プロゲーマーになりたい夢をかなえる3つの力技

公開日時:2016-08-03 16:55:00

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▲eスポーツやプロゲーミングチームを題材に、ゲームの新しい楽しみかたを提案します。

 ゲーム大会などを取材しているうちに、プレイヤー関連の知人が増えた。彼らを見ていると「チームっていいな」と思う。共通の目標に向かって仲間と力を合わせ、まい進する。青春だ。

 プロゲーミングチームに憧れる気持ちはあるが、僕はチームプレイが苦手だ。それに、根本的に集中力がなくて、努力が苦手なので選手としてどうしようもない。

 社会性のない僕でもチームのよさを体感できる方法はないだろうか。できればゲームのプロプレイヤー気分も味わいたい。夢をかなえる方法を模索した結果、3つの力技が誕生した。

★★★優勝シーンにしれっと混ざる★★★

 ゲーミングチームが輝く瞬間といえば、やはり大会の優勝時だろう。僕も歓喜の輪に加わりたい。

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▲ここに僕もいたことにしてくれないだろうか。

 これはオンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』(以下、AVA)のオフライン大会“AVAれ祭2014”の写真だ。2014年12月29日に爆破と護衛の2部門で実施され、爆破部門はDeToNator、護衛部門はRecyleが優勝した。

 “DeToNator”は『AVA』のクランからスタートしたプロゲーミングチーム。現在は『Counter-Strike: Global Offensive』、『Overwatch』など、全6部門で活動している。

 古参のメンバーは僕とも仲よく接してくれるので、突然輪に加わっても受け入れてくれるんじゃないかと思う。彼らの優しさに付け込もう。

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▲大会当日に欠席してしまったという設定で。

 丸抜きで僕の写真を入れてみた。するとどうだろう。DeToNatorは大会に出場できなかった仲間のためにがんばった。そんな感動のストーリーが見えてこないだろうか。ものすごい力技だが。

 合成用の写真は仕事中の後輩に頼んで撮ってもらった。めんどくさい先輩でごめんな。

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▲もうひと手間加えた。

 こうするとさらに物語性がアップする。きっと彼(僕のことだが)は練習に打ち込むあまり利き腕を負傷してしまったのだ。あいつのためにも絶対に優勝する・・・! 友情パワーがDeToNatorを強くした。

 トロフィーの写真でDeToNatorの代表として前に出ているのは、元リーダーのDarkよっぴーくん。現役を退いたいまは大会の解説などを担当している。彼とは長い付き合いなので、少しくらい写真をいじっても怒らないはずだ。さらに手を加えた。

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▲Darkよっぴーくん(ユースケさん、おれたち優勝しましたよ!)。

 Darkよっぴーくんがめちゃくちゃいいやつになった。DeToNatorは傷ついた仲間のために頂点をもぎ取ったのだ。仲間意識やナショナリズムを持つことで、人は強くなるのである。

 写真を合成したらおもしろいかなーくらいの軽い気持ちで試したら意外といい感じに収まった。「本当に精神的な部分で優勝に貢献したのでは?」と錯覚するほどに。

 錯覚してない人はもっと優しい心を持って歩み寄るか、目を細めて遠くから見てください。

★★★プロフィール用の宣材写真に混ざる★★★

 DeToNatorは年に一度くらいのペースでプロフィール用の宣材写真を撮影していて、これがなかなかかっこいい。あの写真に加われたら、僕も真にDeToNatorの一員になれるのではないか。

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▲2015年12月開催の『AVA』国際大会で撮影された宣材写真。左上にいるのは新メンバーかな?

 こちらも撮影日に欠席したということにしてほしい。歴代の宣材写真をいくつかマネージャーの江尻さんからお借りして、使い勝手がよさそうなやつに僕の写真を合成。コントラストを強くするなどして、もとの写真と雰囲気を合わせている。

 なお、DeToNatorの『AVA』部門はメンバーを再編したばかり。左の4人はDeToNator5というチームとして戦いの場を『Overwatch』に移し、現在はいちばん右のS.Monkey選手が『AVA』部門を引っ張っている。

 戦いかたが固まる前に僕の存在を強くアピールしておきたい。

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▲自分が目立つようにずるをする。

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▲でかくする。

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▲増やす。

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▲超越的な存在になる。

 どうだろうか。問いかけられても困るかもしれないが、僕もよくわからなくなってきたのだ。察してほしい。

 さて、こんな小細工ではレギュラーメンバーの座は射止められない。それはわかっている。

 もしチームの一員になれたとしても、僕の役割はReserveだろう。“Reserve(控え)”ではなく、打ち上げ会場の予約係という意味での“Reserve(予約)”である。

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▲「20:00から7人で予約したいんですけど席は空いてますか?」。

 高解像度の写真をお借りする際、マネージャーの江尻さんにはとくに企画内容を説明しなかったが、疑問は抱かなかったみたいだ。このために江尻さんと信頼関係を築いてきたと言っても過言ではない。

 勝手に新メンバー(みたいなやつ)が増えてるなんて夢にも思うまい。

★★★気軽にDeToNator気分を味わえるファンアイテム★★★

 DeToNatorは世界の頂点を目指すチームなので、生半可な気持ちではメンバーになれない。だが、写真を合成したら少しうれしい気分になれた。この興奮をみんなと共有したいので、応援用のファンアイテムを作ることにした。

 好きなスポーツ選手を応援するために、応援バナーやフラッグを作るファンは多い。僕もDeToNatorを応援する気持ちを手作りグッズで表現したいのだ。

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▲顔はめパネルを作った。

 サッカーにサポーターを“12番目の選手”とする思想があるように、5人でチームを組むFPSだってファンを6人目の選手として扱ってもいいだろう。応援だって立派な戦いだ。

 そこで顔はめパネルである。右上の穴から顔を出すとDeToNatorのメンバー気分を味わえる。いっしょに戦おうという思想をシンプルに表現した装置と言える。

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▲引いて写真を撮るとこうなっている。

 全身パネルにしようと思ったが、それでは移動が大変だ。2016年6月12日に開催されたDeToNatorの交流イベントに持ち込みたかったので上半身だけにした。機動性を重視。

 僕は顔はめ看板や全身パネルが好きで、過去にいくつも作っている。ノウハウの蓄積もばっちりだ。パネルの制作作業用にはよく会社の会議室を使う。大切なのは上司に見つかっても動じないことだが、できれば仕事中には作らないほうがいい。

 これを仕事と言い張るにはそうとうのタフネスが必要だからだ。

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▲会社のPCでパネル用画像の調整を行った。堂々としていると上司も怒りにくいぞ。

 江尻さんから取り寄せた写真を分割プリントして市販の大型パネルに貼りつける。顔を基準にして画像サイズを調整するのがポイントである。

 適当に検索したら、成人男性の顔の長さはだいたい24センチくらいらしい。インターネットって便利ですね。

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▲仕上げ作業は自宅で行った。奥さんは何も言わないでくれた。

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▲そのままだと持ち運びにくいので分割し、背面には取っ手をつけて持ちやすくした。

 携帯性を高めたのは我ながらいい判断だったと思う。いつでも、どこでも、誰でも、DeToNator気分を味わえる。まさにユビキタス社会だ。ユビキタスという言葉の使いかたが合っているかどうかはわからない。

 6月12日の交流イベントに持っていったが、遠巻きに見られるだけで、なかなか顔を出してもらえなかった。ふわふわした状況を打破すべく、『Overwatch』参戦を決めたSaih4tE選手に使用例を示してもらうことに。こういう思い切りが新時代を切り開くのだ。

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▲困りながらも穴から顔を出すSaih4tE選手。いいやつ。

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▲興味は持ってくれるものの、たいてい困った顔をされる。

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▲DeToNator・美人部門の選手ふたりです。

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▲『AVA』部門の元選手、上海紅茶館くんが遊びに来ていたので、ついでに現役復帰感覚を味わってもらった。

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▲ノリのいいお兄さんもDeToNator。

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▲それを補助するDeToNatorのメンバー(本物)。

 布にプリントしたら忍者の隠れ身の術みたいになりそうだ。追っ手をまくときにも有効かもしれない。「あの野郎どこいった」とDeToNatorに紛れた僕の前を通り過ぎていく。

 DeToNatorのメンバーはだいたい僕の遊びに付き合ってくれる。こういう気のいいやつらにこそ世界を獲ってもらいたいものである。

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▲『AVA』部門の選手気分を味わうマネージャーの江尻さん。表情でかっこつけようとして、すごく中途半端な顔になっている。

 プロゲーマー気分を味わうだけなら、画像編集ソフトでだいたい解決できる。夏休みの自由工作にどうぞ。


DeToNator公式サイト

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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