トヨタ技術会とポケモンの共同プロジェクト“トヨタミライドンプロジェクト”で製作した“TOYOTA Engineering Society MIRAIDON”が2024年3月15日~17日に東京ミッドタウン日比谷で展示される。
展示に先駆けて、メディア向けにお披露目会が実施された。その様子を動画とともにお届け。
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【ポケモン】ミライドンが現実世界に! しかもSwitchのJoy-Conで動く
主人公、ネモ、ペパー、ボタンの4人が余裕で乗れそうなほぼ実物大のデカさ。3月15日~17日の期間で東京ミッドタウン日比谷に展示され、乗ることもできちゃう。
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2024-03-14 16:05:11
かがくのちからってすげー! ミライドンが現実世界にとびだしてきた!
東京ミッドタウン日比谷に入ると、そこにはいきなりTOYOTA Engineering Society MIRAIDONが鎮座していた。第一印象は、「デカい!」だった。一拍遅れて、「かっけー!!」が来た。
お披露目会が始まると、TOYOTA Engineering Society MIRAIDONが4足モードのまま前進するところを見せてくれるという。「え、動けるの!?」とワクワクしながら待っていると本記事冒頭にある動画のように動き出し、約3分をかけて1メートルほど前進した。
素早さが高いミライドンにしては非常にゆっくりとした動きではあったが、ちゃんとひとつひとつの関節が連動した生々しい動きをしていて、ただの機械ではなく生き物がそこにいるような雰囲気を感じ取ることができた。
新しく乗り物を作るのとは違い、すでに生き物としてのデザインが定まっている都合上、動力装置を配置するスペースを確保するのには苦労したそう。しかし実際に動くことや、4足モードからドライブモードへと変形することは必ず実現させたかったため、最後までこだわり抜いたとのこと。
4足モードからドライブモードに変形する際、尻尾部分のパーツが丸まってタイヤになるというのは原作通りに再現できたが、胸部のパーツが膨らんでタイヤになるところまでは再現できなかったと悔しそうに語っていた。
柔らかい素材を使えば実現できたかもしれないが、ドライブモードでは人を乗せるために安定性が必要。安全面を考慮して前のタイヤは完全再現を断念し、手動で交換することにしたようだ。
ところで、デモンストレーションの際にトヨタ技術会の担当者さんが使っていたのは、なんとNintendo SwitchのJoy-Conだった。後ほど個人的に担当者さんにお伺いしたところ、Joy-ConとTOYOTA Engineering Society MIRAIDONをBluetoothで接続させて操作しているとのこと。
「試しにここを押してみてください」と言われてホームボタンを押してみると、目のライトをオン/オフすることができた。デモのように体を動かすには少し複雑な操作が要るようだが、ふだん『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(ポケモンSV)を遊んでいるのと同じようにJoy-Conでミライドンを操作できるのは、すごく夢がある。
ちなみに、TOYOTA Engineering Society MIRAIDONは体長が約3.5メートル、重さが約300キロだそう。ポケモン図鑑によれば、ミライドンは高さ3.5メートル、重さが240.0キロとのことなので、ほぼ実物大と言っていいだろう。
しかし担当者曰く「もともと実物大にしようとして製作したわけではない」とのこと。現代の技術でミライドンを現実に具現化したら、たまたま原作と似たサイズになったというのだから驚きだ。ポケモンのデザインがいかに緻密かという話ですよね、と担当者はゲームフリークへのリスペクトを表していた。
トヨタミライドンプロジェクトの未来はどうなる?
お披露目会では、本プロジェクト発足の経緯やコンセプトについても説明があった。
プロジェクトの中心となっているのは、トヨタ自動車内の有志団体であるトヨタ技術会。“人と技術の力で開く未来”を追求し、1年ごとにテーマを設けて技術の研鑽を積み重ねる集団だ。
2023年度のテーマは“ミライモビリティ”。将来のモビリティユーザーである子どもたちの求めているものを知るため、豊田市の小学生8000人を対象としてミライモビリティに関するアンケート調査を行ったところ、とある小学生が描いたミライドンの絵が目に留まったのだそう。
ミライドンを挙げたのはその子だけではなく、それ以外でも、ただ乗って移動ができるだけでなく“相棒”や“友だち”として意思疎通ができる存在というのが、多くの子供たちに共通して見られた要素だったという。
ポケモンへ企画を持ち込むと、迷うことなく快諾されたそうだ。ポケモンの担当者は「正直、現実味のない企画だと感じたが、だからこそそれを実現するのはおもしろい」と語った。
そうして始まったトヨタミライドンプロジェクトは徐々にその輪を広げていき、現在では社内外あわせて約300名もの人たちが関わっているとのこと。
さて、こんなにも夢が詰まったプロジェクト、気になるのは今後の展開だ。これから製作します、というのではなく、すでに完成した状態で“プロジェクト始動”を発表したのだから、なおさら今後の動向に期待がかかる。
だが現時点では、「可能性は無限大に広がっています」とだけコメントし、詳細への言及は避けられた。だがトヨタ技術会の皆さんの表情を見ると、本気でこだわって製作したTOYOTA Engineering Society MIRAIDONをここで終わりにする気はさらさらない、と言っているように感じられた(※筆者個人の感想です)。今後の続報に期待したい。
ひとまずは、明日3月15日から3月17日にかけて展示が行われるので、気になる人は東京ミッドタウン日比谷に観に行こう。メディア向けお披露目会では4足モードでの展示だったが、明日からはドライブモードでの展示が行われる予定だ。さらに65キロ未満限定ではあるが、試乗体験の整理券を受け取れるチャンスもある。
トヨタミライドンプロジェクト始動
“トヨタミライドンプロジェクト”展示概要
- 開催期間:2024年3月15日(金)~17日(日)11時〜21時
- 会場:東京ミッドタウン日比谷 アトリウム
- 住所:東京都千代田区有楽町1丁目1−2
- 休館日:無休
- 入場料:無料
- お問合せ:03-5572-6072
- 主催:トヨタ技術会、株式会社ポケモン