【ネタバレ注意】『Life is Strange: Before the Storm』クロエ役Lynnさん、レイチェル役大津さんが“あの場面”に選んだ選択は!?

公開日時:2018-07-03 12:00:00

 2018年6月7日に発売され、前作同様、ユーザーからの評価も高い『Life is Strange: Before the Storm(ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム)』。本作は、前作の3年前、クロエに大きな影響を与えるレイチェルとの淡く切なく、危うい青春の物語が描かれる。本稿では、クロエ役のLynnさんとレイチェル役の大津愛理さんのインタビューをお届け。なお、インタビューにはローカライズディレクター西尾勇輝氏にも参加していただいた。
※インタビューは5月中旬に実施。
【注意】本インタビューには、ネタバレを含みます。未プレイの方はご注意ください。

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西尾勇輝氏
スクウェア・エニックス ローカライズディレクター。これまでローカライズを手掛けてきたタイトルは、『ディアブロIII』、『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』、『Life is Strange(ライフ イズ ストレンジ)』、『オーバーウォッチ』など。

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Lynnさんとクロエの共通点は?

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Lynn(クロエ役)
6月1日生まれ。新潟県出身。アーツビジョン所属。おもな出演作は『競女!!!!!!!! 』(神無のぞみ役)、劇場版『モンスターストライク』(水澤葵役)、『風夏』(秋月風夏役)、『メルヘン・メドヘン』(ユーミリア・カザン役)など。

――Lynnさんは前作からクロエを演じてらっしゃいますが、クロエの印象をどう捉えていますか? ご自身と似ているところは?

Lynn 最初は、なんでこの子はこんなに擦れてるんだろう、グレてるんだろうって思っていました(笑)。似ているところは……私はそれを積極的には表に出してないだけで、あるとは思います。クロエは飾らずに自分を出せてますよね。

――Lynnさんも飾らず自分を出すタイプなんですね? クロエは口も達者ですが、Lynnさんはいかがですか?

Lynn 私は、相手をうまく言い負かしたりとかはできませんが、どこか世の中を斜に構えて見ている感じはあるかもしれないです。

西尾 クロエのように、たまに怖いなっていうときが収録ではありました(笑)。

Lynn ええっ!?(笑)

――というと?

西尾 収録時「すみません、もう一度お願いします」とお願いすると、返事がないときがあって。「あれ、怒っていらっしゃるのかな?」と(笑)。でも、単に集中していらっしゃるだけだったんですけど。あと、収録は1日5時間くらいを何日もかけて行ったんですが、クロエの声質に引っ張られるので、帰り際は地声がかなり低くなっていたり。

――それほど入り込んで収録に臨まれていたんですね。今回、クロエ特有のシステムとして“バックトーク”というシステムが入りました。相手のキーワードを拾いながら言い負かす、というのはクロエっぽいですよね。

西尾 あれを実際にやられるとかなり嫌だと思います(苦笑)。

Lynn 私も演じながら、「そんな言いかたしなくても!」って思っていました(笑)。でもそこが、クロエらしいんですけどね。

西尾 これを言わせるのは申し訳ないな、という乱暴なセリフもところどころあったんですが、Lynnさんは躊躇なく言ってくれるので助かりました。

――前作でLynnさんをクロエ役に起用した決め手は何だったのですか?

西尾 すごく特徴的なキャラクターだったので、しっくりくる声の方をずっと捜していたんです。そんなときに、同僚がオススメの声優さんのリストをくれて、その中にLynnさんの名前がありました。サンプルボイスは、いまのクロエに似たものではなかったのですが、感覚的にLynnさんでいけるだろうと、僕の独断に近い形でオファーさせていただき、最初の収録で、30分ほど時間をかけてキャラクターをつかんでいただいたとき、まわりのスタッフも「これはクロエだ」と納得していましたね。

――オファーについてはどう思われました?

Lynn クロエほどボーイッシュで言葉遣いの悪いキャラクターを担当したことはなかったですし、個人的にはずっと演じてみたい系統の役柄だったので、挑戦でしたけれど「私、この路線はうれしい。ありがとうございます!」と思いました。

――本作は『Life is Strange』から3年前という設定ですが、その時間差に関して収録で心掛けたことはありますか?

Lynn 前作よりも若干刺々しさは抑えましたが、前作からとくに大きく変えてはいないですね。それよりも、ボーナスエピソードの子ども時代のクロエを演じるほうが難しかったです。幼さや明るさ、ちょっとしたピュアさみたいなものも加える必要があったりして。

――すぐにクロエを思い出せましたか?

Lynn 私は現場で原音のニュアンスを聞いて、それに合わせようという意識が強いのですが、海外版のクロエは前作から役者さんが変わり、セリフのテンポなども変わっていました。最初は、少し戸惑いがあったんですけど……ちゃんとクロエでしたよね?

西尾 はい。最初からクロエでしたね。

――収録にあたって、西尾さんから何かオーダーを出されたりは?

西尾 クロエのイメージはもうLynnさんご自身の中にあるので、こちらからは、シーンが切り換わったときや、ニュアンスが違うときに説明させていただくくらいで、基本的にはおまかせする感じでしたね。

――クロエが主人公になったことで、セリフ量もかなり増えたと思いますが、物量的な意味で苦労があったのでは?

Lynn そうですね。心の中のセリフが多くて、「ほんとにひとりでようしゃべるなぁ」と(笑)。収録は、終わりのない果てしない旅でしたね。

西尾 1日5時間収録しても、ぜんぜん台本のページ数が減らないんですよね。

Lynn ただ、だんだんコツをつかんできて、ちょっとずつ収録ペースが上がりました。

西尾 そうですね。エピソード2くらいから一気にペースは上がりました。声優さんには、それぞれリズムみたいなものがあって、収録を進めていくうちに、尺の合わせかたも見えてくるんです。ただ、単純な物量だけでも前作の数倍もの量だったので、Lynnさんにはご苦労をおかけしました。

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――とくに印象に残っているシーンは?

Lynn TRPGのシーンは意表を突かれました。台本に軽く目を通したときに「急にファンタジー世界に!? これはいったい!? 」とビックリしたんですが、よく台本を読んだら、TRPGをやっているんだとわかって。最初は「クロエ、どうしたの!?」って思いました(笑)。でも、けっこうノリノリでTRPGを楽しんでいるクロエもかわいいですよね。

――クロエは意外とオタク気質でしたね(笑)。

Lynn 舞台のシーンでもそうですが、思いのほか役になりきるタイプなんだなと。劇中劇の『テンペスト』は、言葉回しが難しい題材でしたが、西尾さんがかなり読みやすくしてくださいました。

西尾 英語版はわりとシェイクスピアの言葉通りの台本なのですが、現代の日本人が聞いてわかる程度に書き換えています。それでも、劇中劇は演じるのがかなり難しかったんじゃないでしょうか。

Lynn クロエは女優ではないので、別に芝居がうまくないですし、セリフもうろ覚えみたいな感じなので。あえて素人感を出す、というのはたしかに少し難しくはありましたね。あと印象に残っているのは、レイチェルとウソ当てゲームをするシーンですね。ゆったりとした平和な時間が流れて楽しかったです。ウソ当てゲームは、実際に自分でもやってみようかなと思いました(笑)。

――前作では行方不明だったレイチェルが、実際にクロエの親友として出てきますが、レイチェルについてはどんな印象でしたか?

Lynn みんなの憧れの存在で、人気者で、クロエとは正反対の存在ですけど、やっかい具合で言うとクロエよりもレイチェルのほうがかなり上かなと(笑)。素敵な部分とやっかいな部分、さらに闇を抱えているみたいな。そういうキャラクターを大津さんがうまく演じられていましたよね。私は、大津さんが大好きで、仲よしでもあるので、今回共演できてうれしかったです。

――クロエとレイチェルみたいな関係をどう思いますか? Lynnさんは学生時代、クロエやレイチェルのように学校を抜け出したりしたことは?

Lynn ないです(笑)。学生時代は真面目でしたね。勉強しかしていない超優等生ぶった子でした。でも、この現実から逃げ出したい、みたいな願望はあった気がします。

西尾 クロエとレイチェルは共存共栄というか、お互いの願望や共通しているところがあって、そのおかげで絆がとても強くなったのかなと思います。あそこまでお互いを必要とするというのは、たいへんだとは思いますけど、僕はあこがれますね。

――ところで“あの場面”では、Lynnさんだったらどうしますか?

Lynn 私は隠しごとができないので、真実を伝えると思います。ウソをつけない人間なんですよ。言いたくてしょうがなくなっちゃうし。

――大津さんに同じことをうかがった際には、Lynnさんにならどうされてもいい、というゾッコン発言がありましたよ(笑)。

Lynn ありがたいですね!(笑)

――ある意味クロエとレイチェルっぽい。

西尾 大津さんはLynnさんに冷たく対応されたいっておっしゃっていましたから、下手したら、あのふたりよりももっと変わった関係かもしれませんね(笑)。

――両作品を通して『Life is Strange』シリーズの印象はどうでしたか?

Lynn クロエを演じているということもあって、かなり重い、辛い物語だな、という印象が強いです。でも、だからこそ日常のちょっとしたシーンが幸せに、キレイに見えるっていうのはあると思います。あと、別の現場の共演者さんやスタッフさんなど、私のまわりで『Life is Strange』を遊んでいる方がすごく多くて、いまでも「Lynnさんクロエなん
ですよね?」って声をかけられることが多いんですけど、そんな作品に関わらせていただけたのは、すごくうれしいなと思います。個人的な願望としては、映像作品としても観てみたいな、と。

――映像作品だと、エンディングが難しそうですね。

Lynn たしかに(笑)。

西尾 ひとつひとつの選択にともなう結果、責任をプレイヤーが負う必要がある、というのが『Life is Strange』だと思っているので、映像作品にする際は、どうアプローチすればいいか難しそうですね。明確な正解というものはなくて、どれもある意味正解で、ある意味間違いというか……。人生もそんなものですよね。

Lynn だから“Life is Strange”なんですよね。西尾さん、いいことおっしゃる!(笑)

――では最後に、さらにいいひと言を!

西尾 本作では、前作のように“時間を戻す”ような超自然的な現象は起きませんが、アルカディア・ベイという特別な町の雰囲気というか、『Life is Strange』の世界をクロエにしかできない見せかたで描いています。前作では見られなかったクロエが随所に出てくると思うので、いろいろと掘り下げながら楽しんでいただけたらと思います。あとは、Lynnさんのステキな声をぜひ聞いてください。

Lynn 前作からのファンで、本作をお待ちいただいている方はもちろん、前作を知らない方も本作をキッカケにどちらもプレイしていただけたらと思いますし、とにかく、まず、本当にこの作品に出会っていただきたいです。私自身、辛い気持ちになったりしながらも、クロエの人生の一部を演じさせていただきました。いっぱいしゃべったので(笑)、聞いていただけたらうれしいです。皆様のそれぞれの楽しみかたで、じっくりと本作を味わってください。

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予想に反して劇薬だったレイチェル

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大津愛理(レイチェル役)
3月15日生まれ。東京都出身。おもな出演作は、海外ドラマ『NCIS-ネイビー犯罪捜査班-』シリーズ(ジヴァ・ダヴィード役)、アニメ『メルヘン・メドヘン』(マリヤ・ラスプーチン)ほか、ナレーションや舞台など幅広く活躍中。

――まずは、前作ではコートニーとステラを演じた大津さんが本作でレイチェル役を担当することになった経緯を教えていただけますか?

西尾 クロエやネイサン、ビクトリアなど、前作にも登場したキャラクターは、同じ声優さんにお願いさせていただているんですが、本作で初めて声が付くレイチェルは、キャストがなかなか決まらなかったんです。レイチェルはとても複雑な子で、多くの矛盾をはらんでいるキャラクターなので、イメージに合った方を捜すのが難しかったんです。そこで前作でお願いした声優さんの中から、本作では登場しないキャラクターを担当された方の声を改めて聞いたとき、大津さんがぴったりだと思い、オファーさせていただきましたが、期待以上でした。

大津 ありがとうございます! 最初は名前が同じだけれど、前作に登場したレイチェルとは別の役だと思っていたんですよ。ですので、まさかそんな大きな役のオファーがくるとはとビックリしました。私もそうですが、前作をプレイした方の中には“自分の中のレイチェル像”があると思うので、プレッシャーはありました。でも、それ以上にレイチェルを演じられるという喜びがありましたね。

――実際に演じたレイチェルの印象は?

大津 前作までの私のイメージでは、“フランクと付き合っていたという噂はあったけれど、優等生でいい子”という印象でした。でも、台本をめくっていったら、「おかしいぞ!? レイチェルがこんなこと言うわけ……。クロエかわいそう!」みたいに感じるセリフがいっぱい出てきて(笑)。そういった意味ではすごく予想を裏切られました。前作から遊ばれる方はきっと同じ印象を持つと思います。

西尾 僕は友だちにはなりたくないタイプですね(笑)。でも、クロエにはああいう子が必要だった時期なんですよね。クロエが好きな方は、レイチェルも好きになると思いますよ。マックスがずっとクロエの側にいたら、みんなの知っているクロエにはなっていないでしょうから。言ってしまえば救世主なんですよね、クロエの。

――大津さんはレイチェルと何か共通点を感じる部分はあったりしますか?

大津 まわりを振り回すところは似ているかもしれないですね(笑)。ただ、レイチェルの場合は、多少の計算や意識してそうしている部分はあると思うんですが、私は計算せずにそうなっちゃうので(苦笑)。クロエ役のLynnさんとは、いろいろな現場で会うのですが、そのときもLynnさんを振り回しちゃいますし。でも、そんな私にもLynnさんはやさしくしてくれるので、そこもクロエとレイチェルの関係に似ているかもしれないです(笑)。

西尾 レイチェルは、本人が計算しているところはもちろん、計算していないところでも、人をすごく魅了する才能に溢れていて、それをカリスマ性と言うんだと思うのですが、大津さんもカリスマ性に長けた声優さんですから、そういう意味でも似ているのでは?

大津 褒めすぎです(笑)。

――レイチェルを演じるに当たって、西尾さんからどんなリクエストが?

大津 先ほども言いましたけれど、レイチェルは容姿端麗で優等生というイメージとは違っていましたし、トレーラームービーの収録時、西尾さんからは「上品にしない」という言葉をいただいたので、私の中のレイチェルのイメージは捨てて、新たなレイチェル像を作っていきました。また、西尾さんから、取り繕ったレイチェルではなくて、クロエとの距離が近づくにつれて見えてくるレイチェルの本心のようなものを見せたい、ということで、私の中での演技方針もここで決まりましたね。西尾さんは私みたいな感覚で生きている人間にも、すごくわかりやすく演技指導してくださいました。

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――本作は、選択肢でその後の出来事にも変化があるので、セリフの数も多かったと思うのですが、体力的にはどうでしたか?

大津 正直、ぜんぜん意識してなかったです。無我夢中で収録していました。でも、西尾さんが日々疲弊していたのはわかりました(笑)。

西尾 本作は、クロエのセリフ量が圧倒的に多いんですが、レイチェルのセリフ量もふつうのゲームに比べるとかなり多いです。

――本作ではクロエとの会話シーンが多いですが、Lynnさんと別々の収録は難しくはなかったですか?

大津 Lynnさんとは、「アニメみたいにいっしょに録れたらいいのにね」と話をしていました(笑)。でも、今回はクロエの声を聴きながら収録できたので、ひとりで録っているという感覚がだんだん薄れていって、Lynnさんと本当に会話している感覚で演技できたので、ありがたかったですね。

――本作で印象に残ってるシーンは?

大津 かなり終盤になるんですけど、クロエに対して、ちゃんと自分の気持ちを吐露できたなというシーンがあって……。そこがいちばん印象的でした。レイチェルの内面がようやく見えたというか。演出も幻想的で、私の中ではすごく特別なシーンになりました。

西尾 僕もあのシーンは大好きですね。ただ現時点では記事で具体的には書けないかも。でも、本作の中でも象徴的なシーンのひとつですよね。じつはパッケージの裏にも使っているんですが(笑)。

――どのシーンかは、パッケージを手に取っていただくということで……。演じるのが難しかったシーンはありますか?

大津 劇中劇の『テンペスト』のシーンですね。レイチェルが演じているプロスペラ(劇中での役名)を演じる、というお芝居で、しかも、レイチェルはプロスペラの中に自分の気持ちを混ぜたりするんです。ですから、かなり事前準備をして収録に臨みました。レイチェルは舞台の花形なので、比較的演技がうまい子なのですが、でも素人感も残すというスキルが必要で、演じるのは難しかったですね。

――大津さんご自身の高校時代を振り返ってみて、クロエやレイチェルに共感できる部分はありましたか?

大津 みんな大なり小なり抱えている問題があって、そこに直面したときにどう対処するか、どう逃げるかという選択肢のひとつひとつがすごく共感できるんですよ。開発者の中にどれだけティーンの心を持った方がいらっしゃるんだろと思いました(笑)。

――高校時代の思い出は?

大津 希望の学校へ進学するための内申点が足りなかったので、学校からの推薦がもらえなかったんですが、自己推薦で大学を受験したんです。集団面接時に、好きな作家についてひとり30秒で話をしてくださいというお題があったんですけど、気づいたら私だけ3分
以上も話していて(笑)。それもでまだ話したいことがあったので、「まだ時間ありますか?」って聞くと、面接官の方々が無言だったので、私はそれを肯定だと受け止めて、それからさらに2分くらいダメ押しで話して(苦笑)。それがよかったのかどうかはわかりませんが、まわりのみんなや家族からも無理だって言われていたところの教育学部に一芸で受かっちゃいました(笑)。

――トークで状況を切り拓く、むしろクロエのようなことを(笑)。教育学部ということは、教員免許を持っていらっしゃるんですか?

大津 はい。

――もし、クロエやレイチェルのような生徒を担当することになったらどうしますか?

大津 クロエみたいな子はたぶん、なんとかなると思うんですよ。根が素直じゃないですか。でも、レイチェルは教師から見ても何を考えているかわかりづらいので、接しかたが難しそうですね。ただ、私は単純だから「あなたはいい子ね!」って優等生な側面だけを見る教師になるかもしれませんが(笑)。

――ゲーム終盤の“あの場面”では、大津さんならどうされますか?

大津 それ、聞いちゃいますか!?(笑)。じつは、収録が終わってからも、ずっと心に引っかかっているところなんですよね。レイチェルって、収録が終わってからもなかなか頭の中からいなくなってくれない子で、その点についてはどれだけ考えても、どっちがよかったのかなんてわからなくて。でも、Lynnさんにだったら何をされてもいいです! それがLynnさんの選んだ選択なら何でも受け入れると思います(笑)。

――(笑)。西尾さんはどうされます?

西尾 僕は、真実を告げちゃうと思います。

大津 どこまでですか?

西尾 全部。僕の中ではあのシーンって、クロエの夢の世界なんじゃないか、という気もしていて。クロエの意識化のセラがそう言っただけなんじゃないかと。だって、デイモンとかフランクがあそこからキレイにいなくなって、タバコを吸ったセラが何もなかったかのように話しかけてくるって、ちょっと不思議な感じのシーンじゃないですか。

――なるほど、クロエはウィリアムとのスピリチュアルなシーンもありますし、あそこも、もしかしたら現実ではなかったかも、と。

西尾 しかも、レイチェルは3年後を描いた『Life Is Strange』では●●●●●じゃないですか。なので、すべてを知ったうえで●●●ほしいっていうのもあります。何も知らないまま楽しく過ごしてもらいたいという意見もあると思いますが……レイチェルには真実を知る権利はあると思います。

――どの選択もですが、なかなかこれが正解、という答えは出ないですよね。そんな『Life is Strange』シリーズの魅力はどこにあると思いますか?

大津 学生時代を経験した人なら誰しもが共感できるセリフや選択肢があったりして、共感できるポイントがたくさんありますし、最初は客観的にプレイしていても、物語の中にどんどん入ってしまい、最終的にはアルカディア・ベイに住んでいるような感覚になれるという没入感がいちばんの魅力だと思います。

――最後に、読者にひと言ずつお願いします。

西尾 本作は、前作をプレイしていただいた方はもちろん、初めて『Life is Strange』の世界に入る方も楽しめる内容になっています。とくに、本作からプレイされる方は、前作の開発段階から関わっている私とは違った角度から作品を見られると思うので、ぜひ意見を聞かせていただけるとうれしいです。また、前作もそうでしたが、ポスターやチラシなど、周囲にあるアイテムを調べれば調べるほど、物語への理解が深まるのと同時に、キャラクターのセリフやイベントの有無にも影響することがあります。下線が表示される選択肢は、調べたりある一定の情報を得たことで表示されるものなので、プレイのしかたでセリフの印象も変わると思いますよ。「こんなセリフあったんだ!」みたいな。ですので、できるだけじっくりと調べながら進めることをオススメします。ローカライズに関しては、幸い、前作では多くの方々にご好評をいただけて感謝しています。本作にもすごく力を入れてがんばりました。すばらしいキャストの方々による演技にも注目してもらえたらと思います。とくに、クロエの“バックトーク”は僕の努力の結晶なので、ぜひ楽しんでください!

大津 満を持してしゃべって動くレイチェルが初登場! ということで魂を込めて演じさせていただきました。前作のイメージを持っていらっしゃる方々は、いい意味でびっくりすると思います。1回プレイしただけではわからない、レイチェルやクロエの気持ちがあると思うので、ぜひ何度もプレイしていただければと思います。そのときは、クロエやレイチェル、先生、家族など、いろいろな立場から物事を考えると、より深く楽しめるはずです。あとは、皆さんがレイチェルを愛してくだされば幸いです。

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メイク協力:西田聡子(ZOSP)


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Life Is Strange - ファミ通エクストリームエッジ

タイトル:Life is Strange 2(ライフ イズ ストレンジ 2)
対応機種:プレイステーション4、Xbox One、PC
発売日:2020年3月26日
価格:各4980円[税抜](各5478円[税込])
言語仕様:音声-日本語/英語 テキスト-日本語/英語ほか
CERO:D(17才以上対象)
開発会社:DONTNOD Entertainment
※Xbox One版とPC(Steam)版はダウンロード専売。Xbox One版は本編及び無料の日本語化DLCを2020年3月26日(木)に配信予定。PC版の本編はグローバル版が配信中。無料の日本語化DLCを2020年3月26日(木)に配信予定。

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