対戦ゲームでスキルや住んでいる場所の異なるプレイヤーたちをうまく振り分ける、マッチメイキングシステム。ミリタリーFPSシリーズ『コール オブ デューティ』シリーズのマルチプレイ対戦でどうやってマッチメイクを行っているかが解説された。
これはプレイヤーのスキルによって振り分けるスキルベースド・マッチメイキング(SBMM)という考え方に対する議論に答える形で公開されたもの。すごく大雑把に説明するとSBMMには「必然的にスキルが上がった者同士のシビアすぎる戦いになり、遊びの幅も狭くなって面白くない(のでやめるべきだ)」といった反発があり、それに対して実際どういう発想でどうマッチメイクしているのかを解答したものになる。
Late last year we committed to a conversation with our community about Matchmaking.
Today’s matchmaking intel is intended to kick off that dialogue and is a new beginning for what we hope will be an ongoing conversation about matchmaking, sharing our pro
— Call of Duty (@CallofDuty)
2024-01-30 04:58:54
まずはデータセンターへの接続品質、次に待ち時間
これは通常のマルチプレイ対戦についてのものでWarzoneやRanked Play(4対4)はまた別だそうなのだが、マッチメイクで考慮している要素は以下のようなものがあり、最重要視しているのは通信接続、次に待ち時間で、スキルは3番手以降の要素なのだという。
- 1. データセンターまでの接続 通信が高速に応答可能かのPingを最重要視
- 2. 待ち時間 適切な待ち時間でプレイできるよう二番手の要素として重視
- 3. それ以外の要素
- プレイリストの幅 そのプレイヤーがいくつのプレイリストに入れるか
- 直近でプレイしたマップやモード 直近でプレイしたマップは何かと、そのプレイヤーのモードの好み
- スキルと成績 スキルはどれぐらいで、どんな結果を出したか
- 入力 コントローラーか、マウス&キーボードか
- プラットフォーム PCかコンソール(家庭用ゲーム機)か
- ボイスチャット オンにしているかオフにしているか
スキルを考慮するのは全体のため
では(3番手以下とはいえ)なぜスキルを考慮するかといえば、それはスキルの低いプレイヤーが負け続けてプレイを止めてしまうような状況を避けるためなのだとか。仮にそのプレイヤー層が存在しなくなったら高スキルなプレイヤーだけでマッチメイクを回すことになり、マッチメイクは埋まらないし結局廃人同士のシビアな戦いになってしまうというワケだ。
一方で高スキルプレイヤーが幅のある体験ができないと感じていることもまた事実として受け止めているそうで、この懸念を低減する方法を今後も模索していくとしている。
Q&Aでは過去に検討した内容なども公開
Q&A部分で示されている概要をついでに紹介すると以下の通り。スキルを考慮から外すアイデアを検討したことを明かしていたり、邪推に近い疑問にも答えるものとなっている。
- マッチメイキング時にそれまでの累積プレイ時間等は考慮していない
- マッチメイクはプレイヤーの可視性やダメージ、エイムアシストなどのゲームプレイ要素には影響しない
- 有料コンテンツに費やしたお金はマッチメイクに影響しない
- マッチメイクのプロセスではボットを使用していない
- 有名配信者などが特別な配慮を得ることはない(その手のプレイヤーを集めたイベントでのことは例外)
- マッチメイキングのアルゴリズムを選択可能にすると全体に悪影響を及ぼし、待ち時間が長くなる可能性がある
- スキルを考慮から除外するとどうなるかは何年もテストを行った上で現状の結論に至っている。やはりプレイを止めてしまったりして全体の体験が低下する
- 特定のモードでスキルを考慮しないようにすることは過去にも検討した。今後も実験的なプレイリストや特定のモードで意味があるかを引き続き検討する