残量表示上はまだ余裕があるようでした。

 ちなみにアプリから設定できるバッテリー節約モードを活用すれば、振動機能や発光機能が制限されますが、さらに長時間のワイヤレスプレイが可能になります。また変則的な運用にはなりますが、いずれかのプラットフォームに有線接続しつつ、もうひとつのプラットフォームに無線レシーバーを装着しておけば、コントローラーの有線/無線切替スイッチをスライドさせるだけで接続先を切り替えるといった使いかたも可能です。

PS5/PS4/PC用コントローラー“NACON REVOLUTION 5 PRO”レビュー。eスポーツやコアユーザー向けにトップクラスのカスタマイズ性を追求

 総じて、競技シーンやコアユーザー向けにトップクラスのカスタマイズ性を追求しているのが“NACON REVOLUTION 5 PRO”の最大の魅力と言えます。実売価格は32000円前後と、“DualSense ワイヤレスコントローラー”の4倍近い高価格であり、純正高級コントローラー“DualSense Edge”と比べてもさらに値は張りますが、耐久性に問題が出にくいボタンタイプの追加キーを4つ搭載するといった独自性は本製品ならでは。コントローラーでの操作性にとことんこだわりたいゲーマーの方のお供にいかがでしょうか。

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