2021年に発売され、全世界累計で100万本を超える売上を記録したRPG『真・女神転生V』。プレイヤーからの評価も高い本作が、シナリオやシステムなど、あらゆる面でいっそうの進化を果たし、現行の各機種向けにリリースされることが明らかとなった。週刊ファミ通2024年3月14日号(No.1839/2024年2月29日発売)では、このたび発表された最新作『真・女神転生V Vengeance』の特集記事を掲載。以下では、本誌に先駆けて、アトラスの開発者への最速インタビューを一部先行公開する。

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小森成雄氏(こもり しげお)

アトラス ディレクター

土居政之氏(どい まさゆき)

アトラス キャラクターデザイナー

前作のシナリオはそのままに、“もうひとつの可能性”を形にした

――まずは、『真・女神転生V Vengeance』という新作を企画した経緯からお聞かせください。

小森前作の『真・女神転生V』に対しては、我々が期待していた以上にプレイヤーの皆さんが楽しんでくださったようで、国内外からたくさんのご好評の声をいただくことができました。そして、皆さんがある程度ゲームをやり込まれた頃合いになると、ここに改善の余地があるといったご意見も上がるようになり、それらの分析も進めていました。

土居たとえば、ナンバリングタイトルでは『III』以来となる3Dで造形した悪魔たちについて、そのクオリティーにはお褒めの声をいただきつつ、登場する悪魔の総数はもっと欲しかったというご意見がありました。

――総数はしっかり増えていますね。なおかつ、そういった“改善”にとどまらない“広がり”も本作に盛り込まれているようで。

『真・女神転生V Vengeance』アトラスの開発者に最速インタビュー。前作のシナリオはそのままに、“もうひとつの可能性”を形にした追加メインシナリオの意図などを訊いた【先出し週刊ファミ通】
『真・女神転生V Vengeance』では、過去作品から新たに追加された悪魔や、土居氏によって新たに描き下ろされた悪魔など、あわせて270体以上の悪魔が登場する。

小森前作では、物語の根幹にさまざまな設定やバックグラウンドがありつつも、作中ではあまり触れていない要素が多々ありました。それは純粋に、前作の物語を描くうえで深く触れる理由がなかったからなのですが、そういった要素をどうにかして形にできないかと考えたのが企画の始まりでした。あり得たかもしれない別の可能性の物語……それが、“復讐の女神篇”のアプローチになります。

――物語の冒頭でルート選択を迫られるようですが、どちらが先でもいいのですか?

小森はい。前作の物語である“創世の女神篇”を未プレイの方が、いきなり“復讐の女神篇”から始めても大丈夫です。どちらも物語の冒頭こそ共通していますが、やがて、イベントや会話、戦いが発生する場所など、さまざまな変化が生じていきます。どちらかをクリアーしたうえでもう片方を始めていただくと、辿っている世界や時間軸は同じなのに、物語のズレや狂いのようなものが徐々に大きくなっていく感覚が味わえると思います。

――タイトルの“Vengeance”が示す、“復讐”を新たなテーマとした理由は何でしょう。

小森前作の“創世の女神篇”はまさに世界を創る物語で、その背景には“蛇神”と“牛神”の存在もありました。前作は牛神の視点で物語を描いた側面もあるわけですが、蛇神について深掘りすると、牛神やその眷属によって討伐される立場にあるといった伝承が残されていたりします。このような関係性は、前作でもセリフの細かなニュアンスや悪魔のデザインなどに一部見受けられつつ、それが物語の主軸ではありませんでした。そこで『V Vengeance』では、蛇神の視点……虐げられた側の復讐譚として物語を構成してみたいと考えたんです。そして、このアプローチにするならどんな悪魔を登場させるのが相応しいかについて、土居や開発チームのプランナーが提案してくれました。

――その筆頭が、“カディシュトゥ”と呼ばれる4体の女魔なのですね。多くの読者にとって聞き慣れない名称かと思いますが、本作における土居さんの解釈を聞かせてください。

(※中略。本誌では、土居氏による悪魔や新キャラクターのお話、小森氏によるシステム面の追加や新規要素などのお話を掲載)

『真・女神転生V Vengeance』アトラスの開発者に最速インタビュー。前作のシナリオはそのままに、“もうひとつの可能性”を形にした追加メインシナリオの意図などを訊いた【先出し週刊ファミ通】
『真・女神転生V Vengeance』アトラスの開発者に最速インタビュー。前作のシナリオはそのままに、“もうひとつの可能性”を形にした追加メインシナリオの意図などを訊いた【先出し週刊ファミ通】

――こういったシステム面のブラッシュアップは、どちらのメインシナリオにおいても同様に反映されているのでしょうか?

小森はい。創世の女神篇のシナリオ自体は前作から改変していませんが、システムは復讐の女神篇と同様のものになっています。

――これから『V』を始める人にも安心の内容ですね。最後に、本作を楽しみにしている人へのメッセージをお願いします。

土居前作の発売以降、ファンの皆さんには長らくお待たせしてしまいましたが、ようやく新作をお届けする準備が整いました。『メガテン』らしさをより強調するダークでビターな物語と、魅惑的な悪魔たちを用意しています。皆さんの手で新たなナホビノの旅が体験できる日まで、あと少しの期間を楽しみながら応援していただけたらうれしいです。

小森まだ詳細を明かしていない新システムを含め、今回もまた“悪魔”という存在に力点を置き、悪魔たちを育て、触れ合える作品を目指しました。ファンの方には自信をもっておすすめできる仕上がりになっているかと思いますので、どうぞご期待ください。

 ※インタビューの全容は、週刊ファミ通2024年3月14日号(2月29日発売)をチェック!
 ※本日(2月22日)発売の週刊ファミ通2024年3月7日号ではありませんので、ご注意ください。

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