※本記事は、2023年2月14日にアップした記事を再編集したものです。
ゲームボーイアドバンスSPと同日発売
いまから21年前の2003年2月14日は、スクウェア(当時)がゲームボーイアドバンスで『ファイナルファンタジータクティクス アドバンス』(以下、『FFT-A』)を発売した日。
本タイトルは、ゲームボーイアドバンスを折りたたみ型にしてフロントライトを追加したゲームボーイアドバンスSPと同時発売。『ファイナルファンタジータクティクス アドバンス』仕様の白いゲームボーイアドバンスSPの同梱版も発売された。
『FFT-A』は、1997年6月に発売された『ファイナルファンタジータクティクス』の流れを受け継ぐ続編。シミュレーションRPGのジャンルは同じながら、世界観やシステムを完全に刷新し、異なるタイトルと言える作りに。その後『FFT-A』は、2007年に続編となる『ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア』がニンテンドーDSで発売される。
『FFT-A』のバトルでは“ロウ”と呼ばれるルールを遵守する“ジャッジメントシステム”を導入。“HP回復禁止”、“ダメージ100以上”など、バトルごとに設定されるロウを守らないと、ステータスにペナルティーが与えられるほか、違反(レッドカード)で退場となって仲間が“プリズン”送りになってしまうこともある。このロウを守りながらいかにバトルを進めていくかが、本作ならではの戦闘と言える。
一方、このロウはプレイヤーだけでなく敵(CPU)にも適用されるため、敵の行動を利用することでプリズン送りにして数を減らすといったこともできた。
本作の舞台は、『FFT』の舞台でもあったイヴァリースと呼ばれる世界。ただし、物語は現代世界のような“St.イヴァリース”からスタートする。主人公マーシュと、いじめられっ子の友人ミュートたちが、古書“グラン・グリモア”を開いたことで世界が一変。剣と魔法の世界、まるでゲーム『ファイナルファンタジー』のような“イヴァリース”へと移り変わる。
この『FFT-A』で訪れるゲームのような世界は、3年後となる2006年発売の『ファイナルファンタジーXII』をイメージしたもの。実際に、『FFXII』には『FFT-A』と同じバンガ族やヴィエラ族がいるほか、『FFT-A』の神獣が『FFXII』では召喚獣に。さらに似たような地名も登場するといった共通点が数多く用意されている。また、前述の“ジャッジメントシステム”でロウを破ったときに現れる“ジャッジ”は、『FFXII』で敵対するジャッジマスターでもある(厳密には、ジャッジマスターはジャッジを統率する存在と言われる)。
子どもたちが主人公になったり、バトルがルールを違反するとレッドカードが出るというスポーツに近い雰囲気のものになったりと、『FFT』に比べると明るく軽めの印象になったものの、そこは『オウガ』シリーズや『FFT』で知られる松野泰己氏のタイトル。主人公の子どもたちはそれぞれに深い悩みを抱え、登場する大人も頼れるばかりではなかったりと、どんどんとストーリーは重厚なものへと深化していくのだった。