『Valorant』や『リーグ・オブ・レジェンド』などのオンライン対戦ゲームで知られるライアットゲームズが大規模レイオフ(人員整理)を実施することがわかった。全体の11%におよぶ530人が影響を受けることになるという。

 これに伴い、外部の小規模スタジオと同社IPを使用した作品を手掛けていたパブリッシング部門のRiot Forgeが閉鎖決定。来月配信予定の『バンドルテイル:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー』が同部門の最後の作品となる。

 そしてストラテジーカードゲーム『レジェンド・オブ・ルーンテラ』については、これまで十分な収益をあげられておらず他タイトルから補填する形だったため、まずは収益性を回復することを目標にチームを一度縮小して再編成する予定となっている。

 昨年より海外ゲーム業界ではレイオフの話が相次いでいるが、公式サイトで公開されている社内外向けの声明によると、ライアットゲームズのケースも根本的には同じような問題を抱えていたようだ。

 つまり、コロナ禍の前後(ライアットゲームの場合は2019年)から投資を急激に拡大してスタッフを増やして勝負に出たはいいものの、それに見合った結果が出ず業績が悪化してしまい、レイオフで人件費を削るに至る……といったようなシナリオだ。

 しかも、業界全体ではこの状況は改善するどころかしばらく悪化するかもしれない。業界誌のGamesIndustry.bizは直近の記事で、あるゲーム企業のCEOによる「2023年はレイオフの年だったが、2024年には閉鎖の年になるだろう」「その影響は最大あと2年間ほどかかりうる」といった見解を紹介している。

 実際、ゲーム企業の買収を繰り返して急成長したスウェーデンのEmbracerグループは、見込んでいた大規模契約が不成立になったことで大規模レイオフだけでなく歴史あるスタジオの閉鎖にも至っており、今日も傘下スタジオであるドイツPiranha Bytesが危機的状況に立たされていることを表明したばかり。

 果たしてこの不吉な“予言”が現実のものとなってしまうのか、今後も気を抜けない状況が続きそうだ。