世界的に評価の高いノートPC“ThinkPad”などで知られるLenovo。同社はゲーミングPC分野にも力を入れており、2024年3月にはハイパフォーマンスなゲーミングPC“Legion”やコストパフォーマンスの高いエントリーモデル“LOQ”の新商品を発表した。
当記事では、新商品のなかでもハイスペックな『Legion Pro 5i Gen 9』と、買いやすい価格が魅力の『Lenovo LOQ 15IRX9』を紹介する。
※この記事はLenovoの提供でお送りします。
第14世代インテル Core i9とGeForce RTX40シリーズで死角なし『Legion Pro 5i Gen 9』
まずは高性能モデルの『Legion Pro 5i Gen 9』から。
スペック違いの2タイプが用意され、上位版はCPUにインテルCore i9 プロセッサー 14900HX(第14世代)、グラフィックにはNVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPUを搭載している。ディスプレイは16型ワイドWQXGA(2560×1600)で、リフレッシュレート240Hzに対応。メモリは32GB(DDR5)、ストレージはM.2 SSD 1TBを備えており、ストレスを感じることなく利用可能だ。
現状考えられるゲーミングPCとして十分すぎる内容。どんなゲームでも快適にプレイできる製品である。なお、2タイプそれぞれにMicrosoft Office付属版も用意されている。
以上のような豪華なパーツを採用しているにもかかわらず、本体の厚さはわずか約22mm(最薄部)とかなりの薄型。約2.5kgと軽めの重量も魅力的だ。リビングや寝室など、自宅内で持ち運んで設置場所を変えやすいのは、デスクトップPCにはない利点と言える。
しかし、PCに詳しい方ほど不安に感じる要素があるだろう。CPUとGPU(グラフィック)の発熱問題だ。高性能ということはそれだけ多くの処理を行うため、当然のように発熱量も大きくなる。小さなボディーに熱源を詰めるノートPCではとくに気にしておきたい問題である。
ご多分に漏れずCore i9 / i7のCPUやGeForce RTX40シリーズのGPUも相応の高熱を発し、何も対策がされていないと熱暴走の危険性も高まってしまう。そこで注目してほしいのが、『Legion Pro 5i Gen 9』の冷却システムである。
ふたつの大型ファンでエアフローを制御。背面から排熱するため手元が熱くならない
『Legion Pro 5i Gen 9』の本体は発熱問題を第一に考えて設計されており、“Legion Cold Front Cooling System”と名付けられた空冷システムによって、内部の熱は効率的に排出される。
ポイントは内蔵されたふたつの大型ファン。外から大量の空気を吸気し、入ってきた空気はCPUやGPUなどの熱源となるパーツを冷まし、本体背面から排出される構造だ。
本体内のエアフローは密閉されたボディー内で完全に制御されているため、意図しない場所から空気が漏れたり、余計なエリアに熱風が回り込むのを防ぎ、効率よく冷却を行っている。さすが最新ゲーミングPC。
いまは涼しい季節だから忘れがちだが、あと数ヵ月もすれば灼熱のシーズンがやってくる。そんなときに、この排熱性に優れた製品は「買ってよかった!」と思えるゲーミングノートPCだろう。
色の表現がより鮮やかに!
ゲームプレイのために採用された液晶画面にも要注目。16型ワイドのWQXGA(2560×1600)液晶は、リフレッシュレート240Hzのゲーミングディスプレイ。スピーディーな動きを滑らかに描写できるため、FPSやアクションなど、すばやい操作が必要なゲームには必要不可欠なパーツだ。
さらにこのディスプレイはDCI-P3 100%に対応。一般的に使われているsRBGよりも広い色域を表現できるため、美しい映像でゲームを楽しめる。『Legion Pro 5i Gen 9』は、ゲームプレイだけでなく写真現像や動画編集などのクリエイティブな用途でも活用したくなるノートPCと言える。
AIで最適なパフォーマンスに自動で調整
Legionには利用状況をAIが判断してPCの性能を引き出す“Lenovo LA1 AIチップ”が搭載されているのもポイント。ゲームなどの負荷のかかる状況になると、処理能力を最大まで引き上げつつ冷却ファンをフル回転させて本体内部をしっかり冷却してくれる。
一方、ブラウジング(ネット閲覧)や文書作成といった負荷のかからない作業のときは、性能を抑えるとともに冷却ファンも低速回転にすることで静音性を実現。
これらのモードはキーボードでFnキーとQキーを押せば切り替え可能だが、AIに任せておけば自動で最適な状態にしてくれる。バッテリー持続時間の向上にもつながるので“Lenovo AI Engine+”をオンにしておくといいだろう。
スペック
- 型番:LegionPro5 16IRX9 83DF006PJP
- CPU:インテル Core i9 プロセッサー 14900HX(第14世代)
- GPU:NVIDIA GeForce RTX4070 Laptop GPU
- メモリ:32GB(DDR5)
- ストレージ:1TB(SSD M.2)
- ディスプレイ:16型ワイド WQXGA(2560×1600)、リフレッシュレート240Hz
- 本体サイズ:約363.4mm×261.75mm×21.99~26.95mm
- 重量:約2.5kg
- 色:オニキスグレー
- 価格:オープン価格
- 型番:LegionPro5 16IRX9 83DF006QJP
- CPU:インテル Core i7 プロセッサー 14650HX(第14世代)
- GPU:NVIDIA GeForce RTX4060 Laptop GPU
- メモリ:16GB(DDR5)
- ストレージ:1TB(SSD M.2)
- ディスプレイ:16型ワイド WQXGA(2560×1600)、リフレッシュレート240Hz
- 本体サイズ:約363.4mm×261.75mm×21.99~26.95mm
- 重量:約2.5kg
- 色:オニキスグレー
- 価格:オープン価格
クリエイティブな作業やこれからゲームを始めたい人に最適『Lenovo LOQ 15IRX9』
Lenovoが展開するゲーミングノートPCのエントリーモデル“LOQ”シリーズ。その最新機種が『Lenovo LOQ 15IRX9』だ。
CPUとグラフィックのパーツ構成が異なる複数のタイプが用意され、最上位版のCPUは第13世代インテルCore i7-13650HX、グラフィックはNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU。リフレッシュレート144Hz対応の15.6型ワイドフルHD(1920×1080)ディスプレイを搭載し、DDR5 16GBメモリとM.2 SSD 512GBを備えている。
さすがに高性能モデルの『Legion Pro 5i Gen 9』と比べると性能は控えめ。とはいえ、3Dグラフィックのゲームもかなり楽しめるため、ふだん使い用としては十分な性能を誇る。ゲームはしないけれど高性能なパソコンがほしい人や、これからPCゲームを始めてみたい人におすすめのPCと言える。
スペック
型番:LOQ 15IRX9 83DV0078JP
CPU:インテル Core i7 プロセッサー 13650HX
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060
メモリー:16GB(DDR5)
ストレージ:512GB(SSD M.2)
ディスプレイ:15.6型ワイド フルHD(1920×1080)、リフレッシュレート144Hz
本体サイズ:約359.86mm×258.7mm×21.9~23.9mm
重量:約2.38kg
色:ルナグレー
価格:オープン価格
型番:LOQ 15IRX9 83DV0079JP
CPU:インテル Core i7 プロセッサー 13650HX
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4050
メモリー:16GB(DDR5)
ストレージ:512GB(SSD M.2)
ディスプレイ:15.6型ワイド フルHD(1920×1080)、リフレッシュレート144Hz
本体サイズ:約359.86mm×258.7mm×21.9~23.9mm
重量:約2.38kg
色:ルナグレー
価格:オープン価格
型番:LOQ 15IRX9 83DV0074JP
CPU:インテル Core i7 プロセッサー 13450HX
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3050
メモリー:16GB(DDR5)
ストレージ:512GB(SSD M.2)
ディスプレイ:15.6型ワイド フルHD(1920×1080)、リフレッシュレート144Hz
本体サイズ:約359.86mm×258.7mm×21.9~23.9mm
重量:約2.38kg
色:ルナグレー
価格:オープン価格
eスポーツを応援するLenovo Legionの取り組み
LenovoがゲーミングPCを発売する根底には、「eスポーツの発展を後押ししたい」という意図がある。さまざまな大会やイベントへの協賛も、その取り組みのひとつだ。直近では、2024年1月25日に東京国際フォーラムで開かれた“日本eスポーツアワード”にも協賛している。
このアワードは日本国内におけるeスポーツ界の功績を表彰するというもの。2023-2024年に第1回の投票・発表が行われ、今後も毎年開催されるという。いくつもの賞が設けられていたアワードのなかで、Lenovo Legionが協賛したのは“eモータースポーツゲームプレイヤー賞”。
”eモータースポーツ”とは、いわゆるレースゲームを使った競技シーンなどを指す言葉だ。Lenovoは2022年からモータースポーツの最高峰“フォーミュラ1(F1)”とパートナーシップ契約を締結。これにより、同社の培ってきたデジタル技術がF1の大会運営に活用されることとなった。
具体的な活動例として、2023年9月15日~24日に渋谷スクランブル交差点の街頭ビジョンで上映された映像作品が挙げられる。東京・渋谷の街を3Dデータに起こし、本物のF1マシンが街中を疾走するような大迫力の映像を作り上げたのだ。
活動のきっかけのひとつに、この仮想サーキットを走行した人物との出会いがある。“車いすのレーサー”長屋宏和氏である。
彼はF3レーサーとして活躍していた当時、事故で頸椎損傷のケガを負って四肢が不自由に。それでも闘志は消えず、現在はeモータースポーツレーサーとして戦いながら、レノボ ジャパンeスポーツアンバサダーとしても活動中だ。身体的特徴の壁を越えられるeスポーツならではの事例と言える。
アワードの受賞式には長屋氏も登壇。「私は2002年のレース中のクラッシュで車いすの生活になりました。eモータースポーツは、事故で一度諦めたレーサーとしての夢を持つことができた」と、eモータースポーツへの想いを語る。
ノミネートされた選手たちに向けたメッセージも熱かった。「この5名の選手は、世界で活躍するすばらしい選手。モータースポーツの世界はまだまだ活躍できる場所は少ないかもしれない。しかしeモータースポーツには可能性がある。みなさんには、これからも世界に向けてeモータースポーツの魅力を発信していってほしい」と、後輩たちに願いを託す。
プレゼンターとして登壇したレノボ・ジャパン合同会社 マーケティング統括本部コンシューマー事業部 部長・趙恩淳氏は、「Lenovoは2022年からF1公式スポンサーとして参加している。その流れでeモータースポーツを盛り上げる活動も行っている。これからもeモータースポーツが盛り上がっていくことを楽しみにしている」と、ゲームの未来に期待する。
eモータースポーツゲームプレイヤー賞の最優秀賞に選ばれた宮園拓真選手は、「eスポーツのなかでeモータースポーツは、まだまだ小さいジャンルだと思う。昨年はあまりいい結果は残せなかったが、これからもおもしろさを伝えていきたい」と挨拶。
さらに宮園選手は「自分よりもすばらしい選手がこの場に立てるよう、eモータースポーツを盛り上げていきたい」と付け加え、eモータースポーツの若手選手たちにエールを送った。
遠くない将来、本稿の前半で紹介したLenovoのゲーミングノートPCを購入した若いプレイヤーが、日本eスポーツアワード eモータースポーツプレイヤー賞に選出される日が来るかもしれない。そんなドラマティックな未来に期待したい。