※本記事は、2023年3月23日にアップした記事を再編集したものです。
据え置き型ゲーム初の『星のカービィ』
いまから31年前の1993年(平成5年)3月23日は、ファミリーコンピュータ用ソフト『星のカービィ 夢の泉の物語』が発売された日。
『星のカービィ 夢の泉の物語』は、任天堂から発売された横スクロールのアクションゲーム。ゲームボーイで発売された初代『星のカービィ』に続くシリーズ第2弾で、本作が据え置き型ゲーム機で初めて登場した『星のカービィ』シリーズとなる。
シリーズの代名詞的存在と言える“コピー能力”が初登場したのは意外にも1作目ではなく、この『夢の泉の物語』からだったというのは昔からのファンにとっては有名な話だ。
本作が発売されたのはファミコンがそろそろ役目を終えるという時代。当時の次世代機であるスーパーファミコンが約2年4ヵ月も前の1990年11月21日に発売され、すでハードの移行が進むさなかの登場だったにも関わらず大ヒットを記録している。
ゲームの舞台となるのはもちろんプププランド。“夢の泉”にある秘宝“スターロッド”がデデデ大王に奪われてしまったため、住民たちは楽しい夢を見られなくなってしまっていた。そこでカービィはみんなの楽しいお昼寝の時間を取り戻すために立ち上がる。バラバラにされ手下に配られたスターロッドを回収し、夢の泉の輝きをもとに戻すことはできるのか……というのが本作のストーリーだ。
最大の特徴は、前述の通り初登場となるコピー能力。前作では敵を吸い込んで吐き出すのがカービィの攻撃手段だったのだが、『夢の泉の物語』では吸い込んだ敵を飲み込むことで相手の能力をコピーできてしまうのだからそれはもうビックリしたはずだ。
炎を吐いて攻撃する“ファイア”、敵を凍らせる“アイス”、片手に剣を持って斬り付ける“ソード”など、コピーできる能力は初搭載のシステムながらじつに多彩。さまざまな技を使えるのがおもしろくて、誰しも新たな敵と出会うのが楽しみになったんじゃないだろうか。
帽子をかぶったりするカービィのコスプレ姿はまだなかったと思うが、攻撃時のモーションが多種多様だったので見ているだけでもワクワクしたに違いない。能力を取っ替え引っ替えせず、得意な能力をがんばって手放さないように戦っていくなんて戦法も使うことができた。
いくつかのステージで構成されたLEVEL1~7までのワールドマップがあり、各LEVELすべてのステージを攻略するとボスと対決。ボスを倒せばつぎのLEVELへ進めるという寸法だ。LEVEL7の最後でデデデ大王を倒せば、ラスボス戦へと突入する。そういえば、つぎのLEVELへ進む際にアイキャッチ的に挿入される短いシーンがあるのだが、ここでのカービィの動きがじつにかわいくて印象に残っている。
また、各マップ上にはサブゲームへの扉もあり、“クレーンフィーバー”や“はやうちカービィ”、“たまごきゃっちゃ”といったワンボタンで遊べるミニゲームをプレイできた。
現在、ファミコン版『星のカービィ 夢の泉の物語』で遊びたいならNintendo Switch Onlineに加入するのが手っ取り早くておすすめだ。ほかにも多数の『星のカービィ』シリーズが遊べてお得感もすごい。ちなみに、2002年10月25日には本作のリメイク版『星のカービィ 夢の泉デラックス』がゲームボーイアドバンスで発売されている。
それから、本作の誕生秘話をディレクターを務めた桜井政博氏が自身のYou Tubeチャンネルで語ってくれている。ゲームファンならずとも必見の内容になっているので未見であればチェックするといいだろう。