ボス戦のミニゲームが楽しすぎる人気シリーズ
1989年(平成元年)2月9日は、ファミリーコンピュータ用『ワギャンランド』が発売された日。本日で『ワギャンランド』シリーズが誕生してから35周年を迎えたことになる。
『ワギャンランド』は、ナムコ(当時)から発売されたアクションゲーム。ゲームセンターで人気を博したエレメカ『ワギャン』のロボット風の怪獣キャラクター“ワギャン”を主人公にした作品となっている。
檻に入れられたワギャンに向かって叫んで大声を計測し、その音量に応じたリアクションを楽しむというエレメカだったためか、『ワギャンランド』のワギャンは声による“音波砲”で攻撃していくところがおもしろい。
当時からかなり斬新なアイデアだった“しりとり”を使ったボス戦はゲームファンから高い評価を受けており、2016年にはしりとり部分だけを抜き出したスマホ用アプリ『ワギャンのパネルしりとり』や『ワギャン しりとりで勝負だ!』が配信されたこともある。
ゲームの目的は、ワギャンランドを征服した悪の天才科学者ドクターデビルを倒すこと。主人公のワギャンは敵に触れると一発でやられてしまうため、音波砲を撃って敵を足止めしながら多彩なステージのゴールを目指す。音波砲を当てた敵はしばらく痺れて足場にもできるため、うまく利用すれば高い段差も飛び越えやすかった。
ステージ中には“ワギャナイザー”が置いてあり、取るごとに音波砲がパワーアップ。はじめは「ワッ」という小さな文字が、「ギャ」、「ガー」、「ギャー」と変化しながら大きくなっていく。敵を足止めする時間や発射速度などもパワーアップし、最終的にはワギャンが無敵となり、駆け抜けてあっという間にステージクリアーを達成できて便利だった。
ちなみにワギャナイザーというのは、実際にあった玩具“エモーショナル・トイ”がモチーフになっている。ゲーム内と同様にワギャンと銃を融合させたような外観をしていて、音声をサンプリングして再生することができた。当時は音声を使う玩具が謎の流行をしていたので所持していた人もいたんじゃないかな。全然関係ないのだが、筆者は同じエモーショナル・トイ仲間の“はげまし人形 龍馬くん”を持っていたことを思い出した。
『ワギャンランド』でもっともユニークだったのは前述の通りボス戦になるだろう。道中は横スクロールアクションなのに、ボス戦は“しりとり”や“神経衰弱”による頭脳バトルになるのだから驚かされた。屈強そうなボスが現れる演出が入るのに「しりとりで しょうぶだ! おれから いくぞ!」と勝手に始めるのだから初見で呆気に取られるのは間違いない。
とくに興味深かったのは“しりとり”のほう。画面に絵が描かれたパネルが多数表示され、絵を選んでしりとりをしていくのだが、絵に何通りもの読みかたが存在し、それを“裏読み”して当てていくのが抜群のおもしろさだった。
たとえばイカの絵の場合は誰もが思い付くのは「いか」だと思うが、ほかにも「するめ」や「やりいか」、「だいおういか」などの読みにも対応する柔軟さ。これを利用し、予想外の読みかたでボスを手詰まりに追い込めば勝利となる。
絵をどう解釈するかはボス次第なのだが、とんでもない読みかたをするのがじつに楽しかった。灯台の絵を「うみのみちしるべ」と言ったり、馬の絵を「どさんこ」と解釈したりと、見てる側からすると「自滅じゃないか!」と思わなくもないが、そこが笑えて非常によかった。
1990年12月14日に続編である『ワギャンランド2』が発売されてシリーズ化。スーパーファミコンやニンテンドーDSといったハードでじつにたくさんのシリーズ作品が発売された。
もしいま『ワギャンランド』で遊びたいのなら、Nintendo Switch用『ナムコットコレクション』がおすすめだ。このソフトはランチャーを無料でダウンロード可能で『ワギャンランド』はその特典として付いてくる。
ほかにも懐かしのタイトルが有料DLCとして多数用意されているので、『ワギャンランド』といっしょに楽しむのもいいだろう。
『ナムコットコレクション』の購入はこちら (Amazon.co.jp)※画像はバーチャルコンソール版のものです。