※本記事は、2023年3月29日にアップした記事を再編集したものです。
主人公であるアヤ。名前の由来は…?
いまから26年前の1998年(平成10年)3月29日は、プレイステーション(PS)用ソフト『パラサイト・イヴ』がスクウェア(当時)から発売された日。
『パラサイト・イヴ』は瀬名秀明のデビュー作であるホラー小説を原作にしたアクションRPGです。プロデューサーは『ファイナルファンタジー』シリーズの坂口博信氏、ディレクターは『ライブ・ア・ライブ』や『クロノ・トリガー』の時田貴司氏、音楽は『ライブ・ア・ライブ』や『スーパーマリオRPG』の下村陽子氏、さらにキャラクターデザインには後に『キングダム ハーツ』シリーズを手掛ける野村哲也氏も参加。豪華スタッフの手掛ける作品になっています。
同名の小説を原作にしているもののストーリーはオリジナル。ゲームは小説の数年後の設定で、舞台も日本からアメリカに移っています。ゲームの主人公であるアヤ・ブレアも本作だけのオリジナルキャラクターで原作には登場せず。ゲームから『パラサイト・イヴ』の世界に入って、そのあとに原作を読んだ人は驚くでしょうね。
ちなみに、アヤという名前は坂口博信氏の娘さんの名前が由来となっているそう。ゲームの発売当時、ファミ通に綾さんのコスプレグラビアが掲載されたことも。主人公の名前の由来が娘さんだと知ったファミ通のスタッフがグラビアを提案し、坂口氏も快諾されたそうですが、このノリが当時のファミ通っぽくて好きです(笑)。
本作『パラサイト・イヴ』は細胞内小器官のミトコンドリアがネオ・ミトコンドリアに覚醒して人類を襲うようになった世界が舞台。プレイヤーは刑事のアヤ・ブレアを操作して、銃火器でネオ・ミトコンドリアに挑んでいくことになります。ミトコンドリアが人類に反抗する展開は原作と同じですが、アヤは体内にネオ・ミトコンドリアを持っており、人間とネオ・ミトコンドリアの中間である自身の存在について葛藤する姿が描かれるのが特徴です。
アヤのパートナーとなるベテラン警官のダニエル・Bo・ドリスをはじめ、ほかのキャラクターたちも魅力。小説版の事件がきっかけでミトコンドリアの研究をしている研究員の前田邦彦は小説とゲームの世界観をつなぐ架け橋のような人物でした。自分の中ではアヤに重要アイテムを渡し、アイテム欄を圧迫してくる人というイメージです(笑)
ポリゴンのキャラクターを動かすのは『FFVII』と同様ですが、『FFVII』が3頭身だったことに対し本作は8頭身で、よりリアルに近い描写となっています。『FFVIII』でキャラクターが8頭身になったことは当時話題になりましたが、先んじて『パラサイト・イヴ』で実装されていたわけですね。
バトルは、ゲージが溜まったらコマンドを決定して敵を攻撃する『ファイナルファンタジー』シリーズのATB(アクティブタイムバトル)に近いシステム。敵からの攻撃は直接キャラクターを操作して避けることができ、RPGとアクションのいいとこ取りになっていました。また、パラサイト・エナジー(PE)というミトコンドリアの力を使う技も迫力満点。原作では人体発火といったホラー的描写でしたが、本作ではビームや稲妻を出現させるという魔法のようなものになり、ゲームらしい演出になっていましたね。
レベル上げやスキルの習得など育成要素も多く、アクションが苦手な自分にはうれしいバランスでした。ただ、同じ場所で敵を倒しているとエンカウント率が下がっていく仕様のため、レベル上げ作業がちょっと大変でした。やり込み要素も豊富で、2周目で挑戦できる隠しダンジョン“クライスラー・ビルディング”も存在。“コックローチ”という巨大なゴキブリのボスは気持ち悪すぎてトラウマでしたね。
新鮮だったのは下村陽子さんの音楽。『ストリートファイターII』を始めとして激しい曲が多い印象なので、本作では暗い曲が多くて驚きました。とても世界観に合っていてお気に入りです。
シリーズは1999年12月16日に2作目の『パラサイト・イヴ2』が発売され、2010年12月22日には11年ぶりの続編となる『ザ・サード バースデイ』が発売されました。ストーリーはすべてつながっているので、1作目から順番にゲームアーカイブスでプレイしてみてください!
『パラサイト・イヴ』を検索 (Amazon.co.jp)